鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<30>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<30>
2014年11月25日「賛美ミサ」



 今日は朝早くからベルガ及びセルクスに行き、帰宅したのは午後5時30分頃であった。夜7時30分からサグラダ・ファミリアでモンセラット少年聖歌隊の合唱があると言うので出かけることにしている。7時30分からであるが、6時30分開場である。5000人は入場することになっているので、開場時間には行っていなければならない。だから6時30分近くになってサグラダ・ファミリアに行くと、もうかなり並んでいるのである。毎日、犬の散歩でこの付近を歩くが、いつもサグラダ・ファミリアの見学のため大勢の人が並んでいる。その人々と同じくらいの人が並んでいるのであった。我々も並ぶと、列はどんどん動いて入場することができた。日中の見学では、一度に多くの人がはいると混雑するので入場制限があるのである。だから見学する人は長い時間並んで待たなければならない。そういう状況の中で10月23日には並ぶことなくサグラダ・ファミリアの見学をすることができた。それはここで彫刻、建築に携わっている外尾悦郎さんに入れていただいたからである。サグラダ・ファミリアでミサの奏楽をしている羊子が外尾さんと知り合いになり、家族が日本から来ていることで紹介をするためにサグラダ・ファミリアに行ったのであるが、折角ですからゆっくり見学してくださいと入れてくださったのである。今回は並んで待つのかなと思ったが、開場と共にどんどん列が動き入場することができた。大礼拝堂で開催されるのであるが5000人の椅子が用意されており、もうかなり後ろの方まで座っている。各教会に入場券を配布したのが5000枚であり、入場無料なのである。入場券は整理券であり、券がなければ入れないのである。羊子はサグラダ・ファミリアのミサの奏楽をしているので、神父さんから6枚の入場券をいただき、4枚は我々の分であり、あと2枚は親しくさせていただいている同じマンションのロリーさんとカルメンさんにあげたのであった。
 モンセラットの少年聖歌隊の合唱としか思っていなかったが、賛美ミサとして開かれたのである。我々も日本の教会で賛美礼拝なるものを行っている。礼拝ではあるが会衆賛美を多くし、聖歌隊の合唱や個人の独唱等を取り入れ、全体的には礼拝として行うのである。こちらでも賛美ミサとして開かれたようである。モンセラット少年聖歌隊だけの合唱ではなく、教会の混成合唱団が聖歌を歌ったし、ミサの前後、始まりと終わりには高らかに吹奏楽の賛美があった。説教があり、主の祈りがささげられた。特別なメッセージがあり、これはローマ法王のメッセージであり、その時には二人の神父さんがローソクの光で先導し、メッセージを高々と掲げた神父さんが入場する。そして書かれた重厚な物を開いてメッセージを読んでいた。モンセラット少年聖歌隊の合唱は後半の部分であり、この聖歌隊の合唱をもって賛美ミサが終了したのであった。
 モンセラットとは鋸山と言う意味であるが、ここにカテドラルがあるがカタルーニャ州の中心であると言われる。カトリック教会は普通の教会はパロキアと言われている。少し大きくなるとイグレシアと言われる。そして、その上がカテドラルと言うのである。サグラダ・ファミリアはかなり大きな教会であるがイグレシアなのである。だいたい各街にはカテドラルがあるが、モンセラットのカテドラルはそれらのカテドラルの中心となっているということである。そのモンセラットには黒いマリアさんに抱かれた幼児イエスが祀られており、巡礼者が絶えないと言われる。一般の観光客も不思議なモンセラットの景観と共に黒いマリアさんを見学する。そして、もう一つはモンセラット少年聖歌隊の合唱である。通常は土曜日以外には一日に二回はミサの中で合唱が行われる。その少年聖歌隊の合唱を聞くために出かける人もいる。
 私はモンセラットには二回訪れている。2011年にバルセロナを訪れたとき、バルセロナ日本語で聖書を読む会の下山由紀子さんが私と星子をモンセラット見学に連れて行ってくれたのである。スミさんはそれ以前にバルセロナに訪れたときに見学している。その時、少年聖歌隊の合唱が行われたのであるが、合唱の時間と我々の見学の時間に差があり、合唱を聞くのは断念したのであった。その時の残念な気持ちは、今回で挽回されることになったのである。そして2012年にバルセロナを訪れたとき、モンセラットで式典があり、知人のマルガさんが歌うので、羊子の伴奏が必要である。その時我々夫婦も一緒に行ったのである。既に見学してあるので、特に見学しなかったが、その代りホテルで高級料理をいただいたものである。
 サグラダ・ファミリアの内部は、どこの建物も同じであるが、かなり太い柱が幾本もあり、椅子に座っても、柱の陰で聖壇が見えない。柱がなくても、後ろの方では聖壇は遥かな距離なのである。そこで大聖堂にはモニター画面がいくつも設置されており、どこにいても画面で聖壇を見ることができるのである。天使の歌声と言われるモンセラット少年聖歌隊の合唱を聴くことができ、今日はお恵みの日であった。



5000人の人々が並び、順次入場する。



夜のサグラダ・ファミリアの内部、大聖堂。



大聖堂の聖壇付近。



モンセラット少年聖歌隊の合唱を聴く。