鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

スペイン滞在記 <39>

 

スペイン滞在記(2011年4月4日〜5月18日) <39>
2011年4月30日「誕生会に招かれる」
 


昨日、午後10時過ぎからサグラダ・ファミリアの前の公園で、太鼓の音とも思えるようなドラムの大きな音がしていた。ドラムと共に他の楽器も合わせているようであるが、ひときわドラムの音が大きく、他の楽器の音はあまり聞こえない。12時頃まで鳴り響いていた。この辺の町のお祭りとか。日本では夜中になり、近所迷惑と言うことになるのだが。そのお祭りは今日にも続いているようで、公園にはテーブルが多数並べられている。食べ物屋でも出るのかなと思う。羊子と星子が買い物に行った時、そのテーブルは何かと見に行った。そのテーブルで、比較的高齢の人たちが刺繍、レース編みのようなことをしていたという。羊子に勧められてスミさんと見に行ったら、もうほとんどの人は終えていた。一人の若い女性がレース編みのようなことをしていたので、スミさんがそばに座り、いろいろと尋ねていたようである。このお祭りは、そういうお祭りなのかとも思う。
 家に帰ると来客中であった。5月14日にカトリック教会でコンサートを開催するが、羊子と共に出演するヴァイオリン奏者と合わせをしていたのである。しばらく合わせをしていたが、終わってから昼食を共にした。今日は日本のソーメンである。他にオムレツや野菜等で食事をしたが、女性のヴァイオリン奏者は上手に箸を使い、おいしいと言って食べていた。中国に一ヶ月ばかり演奏旅行をしており、そのとき箸の使い方を覚えたと言う。
 午後4時30分、羊子の友人がパソコンを見に来てくれた。羊子が以前使っていたパソコンを私が使用しているのであるが、インターネットがつながらないのである。友人に話したら、見てあげると言い、来てくれたのである。友人は瞬く間にインターネットをつないでくれた。これで日本の様子を知ることができる。もちろん羊子が使っているパソコンはインターネットがつながれているが、スペイン語なので扱いにくいのである。
 羊子の友人が、羊子の家族が日本から来ていることを知り、夕食に招待してくれた。午後8時頃に家を出て、タクシーで赴いた。実は、今日は招待してくれた友人の誕生日であるので、友人の母親や知人二人と我々家族を招いてくれたのである。彼女はエンジニアであり、傍ら声楽を楽しんでおり、羊子のピアノに合わせて歌うことを喜びとしていた。羊子を家族として大事にしてくれているのである。この誕生日で50歳になったとか。知人は、一人はワイン会社の社長とか、もう一人は80歳にもなる老人で、大きな家に一人で住んでいると言う。
 




赤ピーマンの煮込み



トマトはパンに刷り込んで食べるので、食卓には必ず出される



お誕生日の友人(右)とお母さん



まず出されたのは海老と野菜を混ぜたサラダ風のもの、赤ピーマンの煮込み、野菜サラダ、ハム、生ハム、パン、そしてアンコウの煮込み等である。どれも彼女が作ったものであるが、おいしくいただいた。くどくどしさはなく、我々も喜んで食べることができた。飲み物としてはカバ、ワインである。こちらではカバと称しているが、これはジャンパンである。スペインでもシャンパンとして作っているが、フランスから抗議があり、シャンパンはフランス特有のものなので、同じ名前を使わないようにということなのである。それで、スペインではカバと称するようになったということである。カバ、ワインを勧められるままに、ずいぶんと飲んでしまった。スペイン人に限らないが、食事中はよくお話しをする。話しが途切れることはない。しかも、彼女は声楽家だけあって声が大きい。食事中、80歳の老人から二人の母に花束の贈呈があった。彼女の母親と羊子の母親である。この老人はお菓子もお土産に持ってきていた。クッキーやドーナツのようなお菓子である。我々が帰るときには、そのお菓子を包んで持たせてくれた。食事中、バルセロナの感想を聞かれた。街中が碁盤の目のように整然と作られていること、商店の看板が店の前であり、日本のように突き出している看板はないので、街中が静かな雰囲気があることなどを述べた。
 今日は我が家でお客さんに食事を提供したり、誕生会に招待されたり、食事の交わりが深まった。食事をしながらの歓談は、お交わりがいっそう深まるのである、午後11時過ぎに彼女の家を後にし、12時前に帰宅した。