鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<392>

隠退牧師の徒然記(2015年2月11日〜)<392>
2015年12月30日「異なる文化を体験し 4 」



聖書の言葉
そこで、わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても、倒れなかった。岩を土台としていたからである。
(マタイによる福音書7章24-25節)



羊子が結婚したスペイン人のイグナシオさんと日本に滞在したとき、彼はやはり戸惑ったことであろう。それは住宅事情である。スペインや欧米の住宅は石造りであり、日本の住宅は木造なのである。欧米では住居は靴のままの生活であるが、日本は玄関で靴を脱がなければならない。スリッパに履き替えるか、スリッパを履かない場合もある。しかし、欧米でも家の中ではスリッパに履き替える家も多い。バルセロナの羊子の家では、スリッパに履き替えての生活であった。やはり外出して家に帰れば、スリッパに履き替えた方が気持ちが休まるのである。バルセロナの知人の家でも、玄関で靴を脱ぎ、スリッパに履き替える生活であった。夫人が日本人でもあるからだ。スリッパに履き替えるのは、国によっても多い。韓国に会議で訪れ、ホテルに案内されたとき、室内が石造りなので、靴のまま上がってしまう。案内してくれた人が、あわてて注意してくれたのである。マレーシア・クアラルンプールにボランティア牧師として三ヶ月間赴く。牧師館に案内され、室内は石造りなので、靴のまま入ったのである。やはり案内された人が、靴は玄関で脱ぐことを教えてくれる。マレーシアの家はどこの家も石造りであるが、スリッパに履き替えるのである。バルセロナで親しくしているホアキンさんは80歳を過ぎているが、2012年に滞在したとき、丁度ホアキンさんの誕生日があり、お付き合いが広いので大勢の人々がホアキンさん宅に集まる。羊子たち音楽家がお祝いの演奏をしたり、お祝いの御馳走をいただいたり、賑やかな誕生会であった。ふと思ったのは、これだけの人が集まった場合、日本では頭を悩ますのではないかということである。スリッパ50足、そして靴の置き場所をどうするかということである。ホアキンさんの家は靴のままなのでその心配はいらない。六浦谷間の集会でもクリスマスやイースターの時には知人が多くお集まりくださる。10名くらいは大丈夫であるが、その場合でも、我が家の子供たちの靴は玄関ではなく、別の場所に置いている。日本の住宅の狭さを感じる。バルセロナの羊子の家にも、時には15名の皆さんがお出でになる。お客さんの場合には靴のままであるので、スリッパの心配はない。家の中ではスリッパに履き替えること、時にはスリッパなしで歩き回ったり、リラックスできる生活ではないだろうか。
日本の住宅は洗面所、お風呂、トイレはそれぞれ別々に造られていること、彼イグナシオさんは驚くほどではないが、便利さを経験したかと思う。欧米の家は、これらは全て一緒なのである。だから誰かがお風呂に入っていれば、トイレも洗面もできない。だいたい昔からの家はこの様な造りになっている。羊子の家も100年にもなる石造りの家なので、昔ながらの造りになっている。バルセロナ滞在中にも、パリ、ローマ、フィレンツェを訪れ、ホテルに泊まっている。多くの場合、トイレ、洗面、お風呂等は一緒である。高級ホテルはこの不便さはないのであろうが。バルセロナの北を旅したとき、結構高級なホテルに泊まったが、やはり同じである。しかし、バルセロナでも新しく造られた家にはトイレや洗面所が二ヵ所あるところもある。
お風呂と言っているが、シャワー室である。そこのバスタブが大きければお風呂にしてはいることができる。バスタブがないシャワー室のホテルもある。それよりも、欧米のシャワー室には日本のような手拭いがない。バスタオル、小さいバスタオル、足拭きくらいが備えられている。我々は手拭いと共にあかすりを持っていたので、一人で背中を洗うことができた。欧米の人たちはどうやって背中を洗うのか、疑問を持ち続けている。
羊子とイグナシオさんを鎌倉に案内するときも、自宅から六浦駅まで歩いて行く。車で鎌倉に行かなかったのは、鎌倉の駐車場の問題、鎌倉市内の渋滞のこともあり電車で行くことにしたのである。歩いていると、丁度、家を作る建前を見る。むねあげとも言うが、柱をたくさん立てて造り上げる日本の家づくりを興味深く見ていたのである。今は日本の家屋は耐火建築で、木造とも思えないが、基本は木の柱を立てて造り上げるのである。そして耐火建材で囲むので、木造とも思えないのである。日本人にとって、木のぬくもりは、やはりやめられない建築なのである。室内はすべて木造なので、手直し等は簡単でもある。棚でも補修でもできる。バルセロナの羊子の家に滞在したとき、我々が行く前から、羊子が期待していたことがある。私が滞在している間に棚を作ってもらいたいということであった。材料はそろっているという。言われるままに作業をするとき、石造りの家なので。簡単にはできないことを知る。コンクリートに穴をあけて、鉛を詰めてビスを打ち込むことはしたことがあるが、石の壁なので、その作業はしなかったのである。後に彼と結婚し、彼は簡単に棚を取り付けたという。日本の家屋はいくらでも手直しができるので、住みやすいと思っているのであるが。



羊子たちが滞在した六浦の家。



バルセロナの住宅。



バルセロナの羊子の家は石造りでも、フロアは木である。



羊子の家でも大勢の皆さんをお招きしては晩餐会を開いている。