鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<42>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<42>
2014年12月18-21日「フィレンツェの旅(1)」



 今回のバルセロナ滞在は羊子の結婚式のためであることは既に記している。しかし、折角ヨーロッパに来ているので、今までの滞在の時に羊子が計画を立ててくれて、2011年の滞在の時にはフランスのパリに行き、ルーブルオランジュリー、オルセーの三大美術館を見学する。2012年はローマ、ヴァチカンを訪れた。それで今回のバルセロナ滞在は羊子の結婚式のためでもあるが、もしかしたら羊子はスイスでピアノのコンサートを開催するかもしれないので、スイス行も考えの中にはあった。スイスはカルヴァン等の宗教改革の場であり、プロテスタント教会の発祥の場でもあるので、訪問を楽しみにしていた。しかし、招いてくれる方の関係者の不幸があり延期されることになったのである。だからスイス行はなくなり、本来の羊子の結婚式の目的は果たせたのでそれでよいと思っていた。ところが羊子はフレンツェ行を計画してくれたのである。フィレンツェベネツィアに一度は訪れたいと思っていたのである。2011年に羊子の家にあった塩野七生さんの著書「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」、「ルネッサンスの女たち」を読んでから塩野さんの著書を読むようになり、地中海世界の歴史や物語によりフィレンツェベネツィアに思いを馳せる様になったのである。羊子がいろいろと調べるうちにベネツィアは干潟の国であり、タクシーは船ということになり、連れ合いのスミさんの移動には負担であることを知る。それで今回はフィレンツェ見学ということになった。
 フィレンツェの旅は12月18日から21日の3泊4日とした。と言っても、18日は午後5時30分のフライトであり、その日はバルセロナからフィレンツェへの移動で費やすだけであるので、実質の見学は三日間となる。フライト時間は1時間30分くらいであり、あっと言う間にイタリアのフィレンツェに着いてしまうのである。フランスにしてもドイツ、イギリスでも2時間もあれば行かれるということである。簡単に外国を訪問することができるのである。さて午後7時30分頃にはフィレンツェ空港に着いた。空港から市内にあるホテルにはタクシーで行くことにした。ところがタクシー乗り場には大勢の人が待っており、しかもタクシーがなかなか来ない。近くに市内行きのバスが停車していたので、そのバスを利用することにする。どこの国も飛行場から市内までは車の渋滞があるものだ。フランスに行ったときにも渋滞には参ったが、フィレンツェもまた渋滞は変わらない。それでもある程度の渋滞で市内に着く。市内のバスターミナルと空港を結ぶバスで、ノンストップである。宿泊するホテルは二つ星であるが、観光地の中心にあり、どこに行くにも近い場所である。「ホテル・メディチ」であるから、歴史的にも意味深いホテルであった。フィレンツェの中心でもあるドゥオーモ教会(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)のすぐ近くにある。バスを降りてホテルに向かう途中に教会の前にたたずんだのであった。その頃は午後9時前であったが、強大なクリスマスツリーが飾られており、記念撮影をする人が絶えない。そしてすぐ近くにクリスマス物語が置かれている。小屋の中に等身大のマリアさんとヨセフさんが飼い葉桶を見つめている。しかし、そこには幼子イエス様はいない。まだ12月25日になっていないからである。そこには馬ではなく牛が侍っているのであった。そこにも大勢の人が記念写真の順番を待っていた。
 ホテルに着いて間もなく9時の教会の鐘が鳴る。ここの鐘はガランガランとそれはそれは大きな音である。サグラダ・ファミリアの様に鐘のメロディーではなく、うるさいと思える鐘の音なのである。それから食事に出かける。バルセロナでは午後10時頃が夕食時であるが、こちらではもっと早い時間である。午後10時頃になると閉店の店が多く、開いている店が少ないのである。食事処を探している途中、カトリック教会の玄関にオルガンコンサートの案内があり、丁度その時間であったので教会に入ってみる。それほど大きくもない礼拝堂であるが、二階席にパイプオルガンのパイプが設置されており、迫力ある音量で演奏されている。どこでオルガンを演奏しているのかわからない。このことについては後日報告することにする。その後、間もなく閉店の店で食事をとることにした。ゆっくりと夕食をとる時間もなさそうなので、ワインをいただきながらパスタとピザ、野菜等で食事したのであった。旅の疲れもあり、ホテルには11時頃には帰り、就寝することにした。二つ星ホテルでもあり、エアコンなるものはなく、暖房はスチームであった。それも夜の8時頃にならないと熱くはならないのである。明日からの見学を楽しみにしながら就寝したのであった。



フィレンツェの街の通りにもクリスマスの電飾。



街の中心にあるクリスマスツリー。
右にあるのが馬小屋。



等身大の馬小屋の前で。馬槽の中にはまだイエス様はいない。



フィレンツェでの最初の食事。