鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

収めきれないイエス様のこと(家庭教育学級が開かれて)

家庭教育学級が開かれました。幼稚園の父母の会が主催しています。父母の会は「けやきの会」との名称で幼稚園と共に歩んでいます。最初は「母の会」でした。幼稚園の歩みを支えることが活動内容です。しかし、お父さんの存在があるわけですから、その後は「父母の会」としました。さらに、幼稚園の象徴的な欅の木のように、どっしりと幼稚園を見守り、支えることとして「けやきの会」としたのでした。学校ではPTAの活動がありますが、それらとは内容が異なります。「けやきの会」は幼稚園の歩みを支えることが目的です。例えば、運動会が開かれると、お母さん達がいろいろと協力をするのです。幼稚園の教職員だけでは担えないからです。ラインを引いたり、競技の道具を準備したり、子ども達の世話をしたりします。10月の下旬には「芋ほり」遠足があります。幼稚園から子どもの足で約1時間歩くとお芋畑があります。けやきの会の役員さんも引率し、畑では子ども達が掘ったお芋の仕分けをします。そして、袋の中に3、4本ずつ入れます。子ども達は結構重いのですが、自分たちで掘った収穫を喜びつつもって帰るのでした。けやきの会の大きな役割はバザーの準備です。バザーは幼稚園が主催ですが、実際の運営はけやきの会がいたします。企画・準備等、心から感謝しています。
けやきの会はこのように幼稚園の歩みと共にありますが、自主的な一つのことは家庭教育学級の開催でした。数年前に綾瀬市が市内の九つの幼稚園に家庭教育学級の開催を呼びかけたのです。年に3回の学習会を開催することにより、開催費を助成するのです。当園も受託し、年3回の家庭教育学級を開催するようになりました。4、5年続けられたと思います。しかし、昨年から綾瀬市の方針として年一回の開催となったのでした。今年もその家庭教育学級が開催されました。今回は卒業生のお母さん・山中京子さんが講師です。「物語の森へ」(はじめの一歩)と題してお話されました。山中さんは図書館司書としてのお働きがあります。今は川崎市学校図書館のお仕事をされています。お子さん達が幼稚園に在園している頃、幼稚園の図書をいつも管理・整理してくださいました。子ども達と共にどのように本に向かうか、本と共に成長する子ども達の豊かさ等についてお話されました。そして、たくさんの絵本を持ってこられて、内容を紹介したり、読み方等についても実際に読んだりしました。今の時代、テレビやゲームの世界であり、本を読んでの創造の世界が欠けていることを指摘され、読むことによって、無限の世界が広がる楽しさをもお話されました。
当園には小さな図書館があります。園舎とは別に建てられているので、図書室ではなく、これでも立派な図書館なのです。昔は今の「ひよこ組」が教職員室でありました。何とかして図書室がほしかったので、教職員室の出口のテラスに本当に小さな本を置く場所を造りました。その前は今の教材室を図書室としたことがありました。いずれも使いにくい図書室であり、意を決して図書館を建設したのでした。この図書館には金曜日に子ども達が本を借りにクラス毎に来ます。自分の好みの本を借りていきます。そして、月曜日に返します。返却の作業をするのがお母さん達です。返された本を元の場所に収めたり、整理したりします。お当番のお母さん達は、この日は保育参観もします。お弁当を持ってきて、クラスのお友達と一緒に食べるのでした。「もう字が読めるのだから、自分で読みなさい」と言うとしたら、それは子ども達の夢を壊すことであると山中さんはお話されていました。お母さんが読んでくれる絵本を見つめ、また聞きながら創造の世界へと導かれていくのです。
子ども達には図書カードが渡されています。本来図書カードは本についていますが、当園は個人がカードを持ち、借りた本を書き込んでいくのです。在園中にどんな本を読んだかの記録になります。中には同じ本を何回も借りる子どももいます。それも良い記録でありましょう。改めて本との出会いを学ぶ家庭教育学級でした。
聖書の言葉
「イエスのなさったことを書くならば、世界もその書かれた書物を収めきれないであろう。」
ヨハネによる福音書21章25節)