鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

ドレーパー記念幼稚園運動会( 神様の賞をいただくために )

  
 ドレーパー記念幼稚園の運動会が本日16日に開催され、参観して来ました。参観というより、懐かしい人々との再開を喜んだということです。9日に開催される予定でしたが、雨のため延期となっていました。9日はまた早苗幼稚園の運動会でした。退任したばかりの幼稚園で、こちらには顔を出すので、半年前に退任したドレーパー記念幼稚園の運動会には行かれないと思っていました。すると雨で両方の幼稚園は延期にしたのです。早苗幼稚園は11日に開催し、ドレーパー記念幼稚園は16日に開催となりました。これは神様のお導きなのでしょうか。
 ドレーパー記念幼稚園は現在81名の園児であり、運動会を園庭で開催するのは、丁度よい規模であり、園児数でありました。以前は130名位の園児がいましたが、その人数でもこの園庭で開催したのです。思い出す限りこの園庭で開催していますが、一度だけ他のグランドを借りて開催したことがあります。それは園舎の増改築の時であり、建築中でありましたので、他の場所での開催を余儀なくされたのでした。そこはかなり広いグランドであり、全体的にもまとまらなかった印象があります。この園庭の運動会こそ、楽しく開催できるのです。昔は祖父母の皆さんの参観はそんなにはおられませんでした。しかし、最近は祖父母の皆さんが多く参観するようになりました。そんなに広い場所ではないので、声援も子ども達に届き、子供たちも張り切って協議に参加するのです。
 運動会になると、いつも思い出すのは、元気に競技に参加する子ども達ですが、中でも障害児、障害的傾向の子供たちの姿であり、応援する子供たちや先生、そして家族の皆さんです。目の不自由なS子ちゃんの徒競争には、運動会の全員が応援したのでした。合図と共にお友達が走り出します。S子ちゃんはなんだか良く分からないようです。先生がタンバリンを打って、導いています。先に走って行ったお友達が振り返って立ちどまるのです。S子ちゃんが来るのを待ってあげているようです。でも、他の先生に励まされてゴールへと走って行きました。S子ちゃんはまだ三分の一も進んでいません。すると見ていたお友達が「ガンバレS子ちゃん」と声援を送り始めました。観戦している保護者の皆さんも拍手しています。その拍手がいつの間にか一つの手拍子に代っていました。S子ちゃんがゴールに着くまで、かなりの時間を要しましたが、会場全体の応援がこだましていたのです。保護者の中には涙をふきながら声援を送っていました。ゴールに到達した時には大歓声がわきあがったのです。優しい子どもたち、理解を示す保護者の皆さん、忍耐と愛情の教職員、園長としてもこみあげてくるものを抑えることができませんでした。他にも弱い存在のお友達には、いつも心を寄せる子ども達です。確かにゴールを目指していますが、共にゴールを目指している姿を示されるのです。ある時は、一緒に走ったお友達が転んでしまいましたが、先を走るお友達が振り返り、転んだ子を助け起こしているのです。一緒に走ろうとする子供たちは、イエス様のお示しを体で実践しているのです。「自分を愛するように、お友達を愛しましょう」と教えられています。ドレーパー記念幼稚園のお友達は、自分が賞を得るのではなく、一緒に賞を得ようとしているのです。いつもお友達をお祈りするお友達でもあるのです。
 久しぶりに、懐かしい人々とお会いすることができました。皆さんが私たち夫婦を歓迎してくれました。懐かしさのあまり、思わずハグをしました。そしたら、「さっきあの人にはハグしたではありませんか」と言われ、次々にハグ。昔だったら恥ずかしくてできないのに、この年齢になると喜んでハグするんだなあ。
 新しい歩みを始めているドレーパー記念幼稚園に希望を持ち、祈りつつ会場を後にしました。
<聖書の言葉>
神がキリスト・イエスによって上へ召して、お与えになる賞を得るために、目標を目指してひたすら走ることです。
(フィリピの信徒への手紙3章14節)