鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<211>

隠退牧師の徒然記(2013年7月20日〜)<211>
2013年11月30日「良い知らせを伝えつつ」


聖書の言葉
いかに美しいことか。山々を行き巡り、良い知らせを伝える者の足は。彼は平和を告げ、恵みの良い知らせを伝え、救いを告げ、あなたの神は王となられた、とシオンに向かって呼ばわる。その声に、あなたの見張りは声をあげ、皆共に、喜び歌う。彼らは目の当たりに見る、主がシオンに帰られるのを。
イザヤ書52章7-8節)



一昨日の木曜日28日に、大塚平安教会の教会員である佐竹順子さん宅での家庭集会が開かれた。お宅はさがみ野ホームの敷地内にあり、この度、さがみ野ホームの建て替えが行われることになり、佐竹さんの家も取り壊されることになったのである。従って、佐竹順子さん宅での最後の家庭集会になる。佐竹さんから最終の家庭集会のお知らせをいただいたので、連れ合いのスミさんは出席することにしたのである。最後と言うことで多くの皆さんが出席されたということである。長い間、家庭集会のためにご家庭を開放して下さったことには、深く感謝している。1979年9月に大塚平安教会に就任した頃は、毎週のように各地で家庭集会が開かれていた。教会周辺地区、座間立野台地区、海老名国分寺台地区、相鉄沿線地区、綾瀬深谷地区等、毎週木曜日には家庭集会が開かれていたのである。しかし私が退任する頃は、座間立野台地区と綾瀬深谷地区すなわち佐竹順子さん宅の二箇所になる。諸事情が重なるようになったからである。
私が赴任した当時は、佐竹さんの家庭集会は綾瀬ホームの敷地内にあるご家庭での集会であった。1979年8月にはさがみ野ホームが開設され、佐竹正道さんが園長に就任する。それから間もなく同ホームの敷地内に園長の家が建設され、転居されたのである。従って、私が退任するまでの30年間、現在の佐竹さんのお宅で家庭集会が開かれていたのである。佐竹順子さん宅での家庭集会は私の前任、乙幡和雄牧師の時代から始められていたのであるから、半世紀もの間、家庭集会を開いてこられたのである。やはり集会のために御苦労を重ねながらつづけてこられたと示される。お連れ合いの佐竹正道さんが順子さんの家庭集会に奔走する姿を歌に詠まれている。
「『順子宅』の家庭集会十余年第四木曜日春夏秋冬」
「朝まだきチラシ束ねて足早に十五軒巡れりと水飲みつ妻」
佐竹正道さんが順子さんの、家庭集会を祈りつつ続けておられることを、しっかりと受け止めておられることを示されるのである。
第四木曜日と言うのは、私にとっても特別な日になっている。その日は午前8時30分から綾瀬ホームの職員礼拝に出掛ける。8時過ぎには家を出る。職員礼拝が終わると、9時からは利用者の礼拝になる。9時30分前には終わる。そして10時30分からは佐竹順子さんの家庭集会が開かれる。綾瀬ホームが終わったら佐竹順子さんの家に直行すれば良いのであるが、教会に戻らなければならない。連れ合いのスミさん、そして教会周辺の数人の皆さんを車に乗っていただき佐竹さんの家に向かうからである。家庭集会での聖書のお話は30分くらいであった。その後、聖書に関する質問をいただくこともあるが、四方山話となる。そして、その後はお昼の食事を用意して下さっており、皆さんの持ちよりも加えて御馳走をいただくのである。お知り合いの魚屋さんから大皿二つもお刺身を取りよせられ、お腹いっぱいになってしまう。なるべくたくさんは食べないようにするのであるが、勧められるままに食べてしまうのである。
「なるべく食べないように」との姿勢は、この後は八王子医療刑務所に向かうからである。八王子まで車で1時間20分くらい要する。朝からいくつかの集会に臨み、お昼の食事は美味しいものをたくさんいただき、車を運転していると、ついうとうとしてくる。眠気を払いながらの運転であり、時には路上端に車を寄せ、一休みすることもある。刑務所は午後2時からであり、従って佐竹さんのお宅での食事も最後まで居ないで失礼することになる。刑務所は教誨師の務めを担っており、受刑者の希望者にキリスト教のお話をするのである。1時間、ほとんどしゃべり続けている。3時には終わるのであるが、女性の教誨希望がある場合、更に30分間のお話をする。男性と女性は一緒に教誨を受けられないのである。教誨が終わると日誌を書いて来なければならないので、それが済むと4時頃である。帰りの車の中で、ようやく終わったとの思いが募る。相模原を通過する時、道に面してスポーツジムがあり、サウナもあるので寄ることにしていた。サウナに入りながら、今日一日を振り返り、忙しく過ごしたが、しかしお恵みの多い一日であったことを感謝するのであった。
第四木曜日を特別な日として思い出すのであるが、佐竹順子宅さんの家庭集会がひとまず終わりになることで、残念な思いもあるが、新しい取組みが導かれて来るであろう。



2010年3月25日開催の佐竹順子さん宅での家庭集会。
鈴木伸治牧師が大塚平安教会を退任するので、最後の集会である。