鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<346>

隠退牧師の徒然記(2015年2月11日〜)<346>
2015年7月1日「心の故郷を喜びつつ…」


聖書の言葉
キリストにより、体全体は、あらゆる節々が補い合うことによってしっかり組み合わされ、結びあわされて、おのおのの部分は分に応じて働いて体を成長させ、自ら愛によって造り上げられて行くのです。
(エフェソの信徒への手紙4章16節)


交差点を曲がると懐かしい風景となる、と今までの思いを変えなければならなくなった、とは前回も記している。自宅から車で大塚平安教会に行く場合、最後は大塚本町の信号を左に曲がる。昔ながらの大塚平安教会の佇まいが目に入ってくる。なんか、ホッとするような思いであった。しかし、この度の大塚平安教会新会堂建設により、大塚本町の景色が変わったのである。大塚平安教会が新しくなったこともあるが、もはや周辺の佇まいが変化しており、その周辺に対して、大塚平安教会の新会堂はぴったりと当てはまった感もある。時代は変わりつつ歩んでいるのである。
このような変化の中にも、交差点を曲がると、まだ懐かしさが変わらない佇まいがある。大塚平安教会に隣接しているドレーパー記念幼稚園である。大きな欅の木があり、二階建ての園舎、道路側壁面に聖画が掲げられている。キリスト教主義の幼稚園として、その壁画だけで幼稚園の内容を現しているようである。昨年、4月にドレーパー記念幼稚園の存立を導くお働きをされたミス・ドレーパー先生のモニュメントを幼稚園の入口に立てた。現在の佐竹和平園長が良いものを設置されたと思っている。そのドレーパー先生は幼稚園の前身である季節託児所を開き、「みんな、いらっしゃい」と声をかけ、多くの子供たちと共に過ごしたのである。その精神は主イエス・キリストの精神なのである。だから幼稚園の壁画として掲げられている聖画はイエス様が子供たちと共に過ごしているものである。この壁画は二代目になる。私が大塚平安教会の牧師、ドレーパー記念幼稚園の園長に就任したのは1979年9月である。そして、早くも1980年には園舎を改築している。それは教室部分の二階建てと共に、平屋のホールが隣接していた。改築と言うのは、そのホールの一部を仕切り、三歳児教室を作ったのである。それと共にホールと二階を結ぶ階段を設置し、階段には滑り台を設置している。そして、この時に道路側の壁面に聖画を掲げたのである。そして、1993年に幼稚園の増改築を行う。ホールと三歳児の教室として使っていた平屋建てを解体し、二階建てとする。二階をホールとし、一階は玄関ホール、職員室そして大人用トイレを設置したのである。それまで幼稚園としての玄関もなく、大人用のトイレもなく、狭い職員室であった。これでようやく普通の建物になったわけである。そして増改築にあたり、今まで掲げていた壁画、イエス様の絵が無くなってしまうので、惜しむ声が聴かれるのである。それはもう、ちゃんと二代目の聖画を考えていたのである。こうして1993年以来の佇まいは現在も残されているのである。
幼稚園も、私が在任中に建て替え等につき調査検討をしている。現在の園長も建て替えを検討しているが、やはり込み入った道路事情等により、課題を検討しているところなのである。しかし、建て替えが行われたとしても、ドレーパー記念幼稚園の精神である、イエス様の御心は掲げられ、続けられであろう。聖画の作者を紹介できないのは残念であるが、イエス様と共に過ごしている子供たちの聖画は数多くある。欅の木のあるドレーパー記念幼稚園、そしてイエス様の壁画が掲げられている幼稚園のたたずまいは、人々の心のふるさとになっているのである。人々の希望となる教会であり、心の故郷としての幼稚園でありたい。
ついでに記しておきたいことがある。1979年に就任してまもなく、教会の道路側フェンスに聖句を掲げていたものである。ベニヤ版の板に聖句を書き、掲げておく。当初は毎月変えていたが、だんだんと掲げなくなっていくのである。あのころは、本当に何でも取り組んだものである。幼稚園の玄関に「天国の特別な子どもたち」と言う詩を掲げている。この詩も園長に就任してまもなく作成したものである。当時の主任、渡辺いずみ先生がキリスト教保育という保育誌に紹介されていた詩を感銘深く受け止められる。そして、これを何とか皆さんに読んでいただきましょうと発案されたのである。それで思いついたのは、既にベニヤ版に聖句を書いては掲げていたので、やはりこの詩をベニヤ版の板に書くことであった。そして、出来上がったベニヤ版の詩は、増改築前の平屋建てホールに掲げていたのである。この場所では、あまり人々の目には触れないのである。しかし、増改築となり、玄関ホールに掲げられるようになり、多くの人々を励ますようになったのである。どうか、いつまでも人々の希望となっていただきたいと思っている。「私が…、私が…」と言っているようであるが、歴史の流れと共に消えていくものを確認しておきたかったのである。まだある…? もう良いのでは…。



ドレーパー記念幼稚園の道路側に掲げられている壁画。
エス様が子どもたちを招いている聖画である。
この壁画は二代目である。



一代目の壁画。当時、強烈な印象となる。



一代目の壁画を拡大したもの。



毎月、聖句を書いては掲げていた。



製作した「天国の特別な子どもたち」。
1980年に製作。当初は旧園舎ホールに掲げていた。



現在も幼稚園玄関ホールに掲げられている。
2013年11月4日撮影。