鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記<24>

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記(2012年9月10日〜11月6日) <24>
2012年10月3日「現代の飛脚を用いながら」




 バルセロナに来て約一ヶ月になるが。こちらでyahooのメールを羊子が立ち上げてくれた。これで日本との連絡が取れる。大塚平安教会の教会員名簿を持参したので、早速、小室きよみさんにメールを差し上げる。気になっていることはシルバさん家族のことである。大塚平安教会を退任して、横浜市金沢区にある家で暮らすようになり、シルバさん家族とは遠くに離れてしまった。しかし、それでも小室さんや古屋紘子さんが、何かとメールでお知らせくださっていたので、様子を把握することができていた。また、時には綾瀬に行くこともあり、シルバさん家族と会うこともでき、彼らも二度ほど六浦の家に来てくれている。バルセロナに来てしまって、消息を知りたくてもできなかったので歯がゆい思いであった。メールを立ち上げることができたので、早速、小室さんにお尋ねしたのであった。程なくご返事をいただき、様子を知ることができて感謝である。突然、「バルセロナから」との件名で送ったので、当初は迷惑メールと思われ、開かれなかったそうである。シルバさん家族の様子を詳しくお知らせくださった。教会の皆さんが、何かと彼らのことを気にかけ、覚えてくださっていることを心から感謝した次第である。
 今日はいくつかのメールを送ってから、連れ合いのスミさんと散歩に出かける。腰の具合も大分よくなってきており、とにかく歩くことが何よりのリハビリになるので、散歩に出るようにしている。朝の10時30分頃に出かける。サグラダ・ファミリアの周辺を歩く程度であるが、公園の側を通ると小鳥が樹木の間で高らかに鳴いている。見上げると緑色の鳥であった。昨年、4月5月に来たときも見かけた鳥で、星子が珍しがって写真を写していた。今回も写真に収めたが、少し遠いようである。この鳥はコトラと言うそうだ。今日もサグラダ・ファミリアは大勢の観光客が来ていた。入り口は西の「受難の門」側にあるのだが、入場を待つ人が東の「聖誕の門」まで並んでいる。何時間も待ってようやく入場できるのであろう。そぞろ歩きをしていると、日本語が聞こえてくる。日本人の観光客がツアーで来ているようである。夕刻には一人で散歩しているが、日本人は見かけない。やはり朝のうちに訪れるのであろう。昨年もツアーの皆さんに会ったが、そのときは朝の8時頃であった。朝一番にサグラダ・ファミリアを見学し、バルセロナの他の観光名所を訪れるのであろう。教会を一周してから、野菜・果物屋さんを目指す。はっきりと場所を覚えていないのであるが、なんとなく方向を覚えていたので、歩くうちにも見つけることができた。いろいろな野菜、果物を見て歩く。日本の「冨士りんご」も売っていた。結局、買い求めたのはマスカットとハーブである。二つあわせて1.65ユーロである。日本円にして160円だから、本当に食べ物は安いのである。食べ物は安いが、他のものは日本とそれほど変わらない。帰宅したのは11時30分頃で、1時間程の散歩であった。



日本では見ないコトラという緑色の鳥。
鳴き声はとてもうるさい。



散歩の途中、犬に話しかけるスミさん。



一年半ぶりに見るサグラダ・ファミリアは少しずつ変化している。



聖誕の門。イエス様のご降誕を知らせる天使達。



 午後2時30分頃、羊子の知人でフランス人ピアニストのアランさんが来る。明日、サンタコロマ市で演奏するので、羊子と打ち合わせに来たのである。昨年、こちらに来たとき、サンタコロマ市のカルチャーセンター館長のホセ・ルイス神父さんとグループの人たちが、私たち家族をお招きくださった。そのとき私は風邪を引いて寝込んでしまったので、連れ合いのスミさんと星子が羊子と共にお招きをいただいている。羊子は時々、そこでピアノの演奏をしている。今年は羊子が紹介したアランさんのコンサートが開かれるので、私たちも羊子と一緒に行くことになっている。アランさんが来たとき、丁度お昼時であったので、羊子が用意した食事をいただく。前菜は野菜サラダであり、その後はマカロニ料理をいただく。美味しくいただけた。アランさんはスペイン語は少しは分かるようであるが、フランス語である。羊子がスペイン語、フランス語を交えながらお話をしていた。フランスから電車で10時間かけてやって来たのだと言う。飛行機より安いからである。それにしても羊子はスペイン語はもちろんであるが、フランス語、イタリア語、英語でもやりとりをする。たいしたものだと思っている。