鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<54>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<54>
2014年12月30日「感謝の礼拝は恵みを数えること」



 昨日は28日に六浦谷間の集会バルセロナ礼拝ができなかったので、29日にささげたことを記し、歳晩礼拝でもあったので、礼拝で語られた一年間の恵みと歩みを感謝しつつ、ブログでも取り上げたのであった。今回も礼拝に触れながらブログを記すことになる。聖書は日本基督教団の聖書日課による。イザヤ書61章1-11節、マタイによる福音書2章1-12節の聖書から、「基となるお恵み」と題して御言葉を取り次ぐ。イザヤ書はバビロン捕囚から解放された人々が、故郷を後にした50年間の空白をどう埋めるか、ということが課題である。故郷に帰っても生きる術がない。そして故郷は、もはや他の民族が住んでいる。だから捕囚となったバビロンに残る人々もいた。残るべきか、帰るべきか、その様な不安定の中に生きる人々に神様の御心を示しているのがイザヤの預言である。「わたしは主によって喜び楽しみ、わたしの魂はわたしの神にあって喜び踊る。主は救いの衣をわたしに着せ、恵みの晴れ着をまとわせてくださる」と言うのである。この様なイザヤの励ましと共に、新約聖書でもマタイによる福音書は、やはり不安定な人々に導きを与えている。不安に生きる人々はヨセフさん、マリアさんであり、そして星の導きで拝みに来た占星術の学者さんたちである。それぞれに導きが与えられ、新しい歩みが始まることを示しているのである。だから、現実は常に神様の恵みの導きに満ちているのである。
 説教では、この一年間はお恵みの年であったことを最初に述べる。昨日のブログでも復讐している。特に10月21日以来、スペイン・バルセロナに滞在して、新しい体験を与えられ、それが大きなお恵みとなっているということ。バルセロナには過去二回滞在している。今までも新しい体験のお恵みをいただいているが、今回は更に大きなお恵みを与えられている。今までは羊子の父親として皆さんとのお交わりであった。もちろん今までも私がプロテスタントの牧師であることは紹介されていたが、今回の滞在は羊子の父親であると共にプロテスタントの牧師のとしての存在が明確に人々に覚えられたということである。10月25日に羊子の結婚式がサグラダ・ファミリアで行われることになったとき、サグラダ・ファミリアの神父さんが、羊子の父親がプロテスタント教会の牧師であることを知り、それなら一緒に結婚式の司式をしましょうと言ってくれる。サグラダ・ファミリアカトリックプロテスタントの神父と牧師が結婚式の司式をすることは前代未聞である。今後はこの様なことはないであろうし、私自身もこの様なことはないことなのである。本当に不思議に結婚式であった。さらにクリスマスのミサをプロテスタントの牧師として担当させていただいたことである。25日に羊子が親しくさせていただいているホセ・ルイス神父さんのカトリック教会のクリスマス・ミサの奏楽をすることになり、私達夫婦も羊子と共に出席したのである。するとホセ・ルイス神父さんがクリスマス・ミサを共に担当するように私に求められたのである。戸惑いを覚えたが、これも神様のお導きであり、お恵みであると受け止め、神父さんのガウンを羽織って担当したのである。日本語で聖書を読み、短く奨励を行うことも求められる。日本語の聖書を持参してなかったが、羊子が携帯電話のアイフォンで、ネットから聖書を探し出してくれた。イザヤ書9章5節の言葉である。「ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、『驚くべき指導者、力ある神、永遠の父、平和の君』と唱えられる」との言葉である。この御言葉を基として、イエス・キリストは日本人の人々にも生まれ、救いを与えてくれたこと、少ない日本のキリスト者であるが、十字架の救いを与えられていること、世界の人々がキリストにより導かれ、平和へと導かれていることを感謝していると述べ、スペインの皆さん、この教会の皆さんの上に神様の祝福が豊かにあるようお祈りしていると奨励を行う。奨励は羊子がスペイン語に通訳してくれる。
さらに26日は羊子の友人に食事の招待をいただく。その時、食前のお祈りを友人のマルガさんから求められたのである。過去の滞在でもマルガさんに招かれて食事をしているが、今回は牧師として皆さんが私達夫婦を受け入れてくださっていることを示されたのである。
この様な体験を与えられた2014年を示されるとき、まさにお恵みの多い一年であったと示されるのである。新しい年もまた新しい出会いがあるであろう。与えられているお恵みが新しい歩みの基なのである。主イエス様が基であるので、喜びつつ歩みたいと説教を締めくくっている。



サグラダ・ファミリアにて羊子の結婚式。
神父さんと牧師が共同司式を行う。再掲



クリスマス・ミサを神父さんと共に司る。
羊子が日本語をスペイン語に通訳。再掲



マルガさんから招かれての食事。羊子の隣がマルガさん。再掲



サグラダ・ファミリア聖誕の門。再掲