鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<394>

隠退牧師の徒然記(2015年2月11日〜)<394>
2016年1月12日「新年と共に」



聖書の言葉
暑い真昼に、アブラハムは天幕の入口に座っていた。目を上げて見ると、三人の人が彼に向かって立っていた。アブラハムはすぐに天幕の入口から走り出て迎え、地にひれ伏して言った。「お客様、よろしければ、どうか、僕のもとを通り過ぎないでください。」
(創世記18章1-5節)



新年を迎え、やはりカレンダーの新しさと共に生活を始めている。お正月と言っても、我が家には人が集まる訳ではない。昔の話しになってしまうが、両親が健在なころは、親族が年始の挨拶に来るので、連日賑わっていた。父の弟や妹、母の妹たちが年始の挨拶に来るのである。それぞれ子供達も来るので、本当に賑やかなお正月であった。昔の家を思いだしながら、しばし懐かしさを覚えていた。今は子供達もそれぞれの生活をしているので、お正月であるからと来るわけではない。毎月第二日曜日は横須賀上町教会の礼拝を担当しているので、子供達も一緒に出席するため土曜日にやってくるのである。だから今年は1月9日に子供たちが集まり、新年の挨拶をしたのであった。
このお正月は全く来客がなかったというのではない。1月4日にバルセロナから一時帰国している下山由紀子さんがお連れ合いのカルロスさん、娘さんのみずきさんと共にお訪ねくださった。下山さん家族は12月23日に一時帰国し、1月5日にはバルセロナに戻られたのである。下山さんはバルセロナ日本語で聖書を読む会の中心になっている方である。私たちは過去三度バルセロナに滞在しているが、その都度、集会で説教をさせていただいている。羊子も集会のメンバーであり、羊子の彼イグナシオさんとも親しくお交わりをいただいている。娘さんのみずきさんは日本の大学で学んでおられるのである。ご実家は金沢区並木であるので、比較的近いのである。2011年4月、5月にバルセロナに滞在したとき、二番目の娘・星子も一緒であった。その時、下山由紀子さんが私達をモンセラットにご案内くださった。連れ合いのスミさんは、既に二回もバルセロナに滞在しており、モンセラット見学をしているし、あまり歩き回るのは困難でもあるので行かないことにした。このブログでもしばしばモンセラット見学を記しているが、下山さんがご案内くださった賜物なのである。モンセラットとは「鋸山」の意味であり、名前の通り、山がごつごつしており、そこにカテドラルと言われる教会がある。人々はモンセラットの見学と共に、カテドラル見学がある。そこには「黒いマリアさん」が祀られているのである。そのマリアさんを拝むと幸せになれるとの言い伝えがある。また、カテドラルではモンセラット少年聖歌隊の合唱も知られている。聖歌隊の歌声を聞くために訪れる人々もいるのである。鋸山の景観を見ること、黒いマリアさんを拝むこと、聖歌隊の歌声を聞くためが目的であるが、登山電車で上って行く楽しみもある。
カルロスさんはスペインの銘酒であるワインをお土産にくださった。スペインでは殆ど食卓にはワインが出るので、何をもっておもてなしをするか思案していた。羊子やイグナシオさんが一時帰国したとき、羊子はワインの用意は不要と言う。むしろ日本特有の飲み物が良いというのである。それでイグナシオさんには日本の焼酎を用意したのである。他の場所で日本酒や紹興酒を御馳走になったとか。それでカルロスさんにも焼酎を考えていたが、日本のワインを味わっていただくことにしたのである。銘柄も甲州ワインなので、まさに日本のワインなのである。カルロスさんは日本のワインをおいしいと言って味わってくださった。食事は、きっと滞在中にはどこかで食べたであろうが「スキヤキ」にする。卵と共に食べる姿はまさに経験済みなのである。カルロスさんは日本語を話せないが、下山由紀子さんの通訳で楽しく歓談することができた。娘さんのみずきさんは、日本に滞在して2年目であるが、バルセロナで成長しつつ日本語を上手にお話しできるのである。
下山由紀子さんはバルセロナ日本語で聖書を読む会の中心になっており、月報を発行しては関係者に送ってくださっている。羊子が滞在中、11月18日にネット礼拝を行う。今回で二回目であり、最初は6月25日にしている。iPadFaceTimeを双方で立ち上げ、画面を通して礼拝をささげるのである。6月のネット礼拝はバルセロナで羊子が奏楽したが、11月は日本で奏楽を行う。それらの報告も月報で紹介され、また担当した説教も掲載されているのである。12月の月報には羊子の一時帰国中のコンサートが紹介され、バルセロナ日本語で聖書を読む会で共に礼拝した皆さんが、日本に帰国しているのであるが、羊子との再会も紹介されていた。このバルセロナ日本語で聖書を読む会の月報は多くの人々に配信されているので、世界的な存在になっている。
新年の賀状をいただき、お元気に歩まれている皆さんを示されたのであるが、バルセロナに滞在して、出会った多くの人々も心に示されながら新年を歩みだしている。





モンセラットとカテドラルの前で星子と共に。2011年の時。



カテドラルに置かれている黒いマリアさん



バルセロナ日本語で聖書を読む会の皆さんとネット礼拝。



1月4日にバルセロナにお住いの下山由紀子さんご家族がご来宅。