鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

スペイン滞在記 <40>

 

スペイン滞在記(2011年4月4日〜5月18日) <40>
2011年5月1日「人間の塔」
 


一昨日、午後10時過ぎからサグラダ・ファミリアの前の公園で、太鼓の音とも思えるようなドラムの大きな音がしていた。12時頃まで鳴り響いていた。そして、昨日は比較的高齢の人たちが刺繍、レース編み大会のようなことをしていた。そして今日もいくつかのイベントが行われた。この街のお祭りらしいのであるが、何のお祭りなのか羊子も分からない。
 12時30分頃から「人間の塔」が行われるというので、同居しているRMさんが、どこで行われるのか調べに行ってくれた。その結果、「聖誕の門」側であるという。それでスミさんと星子と三人で見に行った。RMさんは取材と言い、カメラを持って出かけている。羊子は奉仕しているカトリック教会のミサに出かけている。我々は今日の夕刻に家族礼拝をささげることになっている。今日も大勢の人がサグラダ・ファミリア見学で長蛇の列である。その脇をすり抜けるようにして「聖誕の門」へ向かった。教会の前の道路は車の通行止めになっており、ステージが造られていた。やがて子ども達の楽隊がステージの上で演奏を始める。30人くらいの編成である。その曲にあわせるようにして、大きな張子の人形が動いている。人間が入っているが、手足が動くわけではなく、いわば案山子のようでもある。ぐるりと回るくらいの動作はする。全部で10体くらいかな。楽隊の演奏が終わると、いよいよ「人間の塔」である。一段目はかなりの人たちが手を組み合って土台を作る。その上に二人の人が手を組み合って第二段を作る。三段目は少年が一人で立つ。そして四段目は小さい子どもがよじ登って三段目の少年の肩に立つ。そして手を広げて挨拶を行うのである。それが4塔作られるのである。観客は拍手喝采を送る。そんなに時間もかからず、あっと言う間に終わってしまった。もっと高いのかなとも思った。案内書を見ると、場所によっては8段くらいの塔を作っているからである。でも見ごたえはあった。塔を作る前に、参加する人たちが腰に黒い帯をぐるぐる巻いていた。一つの装束かと思っていたが、人が登っていく時、その帯に足の指先を引っ掛けながらよじ登るためなのである。高齢者から幼児まで参加できる楽しいイベントのようである。



張子の人形



人間の塔。一番上は幼稚園児くらいの子供



民族衣装をまとってのフォークダンス



 終わったので、「受難の門」へ向かい、公園を通って帰ってきた。その公園でもイベントが行われていた。昨日、レース編み大会をしていた場所である。そこにもステージが造られており、その上で子ども達が民族衣装をまとい、フォークダンスをしているのである。ダンスは一曲終わると次のメンバーの出演である。ステージの前には観客席があり、たくさんの椅子が並べられていて、満席である。多くの人が立ち見で、ステージを取り囲むようにして見学していた。幼稚園児と思える子供たちも民族衣装で踊っていた。次から次へと登場する。まだダンスは続けられていたが、ある程度見たので、家に帰ることにした。そのイベントも午後3時頃には終わったようである。
 

青い鳥



泥水で水浴び


公園にはいろいろな鳥達が来ている。鳩が多いようである。人間達の間を縫うようにして歩き回っている。中には芝生の中で、身動きもしないで休んでいる鳩もいる。スズメに似た鳥もいる。また、ツバメのような鳥もいる。飛び方といい、形といい、日本のツバメと似ているが、ちょっと違うようである。星子が緑の鳥がいると言い、指差した方を見ると、確かに緑の鳥であった。また、黒っぽい小さな鳥が、ちょっとした水溜りで水浴びをしている。結構泥水になっているのに、繰り返し水浴びをしているのであった。これもなんという鳥なのか分からない。時々、夜中なのに鳥が鳴き続けていることがある。その鳴き声で目が覚めてしまい、なかなか寝られなかったこともある。
 



大道芸人。他にもいろいろな芸人がいた



この公園は数年前に作られたばかりで、木のフェンスも新しさが残っている。ベンチはいつも満席で、いつも誰かが座って憩いを楽しんでいる。ドックランドもあり、入れ替わりに犬たちかが遊びに来ているのである。広場があるので、何かとイベントが行われる。ところで公園にはトイレがあるものだが、あることはある。コインを入れての有料トイレなのである。それも小さいもので、探すのに苦労するのではないかと思う。