鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

常夏の国にて<64>

マレーシア・クアラルンプール滞在記(2013年3月13日〜6月4日)<64>
2013年5月15日「カミに示され」



 髪の毛が大分伸びたようだ。いつもは二ヶ月くらいで床屋さんに行くが、その二ヶ月を既に通り過ぎており、髪の毛の長さが気になりつつあった。床屋さんは、やはりいつも通っている床屋さんに行きたいと思っている。三ヶ月くらい髪の毛を切らなくても大丈夫だろうと思っていた。だから二ヶ月を経ても床屋さんに行こうとは思っていなかった。こちらも日本の床屋さんのように、店先の三色ねじり棒が目印である。商店街には一軒の床屋さんがあるが、他は美容院のようである。そのような状況の中で、ついに髪の毛を切ることにした。それも床屋さんではなく、美容院で切ってもらったのである。一昨日、スミさんと買い物に行き、帰りの道すがらスミさんが美容院に寄る。この美容院でスミさんは髪の毛をカットしてもらっている。4月の半ば頃である。今回は白髪が目立つようになったので、染めてもらいたいのである。同じような色があるかとか、値段はどのくらいなのか、いろいろ聞いているようだ。それで帰ろうとしたが、つい私の髪の毛も、この店で切ることができるかと聞いてみる。美容院だから女性が専門であると思うからである。そうしたら、できるというのである。それで、昨日の4時に予約を取ったのであった。
 美容院であるから髪の毛をカットするだけである。髭剃りはしない。髪の毛が伸びたと言っても、この年で、そんなにもじゃもじゃになっているのではない。だから、裾のほうだけカットすれば良いのである。それなりに説明したのであるが、スミさんは紙とペンを求め、それに頭の絵を描き、髪の毛を描き、それにより切るところを説明しているのである。私達の片言英語で結構通じるのであるが、紙に状況なり、求めることを書くことにより、いっそう良く伝わるのである。「カミ(紙)に示され」とは、そのことを意味しているのである。また「カミ(髪)に示され」とは時の経過を意味しているということだ。床屋さんはマレーシアに来る直前に行っている。二ヶ月を目安にしているので、床屋さんに行く時期だと思う頃は二ヶ月を経ていることになるのである。その通りで、後20日もすれば帰国となる。その頃、あまり見苦しくならないために、髪の毛もさばさばしていたほうが良いであろう。
 美容院で髪の毛を切るのは初めてである。担当してくれたのは男性で、いろいろと聞きながらカットしてくれた。最初に頭を洗う。それも洗い所があり、仰向けになって洗ってもらうのである。髪の毛はハサミでカットするが、最後になってバリカンで仕上げていた。床屋さんであれば剃刀で仕上げるのであるが、美容院は剃刀は使わないのである。隣ではスミさんが髪の毛を染めているが、薬品を付けてからしばらくそのままにしておく。だから、その時、私のカット風景を写真に収める。私もスミさんの白髪染めを写真に収めておいた。まあ、良い思い出になると思う。



スミさんが髪の毛を染めてもらっている。



外国で初めて髪の毛をカットしてもらう。



スミさんが終わってから店員さんの肩をもんであげている。
こんなお客さんは、いないだろうなあ。


 スペイン・バルセロナには二度ほど行っている。2011年4月、5月に行った時は1ヶ月半であり、髪の毛は気にならなかった。2012年9月、10月に行った時は約2ヶ月であった。それでも丁度気になる頃に帰って来たので、現地では床屋さんに行かなかった。参考までに行っても良いと思ってはいた。バルセロナの床屋さんの中には5ユーロと店の前に張り紙がしてある。その頃、1ユーロは100円くらいであり、500円ということになる。日本でも1000円床屋や分業床屋という安い床屋さんがある。連れ合いのスミさんにしても娘の羊子にしても、安いからやってもらったらと勧めるのであるが、ついに行かなかった。外国に長期滞在すること三度目であるが、床屋に行かなければならないほど、今回は長期の滞在であった。
 それにしても髪の毛の伸び具合を心配するほど、まだ髪の毛があるのだから、有難いと思わなければならない。父は97歳で亡くなるが、年をとっても白髪になるのでもなく、かといって禿げるのでもなく、もちろんかなり薄いのであるが、毛が生えていた。私も父に似て白髪でも禿げでも無い、中途半端な頭になるのだろう。それも感謝、感謝である。