鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

スペイン滞在記 <41>

 

スペイン滞在記(2011年4月4日〜5月18日) <41>
2011年5月1日「サグラダ・ファミリアのミサ」
 


早いもので、もはや5月になった。日本を出て4週間にもなる。今日は5月1日、日本で言えば「メイデー」ということになる。労働者の祭典であるが、なんだか分からないこちらのお祭りも、メイデーに関係するのかも知れない。また、5月の第一日曜日は、こちらでは「母の日」であるとか。日本ではアメリカに倣って5月の第二日曜日である。でも、日本のようには商売に乗せられていないようである。
 ところで今日はサグラダ・ファミリアのミサを見学する幸運を得た。外で取材していたRMさんが電話で知らせてくれたのである。羊子はカトリック教会のミサで奏楽の奉仕を行い、その後は羊子のグランドピアノを教会に置かせていただいているので、ミサが終わってから練習をして帰ってきたところである。皆で出かけることにしたが、羊子は知人から楽譜を受け取るので外で待っていなければならなかった。丁度、RMさんが取材から帰って来たので、RMさんが案内してくれることになった。サグラダ・ファミリアは毎日のように、「受難の門」側であるが見つめている。時々、外周を見ながら歩いている。しかし、まだ中を見学はしていない。毎日のように長蛇の列で、その列に並ぶ気にはならないのである。しかし、帰るまでには中に入って見学したいものだと思っていた。その幸運が訪れたのである。しかも、無料で入ることができた。昼間の見学の入場料は12.5ユーロである。換算すれば1500円ということになる。ミサの時間であるから、もちろん入場料は取らない。得をしたことになる。



礼拝堂内のキリスト磔刑



光を受けて輝くステンドグラス



 中には大聖堂と他の聖堂があり、行われているミサは大聖堂ではない。聖堂の入口付近で中の様子を見ることになる。かなりの人がミサに出席しているようだ。そのうち聖歌が歌われだしたが、出席者は手拍子で一緒に歌うのである。これがカトリック教会のミサなのかと思う。RMさんの説明によれば、このミサは南米系の人たちのミサであると言う。だからミサの全てがこのようなものではない。しかし、羊子が出席しているカトリック教会も女性が聖歌を歌ったり、今までの理解を訂正しなければならなかった。カトリック教会も現代的なミサに変わっているのであろう。むしろ変わろうとしないのは日本基督教団の教会なのかも知れない。教団の教会も新しい取り組みをしているところがあるが、高齢者が多い教会では変わりにくい事情もあるのである。讃美歌21が出ても、未だに54年版讃美歌を用いての礼拝である。
聖堂の中は大聖堂には入れないように仕切られていた。しかし、大聖堂の正面にも裸のキリスト磔刑像が掲げられていた。高い天井にはステンドグラスがはめこまれており、午後8時30分頃はまだ明るいので、外の光を受けて、きれいに輝いていた。ここには地下教会や地下博物館があるが、今日はミサのための開放なので見ることができない。わざわざ見なくても良いと思っている。ミサのお蔭で中に入れただけでもありがたいと思っている。
さて今日は日曜日、礼拝をささげる日である。サグラダ・ファミリアのミサ見学から帰り、午後9時頃から、我が家の家族4人と同居しているRMさんと礼拝をささげたのであった。家族礼拝は前週に続いて2度目であるが、もう家族礼拝はない。次の5月8日はマドリッド日本語で聖書を読む会の皆さんと礼拝をささげ、15日はこの羊子の家でバルセロナ日本語で聖書を読む会の皆さんと礼拝をささげることになっている。羊子がピアノで奏楽を担当し、星子とRMさんが聖書を読み、私が説教を担当し、スミさんが感謝祈祷をささげたのであった。祝祷の後は、「あなたに平安がありますように」との挨拶を互いにする。
10時頃に終わり、ライトアップされているサグラダ・ファミリアを背景に記念写真を写した。「母の日」ということなので、スミさんを中心に写したのである。それから夕食となった。今日はスミさんが昼間から手を掛けて作った「豚の角煮」とジャガイモや他の野菜と混ぜ合わせたものをおいしく食べた。RMさんが用意してくれたMANZANILLAというワインを飲んだが、日本酒のようであった。それから、やはりRMさんが用意してくれたRIOVERFDEという「ラッキョウ」のようなものを食べた。懐かしい味であった。