鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<393>

隠退牧師の徒然記(2015年2月11日〜)<393>
2016年1月6日「異なる文化を体験し 5 」



聖書の言葉
わたしは、いつも目の前に主を見ていた。主がわたしの右におられるので、わたしは決して動揺しない。だから、わたしの心は楽しみ、舌は喜びたたえる。体も希望のうちに生きるであろう。
使徒言行録2章25-26節)



新年を迎え、テレビ等はお正月の出来事をいろいろな角度から放映している。面白かったのは浅草の浅草寺に訪れた外国人の賽銭の投げ方である。大勢の人々が賽銭を投げ入れているが、その外国人は後ろ向きに背中越しに投げ入れたという。そういう投げ方はローマのトレヴィの泉である。「ローマへもう一度戻りたいと願うなら、後ろ向きにコインを投げよ」との言い伝えで、観光に来た人たちは皆その様に行っている。2012年に訪れたとき、大勢の観光客がいて、泉も見えないほどである。それでもみんな後ろ向きにコインを投げている姿は滑稽でもある。日本の神社仏閣でも同じようにしている外国人には思わず失笑してしまう。それからお正月の報道で、外国人が福袋を買うために来たという。日本の福袋は独特の様で、中身も結構良い物が入っているということを知っている。しかし、開けてみると自分としてはお目当てのものではない。そこで、他の外国人に話しかけ、中身の交換をする。日本人は福袋であるので、大事に持って帰るのである。外国人は福袋と言うより、中身が目的でもある。日本の若者もしているのかもしれないが、中身の交換は聞いたことがない。
昨年のお正月はバルセロナに滞在しており、1月4日には羊子の彼、イグナシオさんの実家に行く。お母さんのコンチータさんとお姉さんのノラさんがおられる。お昼の食事をいただくと、プレゼントの遊びが行われた。大きな籠の中に新聞紙で包まれたプレゼントがたくさん入っている。そのプレゼントを順番に取っていくのである。もちろん何が入っているか分らない。プレゼントを取ると、みんなの前で披露するのである。手作りのナプキン、ティッシュボックス、お人形等、中にはトイレットペーパーの芯の中に5ユーロが入っている。だいたい一人五品くらいを得る。日本人は折角得たものであるので、そのまま自分の物にする。しかし、今度はプレゼントの交換会が行われるのである。自分持っている品物と他の人が持っている品物と交換する。しかし、他の人に渡った自分が持っていた品物は、また他の人に渡って行く。賑やかに交換会が行われたのであった。福袋の中身を交換していることから、バルセロナの楽しい思い出がよみがえったのであった。この辺りの人間性、文化の違いを示される思いである。
日本人ばかりではなく外国でも、賑わう場所には行きたがるものである。特に若者は渋谷や原宿等、別に用もないのに遊びと称して集まっている。その混雑ぶりには驚いている。スペイン、ローマ、パリ、フィレンツェ、クアラルンプール等を訪れているが、買い物客で大勢の人々を見ているが、若者が用もないのに町の中に集まることは経験しない。それにしても、バルセロナにいるときの感想は、若者はどこにいるのかということである。サグラダ・ファミリアの周辺の公園では、高齢者たちがいろいろなゲーム遊びをしている。テーブルでカード遊びもしている。みんな高齢者である。若者はと言えば、公園等で三々五々語り合っている姿は見る。バルセロナにはカタルーニャ広場付近に目抜き通りと言われるランブラス通りがある。その通りは多くの人々が訪れているが、観光客等もいるが、特別に若者が集まっているという印象はない。一般市民の皆さんが楽しみつつ歩いているのである。時々、サッカー場があり、若者が楽しく球技をしている様を見ることもある。しかし、印象として若者はどこにいるのかということである。
外国と言っても一部であり、表面的にしか見ていないので、何も言えないのであるが、若い人たちもそれなりに過ごしているのであろう。羊子が彼イグナシオさんと一時帰国したとき、彼は面白いことをしてくれた。食事が終わって、デザートにバナナを食べていた。すると彼はバナナを魚のように作り上げる。口がパクパクト開くのである。みんなは面白がって指をバナナの魚の口に入れると、噛まれて悲鳴をあげる仕草をするのだった。食後の余興として楽しいものである。ストローの袋を縮めて、そこに水を注ぐと動き出すこと、結構行われている。あるいは箸の袋を上手に折って箸置きにしたりする。食事をしながらも楽しいことをするのは、外国人も同じようである。プレゼント交換の楽しみ方、食事中は大きな声でおしゃべりをすること、大きな声で笑うこと、本来、日本人はお行儀が悪いとされていたこと、今は日本でも行われるようになっている。新しい年も楽しく過ごそうと思っている。
羊子が彼と共に一時帰国したので、彼の日本滞在と私自身の外国滞在を比較しながら示されてきたが、もうこのくらいにしておこう。



バルセロナにて。サン・ジョルディの日にはランブラス通りには大勢の人が。
女性は男性に本を贈り、男性は女性に花を贈る。その店で賑わう。



バルセロナの台所と言われるジョセップ市場。
大勢の人で込み合っている。



バルセロナにて。プレゼント交換遊びを楽しむ。



バナナの魚に噛まれて悲鳴をあげる。