鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<212>

隠退牧師の徒然記(2013年7月20日〜)<212>
2013年12月2日「久しぶりの山道」


聖書の言葉
さあ、目を上げて、あなたがいる場所から東西南北を見渡しなさい。見えるかぎりの土地をすべて、わたしは永久にあなたとあなたの子孫に与える。さあ、この土地を縦横に歩き回るがよい。わたしはそれをあなたに与えるから。
(創世記13章14-17節)



11月30日は良いお天気で、とても穏やかな日になる。その前日も、更にその前の日もお天気ではあったが北風が吹き、陽が出ていても寒い思いをする。蒲団を干したものの、冷たい風が吹くので早めに取り込んでしまう。そんな日が二、三日続いたが、30日の土曜日は風もなく、暖かい陽射しであった。土曜日は説教のまとめと週報の作成をするが、それも午前10時30分頃には終えてしまった。窓から見える真っ青な空、さんさんと降りそそぐ暖かい陽射しに励まされて出かけることにした。秋になったら歩こうと思っていた鎌倉への散策である。もう何回も歩いているが、久しぶりに山道を歩きたくなったのである。
 以前にも鎌倉散策については記している。2011年11月14日のブログ「山道を楽しむ」として記している。鎌倉へは自宅から朝比奈峠を越えて歩くのである。何回か歩くうちに「朝夷奈切通」があることを知り、一度そこを歩いて鎌倉に抜けたことがある。思わぬ山道で、ハイキングを思いながら歩いたものである。その後、再び「朝夷奈切通」から鎌倉を目指したが、どこから入るのか失念してしまい、止む無く朝比奈峠を歩いて鎌倉を目指したのである。峠の道は車が多く、歩道も整備されてない部分もあり、注意しながら歩かなければならない。今回は何としても「朝夷奈切通」を歩くつもりである。今は「朝比奈」と言っているが、昔は「朝夷奈」と称したようである。朝比奈にコンビニがあるので、念のため「朝夷奈切通」はどこにあるかを確かめたのであった。標識が上の方にあったので、前回は見落としてしまったようである。
 朝比奈切通しは1241年、鎌倉幕府執権、北条泰時が命じて作らせたと言われる。鎌倉の十二所から横浜市金沢区朝比奈町を結ぶ道である。1969年6月5日に「朝比奈切通」として国の史跡して指定されている。1965年に朝比奈峠と言われる県道204号線と言われる金沢鎌倉線が開通しており、その道を歩いて自宅から鎌倉に行ったのである。高校生の頃、鎌倉へ歩いて行っているが、県道が開通して間もなくのことであったようである。切通しがない時代は、金沢と鎌倉間は行き来できなかったので、おそらく逗子周りか大船周りで行き来していたのであろう。その意味では切通しは随分と役に立ったのであろう。
 切通しの途中に熊野神社があるが、今回も寄らなかった。いずれ見学したいと思っている。前回は見過ごしてしまったが、峠の岩壁に仏像が彫られていることに気がつく。何の説明もないので、昔のどなたかが彫ったものであろう。その辺りで休息していると、数人の人が通って行った。その岩壁に彫られた仏像を写真に収めていた。今日は土曜日であり、ハイキングとして切通しを歩いているのであろう。切通しは鎌倉側の十二所に出る。そこからは県道204号線を歩いて八幡宮へと向かうのである。家を出たのは午前11時15分であったが、十二所を出たときは午後1時30分頃になっていた。来るときコンビニでおにぎりでも買うことも考えたが、鎌倉に入ったら食事処に入ろうと思っていたのである。意外に時間がかかり、少しく空腹を覚える。そこで十二所を出て間もなくのところに喫茶店があり、そこで食べることにする。サンドイッチくらいと思っていたが、カレーライスがあったので注文する。グリーンカレーとか称し、鎌倉の野菜がたくさん使われている。まあまあ美味しかったと思う。
 午後3時頃には八幡宮付近に到着する。まず驚いたことは人の群れである。境内は人があふれていたし、八幡宮から鎌倉駅に向かう若宮大路も人があふれており、歩くのも一苦労である。八幡宮の境内地に並んで県立近代美術館がある。加納光於と言う画家の「色身――未だ視ぬ波頭2013」と題しての展覧会が開かれていた。中に入って休憩もしたいので入館する。入館料は700円であるが、65歳以上は半額であるという。口頭で年齢を言っても信用しないのか、運転免許証を提示しなければならなかった。顔を見ればわかるはずなのに。なんだかさっぱりわからない絵画であり、むしろ休憩所の椅子に腰かける時間の方が多かったと思う。
 久しぶりに多くの人の中にいると、パリのルーブル美術館を見学した時、バルセロナのランブラス通りを歩いた時の人の群れを思い出す。今は全く行かない渋谷、新宿あたりも人の群れで混み合うのであろう。まあ、時には人の群れの中にいるのも刺激になるのであろう。午後5時頃には帰宅する。2万歩は歩いている。



朝比奈切通しの標識。かなり上に設置されているので見落としてしまう。



峠の岩壁に彫られている仏像。



人の群れで混雑する八幡宮境内。



境内に隣接して池があり、池の向こうの紅葉。
県立近代美術館側から撮影。