鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記<26>

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記(2012年9月10日〜11月6日) <26>
2012年10月5日「町を徘徊しながら」




 昨夜は午前2時頃に寝たが、今日は8時には起きてしまった。日本では遅い起床になるが、こちらでは早起きになる。昨夜は遅かったので10時頃まで寝ても良かったのである。我々はご飯に味噌汁で朝食を取っているが、羊子はパンとコーヒーだけである。羊子は食事を済ませて、打ち合わせのため出かけて行った。9時頃に夫婦二人で朝食を食べる。こちらの食べ物と言えば、パン、チーズ、ハム、牛乳等で朝食を取るが、自ずと日本の食事になるのである。お米はカブラボのスーパーで売っているが、味噌は中華食材店でしか売っていない。今のところ味噌はあるので、わかめや豆腐等を入れて作るのである。ついでに記せば、お昼は2時か3時頃に食べる。この時はパン食にしている。ちょっとした惣菜をつけて食べている。時には麺類が食べたくなり、焼きそばを連れ合いのスミさんが作ってくれる。昨年は私も二度ほど焼きそばを作ったが、今回は作っていない。それからソーメンを茹でたり、ラーメンにすることもある。羊子の友人が来て、一緒に麺類を食べることがあるが、つい音を立てて食べてしまうのである。ソーメンなどはずるずると音を立てながら食べるのが美味しいのであるが、こちらでは音を立てて食べることは行儀が悪いし、嫌われることなのである。羊子からいつも注意されているのであるが、長年の癖と言うか、日本人であるので音を立てて食べることから抜けきれない。飲み物など、例えば熱いお茶を飲んだとき、思わず「ハア」なんて声を出してしまう。美味しい信号であるのだが、これも注意信号なのである。それから食事後にお茶を飲み、口の中に含んでぶくぶくすることがある。これは日本人でも行儀が悪いし、しないほうが良いのであるが、これもついしてしまう。だから、羊子が出かけた後、夫婦で食事をするときは、きわめて日本的な食事となるのであった。音もたてずに麺類を食べることの味気なさといったら無い。
 食事後1時間くらいでスミさんと共に散歩に出る。毎日ではないが、時々夫婦で連れ立って歩く。サグラダ・ファミリアを一周する程度であるが、少しは運動になる。今日も観光客でにぎわっていた。日本人の一行とも何組か出会っている。もっとも声をかけても意味が無いので、日本語で話しているのを聞く程度である。随分と日本人が訪れていることを知る。一回りしたので八百屋さんに寄る事にし、記憶を頼りにその方角を歩くが、なかなか見つからない。バルセロナの新市街は碁盤の目のようになっているので、分かりやすいというが、かえって分かりにくいのである。確か、この辺の角であったと思いながら探すが見つからない。あちらこちらの角を探すが見つからない。結局諦めて帰宅したのであった。



樹間に見えるサグラダ・ファミリア受難の門側。



公園に設置されている公衆トイレ。有料である。



公園のベンチで休むスミさん。


 帰る途中、お巡りさんが駐車している車をチェックしている。こちらは路上駐車がほとんどで、駐車するのが大変である。道路の幅が三車線でも、一車線は駐車用であるので、二車線しか走れない。駐車できる部分に縦列駐車する。料金が必要で、ところどころにある駐車券発券所に支払いをして、そのレシートを車のフロントに置いておく。お巡りさんがいつも見回っては時間オーバーをチェックしている。安いところで1時間3ユーロとか。午後2時から4時、夜の8時から翌朝9時までは無料である。また、土曜日と日曜日は終日無料であるという。車の車線が日本より狭いと思う。並んで走っていても、接触するのではないかと心配である。
 午後3時過ぎに羊子がスカイプを立ち上げ、六浦にいる百合子と画面を見ながら話をする。百合子は時々六浦に行っては留守の管理をしてくれている。画面でお互いの顔を見ながら話すこと、便利なことである。パソコンでメールのやり取りもできるし、連絡は速やかにできるようになっている。日本とのやり取りができてありがたいのであるが、連れ合いのスミさんにとって残念なことは、テレビが見られないことである。私はインターネットで日本のニュースを見ており、スミさんにも教えてあげるが、やはり自分で情報を知りたいのである。こちらでテレビを見てもスペイン語であるので、何が報道されているのか分からない。生活の中で、情報が得られないことは、なんとなく落ちつかないのである。