鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<29>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<29>
2014年11月25日「ベルガとセルクス」



 今日はベルガ、そしてセルクスに行くことになった。イグナシさんはセルクス出身であり、ベルガ市に何かの手続きをしなければならず、担当の人が午前11時に会ってくれると言うので午前8時には家を出ることにしたのである。そのため7時には起床して準備をしたのであった。この時間、いつもはまだ床の中である。ベルガまでは普段は車で1時間強見れば行かれるのであるが、朝の渋滞を見込んでいるのである。実際、渋滞がしばらく続いていた、バルセロナを抜けてようやく渋滞が無くなる。どこの国でも渋滞が深刻な問題である。2011年に連れ合いのスミさん、星子と三人でバルセロナに来る。その時、羊子がフランス・パリの三大美術館に連れて行ってくれる。飛行機を降りて、本来電車で行くことにしていたのであるが、連れ合いのスミさんの車椅子を持参しているので、タクシーでパリ市内に行くことにしたのである。軽く考えていた。飛行場からパリ市内までの渋滞には驚く。タクシーの運転手が女性だったので、乗るときには安心した。無茶な運転はしないだろうと思ったからである。その思いは訂正しなければならなかった。乱暴運転とは言わないが、少しの空きがあれば割り込んでいく。無理に割り込むので、他の車が激しく警笛を鳴らしている。ようやくパリのホテルに着いたとき、ホテルの前の細い道路に停車したので、後ろに車が続いてしまう。後ろの車が早く移動するように警笛を鳴らしている。平気で伝票を切ったりしている。バイクの青年が苦情を言いながら通り過ぎていくと、言い返したりしている。あの時の渋滞状況が忘れられない。日本でも渋滞の苦痛の経験がある。どこの国でも車の発展に対し、道路事情が追い付かないのである。
ベルガまで車に乗ること2時間で行くことができた。ベルガはバルセロナをまっすぐ北に上るとマンレザと言う街があり、さらに北に進むとベルガになる。もうかなりフランスに近い。先日のシッチェスとは反対に寒さに向かうということである。先日の羊子の結婚式に参列してくださった日本からの知人が、バルセロナでレンタカーを借りてフランス迄往復したと言うから驚いてしまった。かなりの時間を要したと思う。このベルガには二度目なのである。2012年に連れ合いのスミさんと二人でバルセロナに来た時、羊子はその頃からイグナシさんと交際しており、ベルガそしてセルクスに行きながら、アンプリアスの遺跡、フィゲラスのダリ美術館、リポイの街を巡りながらベルガへと行ったのである。丁度、カタルーニャの上の地域を三角に周ったということである。
ベルガで所用を済ませてからイグナシさんの家があるセルクスへと向かう。セルクスはベルガのベッドタウンの様で、結構新しい家が建っている。それに対してイグナシさんの家は昔からの古風な石造りの家であった。まきストーブもあり、ひと昔遡った気分になる。イグナシさんの家に着いたのは12時30分頃であり、お母さんのコンチータさんとスミさんが昼食を準備する間、私とイグナシさんはドライブをすることになった。彼は私を椎茸狩りに連れて行ってくれたのである。セルクスも結構な高度な場所にあるが、高い山々に囲まれた町である。2012年にこちら方面に来た時、10月初旬であったが寒い日であった。それで丁度市場が開かれていて、防寒用のジャンパーを買い求めて着用したのであった。この地域はフランスの国境近くにあるピレネー山脈の麓付近でもあり、かなり寒いのである。しかし、今回訪れたとき、もはや11月の下旬であるが、ジャンパーは着て来たものの防寒用ではなく、さほどの寒さはなかった。椎茸狩りに行く途中、ミネの跡地に行く。ミネとは炭鉱のことであり、この地域も昔は石炭を掘り出していたということである。その博物館があり、炭鉱で使用されたものが展示されていると言われる。入館料が8ユーロであり、それほど払って見学する必要がないので、外観を見るにとどめておいた。
さて椎茸狩りであるが、もうすでに人々により収穫された後であり、どこにも椎茸はなかった。時期的にも遅いようであった。イグナシさんの家に戻ったのは午後2時を過ぎており、料理された鶏肉の煮込みをおいしくいただく。イグナシさんのお姉さんノラさんも加えて食事にしたのであった。帰りは渋滞もなく、1時間と少しでバルセロナに戻ったと思う。昼食でワインをいただいたので、車に乗ってからはずっと寝ていたのである。今日は夜の7時30分からサグラダ・ファミリアでモンセラット少年聖歌隊の合唱がある。楽しみに帰宅したのであった。



セルクスにあるイグナシさんの実家。



イグナシさんのお母さんコンチータさんとスミさんが手芸について懇談。



セルクスの高原地帯をゆく。



イグナシさんのお姉さんノラさんと共に。