鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記<25>

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記(2012年9月10日〜11月6日) <25>
2012年10月4日「サンタコロマ市にて」




 今日は午後7時30分過ぎにサンタコロマ市に赴く。バルセロナから車で20分くらいである。昨日のブログで、フランス人ピアニストのアランさんが羊子の家に来て、打ち合わせをしたことについては記している。今日はそのアランさんがサンタコロマ市のカルチャーセンターが開催するコンサートでピアノを演奏する。毎年、羊子もそこでピアノ演奏をしている。11月11日にはサンタコロマ市の別の場所で羊子のピアノ演奏が予定されているが、私たち夫婦は帰国した後になる。午後8時前には会場に着く。マルケス(伯爵)と呼ばれているホアキンさんも一緒に行くことになった。
 会場に着くと、もうかなりの人が入っており、高らかに話し合っていた。このカルチャーセンターの役員をしている男性のアルベルトさん、女性のインマさん、カルミナさんは、昨年私たちがこちらに来たとき、私の誕生会にホセ・ルイス神父さんと共にお祝いに来てくれて、共に食事をしたので、私たちを見かけるとすぐに寄って来られて挨拶をしてくれた。連れ合いのスミさんは、このサンタコロマに昨年も来ている。昨年、星子も交えてバルセロナに来たとき、カルチャーセンターの役員の皆さんが食事にお招きくださったのである。ところが私は風邪を引いてしまい、伺えなかったのであった。だから私にとっては初めて来る場所であった。センターのホールでコンサートが開かれたが、そんなに大きくはない。それでも60名くらいは入場したようである。



サンタコロマ市にあるカトリック教会のカルチャーセンター。



フランス人アランさんのピアノ演奏。


 午後8時からの開始であるが、少し遅れて始まる。最初にホセ・ルイス神父さんが、始まりの挨拶をしていたようである。挨拶と言うより、いろいろな状況をビデオを見せながらお話していたようである。さらに今後の予定、ピアニストのアランさんの紹介等を延々と話している。ピアノの演奏が始まったのは8時35分であるから、30分も話していたことになる。ピアノの演奏はアンコールを含めて50分くらいである。私には演奏の評価はできないが、ものすごいタッチで演奏していた。迫力があるというのだろうか。演奏が終わるとお茶の時間となる。シャンパンであるカヴァとクッキーをいただきながら、それぞれ立ち話が続く。私はこの機会にと、ホセ・ルイス神父さんにプレゼントを渡した。昨年、バルセロナに来たとき、5月10日の私の誕生日を迎える。サンタコロマに家族が招かれたとき、私は行かれなかったので、誕生日に来てくれるという。お招きして誕生会を開いたのであるが、その時、ホセ・ルイス神父さんから誕生日プレゼントをいただく。ポルトガルの記念のコインであった。神父さんは趣味としてコインを集めており、珍しいコインを蒐集している。大事なものをいただいたことになる。そのお返しの意味があり、私が持参したのは日本の記念切手であった。1975年(昭和50年)に発行された「天皇皇后両陛下御訪米記念」の切手である。これは父がもっていたもので、父は何かと記念のものを集めていたのである。それから「天皇皇后両陛下御結婚満五十年記念」の記念切手である。これは2009年(平成21年)に発行のものだから、私が買い求めておいたのであろう。羊子が二つの記念切手の説明をしながら贈る。たいそう喜んでくださった。
 人々が帰った後、関係者でアランさんや私たち夫婦を囲んで食事をすることになった。センターからすぐ近くにレストランがある。食事といっても軽食である。例によって焼いたパンが出される。にんにくとトマトが添えて出るので、まずにんにくをパンにすり込むのである。次にトマトを搾りだすようにして刷り込む。そのパンにオリーブオイルを注いで食べるのである。しし唐の油揚げ、ジャガイモのオムレツ、生ハム、チョリソ、イカの揚げ物等であり、ワインをいただきながら食べるのであった。日本で言えば「おつまみ」である。
夜12時すぎまで歓談しながら食事をし、帰宅したのは翌日の1時であった。今日は懐かしい人たちとの再会、新しい出会いが与えられた日であった。また、昨年は訪れることが出来なかったサンタコロマ市に行くことが出来たので、気がすんだようでもある。



演奏会後の食事。



焼いたパンに、にんにくをすりこみ、
その後にトマトをすりこんで食べるのが普通。