鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<9>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<9>
2014年10月28日「間もなく11月だというのに」



 今日は10月も間もなく終わりになる28日である。今日は快晴とは言えないが薄日がさしている。そんな中、海岸では泳いでいる人々がいる。そんなに多くはいないが、泳いだりサーフィンをしたりして楽しんでいる。浜辺ではボール遊びをしたり、寝そべっていたりして過ごしている。そんなに暑くもないが寒くもないのである。この時期に海水浴を楽しむ人々を見ながら、海辺のレストランで昼食をいただくことになる。
 その前に今日はピカソ美術館を見学する。星子は明日の29日に帰国するので、バルセロナ見学は今日しかない。まずピカソ美術館を見学することになったのは、2011年にバルセロナに来た時、見学できなかったことによる。羊子とも親しくしていただいている山田修平さんはバルセロナの公認観光ガイドさんであるが、私と星子のためにバルセロナ案内をしてくださった。まずサグラダ・ファミリアの外周を案内して説明してくださる。外周だけで中には入らない。その後はメトロで旧市街に赴く、電車の中でどうも星子の具合が良くなさそうに見える。電車を降りたとき、山田さんが星子のために休憩を取ってくださり、喫茶店で入る。水を注文して飲んだりしていたが、やはり星子は明らかに具合が悪いのである。それでも元気を出してカテドラル付近を見学したり、王の広場を見学し、その後はお昼なのでレストランに入る。しかし、星子は注文した料理は食べることなく、水ばかり飲んでいる。それで羊子に連絡して迎えに来てもらったのである。食事後はピカソ美術館を見学する予定であった。だから、そのときは幻のピカソ美術館見学となったのである。その時の星子はウィルス性の風邪であった。今回、ピカソ美術館はぜひ見学したいと思っていたのである。それが果たせて喜んでいる。
 美術館に来た時、大勢の人がチケットを買うために並んでいた。実は羊子がネットでチケットを買おうとしたが、24時間前でないと買うことができなかった。だからチケットを購入して入館するつもりでいたのであるが、こんなに大勢の人が並んでいるのでは数時間もかかってしまうのではないかと思う。たまたま並んでいる列を整理するためにスタッフが来たので、羊子が交渉したのである。車椅子の手配である。するとスタッフの人は優先的にチケットを買うことができる窓口に連れて行ってくれる。並ばなくても入ることができたのである。そして車椅子も用意してもらう。入館したのは私とスミさんと星子であり、羊子は用事があるので、そちらに出かけて行く。1時間30分後に出口で待ち合せたのである。
 こちらのピカソ美術館に展示されている作品は、ピカソの若い頃のものであり、初期の作品であると言われる。我々が知るピカソは、箱根の彫刻の森美術館に展示されている作品であり、何だかよくわからない作風である。あれが芸術なんだろうかと思ってしまっている。しかし、ピカソ美術館に展示されている作品は、常識的にもまともなものである。むしろ15歳で描いたと言われる「初聖体拝受」、16歳の作品「科学と慈愛」は驚くほかはない。ピカソ美術館を見学することにより、ピカソの誤解、偏見が無くなるだろうと思う。まさに天才画家である。
 さて、その後はバルセロネータ方面に歩いていく。バルセロナの中央郵便局の前にはミロのモニュメントが置かれている。私とスミさんはその郵便局前のベンチで休んでいることにし、羊子と星子は海の方に行き、写真を写したりしている。そして、その後はパルク・ダ・マル地区へと行く。そのあたりにツインタワーがある。2011年に来た時、星子と共に地中海まで歩いた。そのときツインタワーをめざして歩いたのである。羊子の家から1時間を要して歩いたのであった。ここにはヨットハーバーがあり、一体どのくらいヨットが停泊しているのだろうかと思う。その付近の海沿いのレストランで食事をすることにした。そこから見える海岸では海水浴楽しんでいる人がいた。寒くもなく暑くもない気候であるが、間もなく11月であると言うのに泳いでいるのである。バルセロナは日本とほとんど気候が変わらないが、多少は温度が高めである。だから、11月にも近い日に泳ぐなんて考えられないのである。それにしてもこちらの人たちの薄着には驚く。結構寒く感じるのに半袖の人が多い。我々は長袖、冬物を着ているのである。中にはノースリーブの人もいる。これらの人々は北欧からの観光客であると言われる。寒い国からやってきた人たちは、バルセロナは暑いのである。月日で暑さ寒さを判断してしまうが、実際の気候で生活しているということである。



ピカソ館見学後、狭い旧市街の道を歩く。



バルセロナ中央郵便局の前で。



ミロのモニュメントの前で記念写真。



浜辺のレストランで。