鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<416>

隠退牧師の徒然記(2016年3月1日〜)<416>
2016年7月18日「演奏が喜ばれ…」



聖書の言葉
わたしは賛美の歌をうたいます。「わたしの誉れよ。目覚めよ、竪琴よ、琴よ。わたしは曙を呼び覚まそう」。主よ、諸国の民の中でわたしはあなたに感謝し、国々の中でほめ歌をうたいます。あなたの慈しみは大きく、天に満ち、あなたのまことは大きく、雲を覆います。
詩編108編2-5節)



娘の羊子がスペイン・バルセロナでピアノの演奏活動をしていることについては、このブログでもしばしば記している。今ではスペインばかりではなく、アメリカ、ウクライナ、マレーシア、カメルーン、日本等、各地で演奏活動をしているのである。コンサートを開いては皆様から喜ばれていること、感謝と共に喜び、誇りに思っている。昨年は一時帰国したので、清水ヶ丘教会、三崎教会、大塚平安教会、北見望ヶ丘教会等でコンサートを開かせていただいたが、京都まで足を伸ばし、同志社女子大でコンサートを開かせていただく。神戸には風月堂の本店があり、そこの会長さんとは以前からお交わりがあった。それで昨年は神戸で会長さんとお会いしたのであるが、その時のお約束が、今年、風月堂さんの主催でコンサートを開くということであった。10月1日に開かれることになり、いよいよその日が近づいている。9月末には帰国することになっているが、スペインにおける予定の合間に帰国するので、すぐに戻らなければならない。帰国しても、なるべくコンサートには臨まないで、家でのんびり過ごしてもらいたいとの親の思いがあるが、神戸と共に倉敷でもコンサートが開かれることになっている。各地でお招きをいただくことはありがたいことであるが、帰国しても各地に赴くので、つい愚痴を言ってしまうのである。
その羊子が去る6月10日にサグラダ・ファミリア教会の礼拝堂でリサイタルを開かせていただいている。今年はガウディ没後90年であり、グラナドス没後100年であり、記念のリサイタルをサグラダ・ファミリア教会が開催したのである。ガウディにしてもグラナドスにしてもスペインが誇る存在なのである。同教会の小礼拝堂であるが、300人の礼拝堂であり、毎週日曜日のミサはこの礼拝堂でささげているのである。羊子はそのミサの奏楽をしているのであるが、神父さんが羊子に演奏を依頼したのであった。当日は立って演奏を聴く人、階段に座って聞く人もあったので500人は入場したようである。スペインの日本総領事館総領事ご夫妻も出席され、その他著名な人々も多数出席されたようである。そして演奏はテレビ局が入り、全国に放映されたということである。
スペインにはかれこれ15年は滞在しているが、羊子がつくづくと述懐している。「スペインに来る前に、家にはサグラダ・ファミリアのポスターを貼っていました。まさか、今自分がこの様な大事なイベントを担当するとは夢にも思っていませんでした。すべて神様のお導きだと思います」と。神様のお導きと共に、羊子の研鑽、努力、不撓の精神の賜物と示されている。
羊子はこのサグラダ・ファミリア教会で2014年10月にスペイン人と結婚式を挙げる。これも夢にも思っていなかったことであるが、私自身もこの結婚式の司式を神父さんと共に担当したこと、前代未聞の経験をしたのであった。カトリック教会の神父さんとプロテスタント教会の牧師が共同司式をしたのである。結婚式の準備を神父さんと共に進めるうちにも、羊子の父親がプロテスタント教会の牧師であることを知った神父さんは、それではと共同司式を提案してくれたのである。何とも懐の広い神父さんであると思う。結婚式後、ミサに出席した私を招き、最後の祝祷を依頼されるのである。更に、祝祷後は初めて出席した人々を前に招き、それぞれに祝福のお祈りをするのであるが、私も祝福をするように言われるので、スーツ姿であるが、皆さんに祝福を与えたのであった。ガウンも着ていないプロテスタントの牧師から祝福を受けた人々は、あまり「ありがたみ」がなかったかもしれない。今度、ミサに出席するようなことがあれば、ガウンを持参したりして…。



サグラダ・ファミリア教会にてガウディ没後90年記念リサイタルで演奏する羊子。
2016年6月10日に開催される。



サグラダ・ファミリア教会のボネ主任神父さんのお喜びをいただく。



ガウディ没後90年記念リサイタルのポスターの前で。



最近のサグラダ・ファミリア教会。
2016年3月27日、羊子の家から撮影。