鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<57>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<57>
2015年1月2日「マドリッドに向けて」



 新しい年になり、1月7日には帰国の途につく。しかし、まだまだ予定が組まれている。マドリッド日本語で聖書を読む会の礼拝に臨むこと、そして帰国の前にイグナシさんのお母さん、コンチーターさんに挨拶するためセルクスに行くことである。その日程が1月2日から4日まで組まれる。さらに6日にはバルセロナ日本語で聖書を読む会で説教を担当することになっている。帰国を前に、ゆっくりとサグラダ・ファミリアを見つめながら過ごすつもりでいたが、そうも言ってはいられなくなる。帰る間際にいろいろとしなければならないことがあり、それなら早めに帰国の準備をしているのである。
 1月2日は12時に出発する。マドリッドまでバルセロナから600キロメートルあるという。マドリッドからセルクスにも行くことになるので車で行くことにしたのである。セルクスに行くにはバルセロナに寄って、それから行くこともできるのであるが、そうすると時間を要するのでいっきに行くことにしたのである。高速道路を走りつつスペインの旅情を示されながら赴くことになる。途中、発電の風車を見るが、いたるところに設置されている風車は、日本では見られない風景であるだけに見ごたえがある。さらに道路沿いの丘の上に牛のモニュメントが置かれている。スペインは闘牛もあり、牛が象徴になっているようである。しかし、スペインと牛との関係は闘牛以外には考えられない。スペインは牛が大好きであることを示しているのかもしれない。ちなみに牛のことをスペイン語で「バカ」と言い、闘牛のことは「トロ」というそうだ。「バカ」と言われて思わず笑ってしまったのであるが。関連して言えばニンニクのことを「アホ」という。
午後2時頃になって休憩をとる。そこまで250キロメートルも走行している。ドライブインに入ったが、昼食には早すぎるし、羊子たちがコーヒーを飲む程度にし、そこでは食事もしないで再び高速道路に入る。そして3時15分頃にサラゴサの街に入ったのである。このサラゴサにはマドリッドからセルクスに向かうにあたり、ここで宿泊することになっており、サラゴサについてはその時に触れることにする。この街に着いて、丁度昼食の時間でもあり、食事処を見つけるために徘徊する。適当と思われるレストランに入る。このレストランは音楽関係の店で、店には昔ながらのジュークボックスが置かれていた。また昔ながらのレコードのジャケットも展示されており、往年の歌手たちの写真等も飾られていた。食事は昼食であるので軽めのものを注文する。出てきたものは日本的な盛り付けでもあった。一つのお皿の中にメインの料理、野菜サラダが入れられている。卵を追加すると半熟の卵が料理に乗せられているのである。肉の炒めた物やハンバーグ等を注文する。
本来なら昼食後は一休みしている。少しばかり昼寝をしている。3時頃に昼食をいただき、その後は30分から1時間くらいは昼寝をするのが常になっている。運転しているイグナシさんには、このまま運転をしてもらうので申し訳ないと思う。そう思いながらも車の中で居眠りをしているのである。大分走行しているのでそろそろガソリンを入れなければならない。それでガソリンスタンドに入るのであるが、給油所で初めて分かったことは、この店はガソリンが売り切れなのである。それならそれでスタンドの入り口にガソリン売り切れの張り紙でもしておいてくれれば良いのである。次々に車がガソリンを入れに入って来るが、売り切れの事実を知って一様に苦笑いをするのである。スタンド内の店は開いているし、ガソリンがなくても、ついでに何かを買い求める人もいる。それが狙いで張り紙をしないのかもしれない。走行しているうちにも他のガソリンスタンドがあり、そこで給油することができた。まだまだ300キロメートルはあるのである。ようやく半分くらい走行したことになる。陽がさんさんとそそがれており、車の中でも陽を避けつつ、羊子がかぶっている帽子を被ったりしながら陽射しを避けていた。
スペインの高速道路はかなり整備されており、走行が楽なようだ。日本の高速道のようにパーキングエリア等はない。ドライブインとなると、一度高速道から降りることになる。それでも結構ドライブインがあるようだ。こうして午後7時30分頃にマドリッドに到着する。600キロを運転し続けたイグナシさんには心から感謝する。街を少し徘徊して予約してあるホテルに着いたのは午後8時頃であった。ホテルで一休みしてから吉川祥永さんとフェルナンドさんのお宅に行くことになっている。夕食のお招きをいただいているのである。



たくさんの発電用風車を見ながらマドリッドへ向かう。



本当の牛だと思うがモニュメントである。



お昼の食事は軽めに。日本的な盛り付けである。



車に乗っているだけなので、お腹はすいていないのであるが。