鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

常夏の国にて<22>

マレーシア・クアラルンプール滞在記(2013年3月13日〜)<22>
2013年4月3日「プールを楽しむ」



 羊子が滞在しているとき、羊子とスミさんはプールを楽しんでいた。牧師館があるコンドミニアムにはプールが設置されている。9階の牧師館から見下ろしているが、そんなに賑わうほどプール遊びをしている訳ではない。ときどき誰かが泳いでいる程度である。夕方には子ども達が賑やかにプール遊びをしていることがある。そのようなプールに羊子とスミさんが出かけていた。私にも誘うのであるが、いつも私は断っていた。ところが羊子がいなくなってしまった今、スミさんはプールに行きたいのであるが、私が行きたがらないのでつまらなそうである。スミさんがプールで浮き輪を使って歩きまわるのは、腰のためには良い効果となる。リハビリにもなるのである。だから、ここはスミさんのためにもプールに行くことにした。牧師館で水着に着替え、エレベーターで1階に降りれば、すぐにプールなのである。プールに出かけたのは、高校野球の決勝戦NHKのBSテレビで観戦したあとである。17対1で浦和学院が勝って優勝したことは、あんまりうれしいことではない、なんて思いながらプールへと出かけたのは午後2時頃だと思う。日本に対して一時間遅れだから、高校野球が終わったのは午後3時頃だと思う。牧師館を出て廊下を歩いているときも、エレベーターに乗っているときも人にはあわなかった。23階建てで、エレベーターが三基ある。そして、プールも誰も泳いでいなかった。誰も泳いではいないが、プールの三面に建ちあがっている23階建てのコンドミニアムのすべての窓からプールが見えるのである。だから、今時になって老夫婦が泳いでいるなんて思いつつ眺めている人がいたであろう。
 およそ、日本にいるかぎりプールで泳ぐことはない。といっても相模原のサウナに入るとプールがあり、少しは泳いでいた。八王子医療刑務所や橋本にある神奈川医療少年院が終わると、必ず相模原にあるJNファミリーとか言うトレーニングセンター及びサウナに寄っていた。運動はしないが、裸になったついでにプールで泳いだものである。2、3回泳いではサウナに入り、体を休めてくるのであった。その他にはプールには行かなかったが、昨年9月から二ヶ月間、スペイン・バルセロナにいる羊子のもとに行った時、羊子は近くのメトロポリタンと言うスポーツジム・スパに連れて行ってくれた。そこにはプールがあり、久しぶりに泳いだものである。今回はそれ以来の水泳であり、まあ半年ぶりと言うことになる。15mくらいのプールを往復しての泳ぎ程度であったが、雨が少し降りだしたのを潮どきに引き上げたのである。それでもスミさんは結構歩いていたようで、羊子といるときほど長くはいなかったが、今日もプールに行くことができて喜んでいた。今後、何かと付き合わなければならないのか。




コンドミニアムにあるプール。



プールを楽しむ。三ヶ月間でプールに入ったのはこの日だけである。



プールを楽しむスミさん。以後、スミさんはプールに通い続ける。



 この地域は、だいたい午後になると雲が多くなり、雷が鳴りだす。そしてスコールが降りだすのである。羊子は雷が鳴っているのに泳いでいたので警備員に注意される。危険であるからだ。私達がプールから上がって牧師館に戻ってから間もなく、雷が鳴りだした。早めにプールから上がったことは賢明であったようである。このようにプールで楽しく過ごしているとき、マレーシア・クアラルンプールにいる意味が問われる。ボランティア牧師として来ているのではないのだろうか。街を散策したり、博物館を見学したり、マラッカに出掛けたりしていると、まさに観光に来ているようだ。なんとなく申し訳ないと思う。実際、日本基督教団の世界宣教委員会からボランティア牧師のお勧めをいただいたとき、隠退牧師として保養しながら赴いたらよろしいですよ、と言われたのである。三ヶ月もマレーシアで保養できるお恵みを感謝したい。とはいえ、毎週の礼拝、毎週火曜日の婦人会、隔週開かれる「聖書の会」、月に一度であるが役員会等、結構開かれる集会に追われる思いもある。ボランティアであるとしても牧師としての使命は深めている。ようやく分かって来たことは、皆さんの移動が多いということである。日本はもちろんであるが、諸外国に出入りしており、今は外国に行っていますと言う方が多い。このような牧会もあるものだと示されている。