鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<3>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<3>
2014年10月22日「バルセロナ生活の始まり」



 羊子の家には犬三匹、猫二匹が共に暮らしている。犬はミニピンシャで、名前はルカ、バンビ、キュピである。もう一匹、同じ仲間のルルと言う犬がいたが、数年前に亡くなっている。猫はシャムネコのパトラ、ペルシャネコのカムイである。いずれも10歳から12歳頃である。犬達はいずれも小型犬なので、家の中にいても邪魔にはならない。我が家では、昔、犬を二匹も飼っていたことがある。中型犬であったが、家の中では飼わなかった。こちらでは街中がマンションなので、犬はどこの家でも家の中で買っているのである。かなり大きな犬を見かけるが、あんなに大きな犬が家の中にいると邪魔にならないかと思うのであるが。これらの動物達の健康管理も大変である。犬にしても猫にしても大きな手術をしているのである。食事の管理、散歩に連れて行くこと、朝と夕方そして夜に散歩している、大事な健康管理なのである。朝、起きると犬の散歩に行くと言うので、私も共に出かける。羊子のマンションからすぐのところにドックランがある。まずそこへ連れて行くと、他の犬も多く来ている。犬達は毎日で会っているので、みんな顔なじみのようで、尻尾を振りながらじゃれあう。ここで糞尿をさせてから、街中を歩くのである。日本では犬の糞は持ち帰ることになっているが、ドックランの中にあるゴミ籠に捨てればよいことになっている。とにかくゴミ籠がどこにもおいてあるので、ごみの処理は楽である。
 散歩から帰ると10時頃であり、朝の食事をいただく。日本からインスタントの味噌汁を持ってきている。ご飯を炊くので、それだけで朝食になる。梅干しもあれば、ふりかけもある。日本にいるときも朝は簡単なものであった。お昼の食事は午後2時頃であり、夕食は午後10時頃となる。さて、食事をしてから、いよいよ私自身の仕事になる。まずパソコンのインターネットができるようにすることである。しかし、どうもインターネットがつながらない。そうなるとメールもできないし、困ったことになる。しかし、今回はパソコンと共にiPadを持参している。このiPadでインターネットを利用することにした。メールもできるが、パソコンのDIONのメールが使えなくなることは残念であるが、既にyahooのメールを立ち上げているので、そちらのメールを利用することにする。いくつかアドレスを入れてあるが、さらに必要な連絡先を加えておく。iPadのメールにはicloudもあり、そちらも利用することができる。そんなことをしているうちにも昼食時間となる。まだ旅の疲れが残っており、昼食後に横になる。連れ合いのスミさんや星子が言うには鼾をかいて寝ていたという。
 午後7時30分頃になって羊子が私と星子をメトロポリタンに連れて行ってくれた。この頃でも外はまだ薄明るい。日本であれば、今は午後5時30分頃には暗くなっている。メトロポリタンとはスポーツジムでもあり、サウナやいろいろなジャグジーがある。プールもあるが今回は入らなかった。以前にもこのメトロポリタンについて記しているが、水着を着て入る。中は男女一緒である。しかし、日本のサウナのように洗い場がない。最後にシャワー室に行き、そこで体を洗い、頭を洗ったりするのである。会員性なので、我々は会員の連れになり、受付の係りの人がパスポートを見ながら入場券を作っていた。一人11ユーロである。1500円くらいなので、日本のサウナ料金と変わらないようである。
 午後10時頃、夕食にする。羊子がカツオの切り身を買ってきて、フライパンで焼いて食べる。こちらではお刺身を食べる習慣がない。野菜サラダ、ハムやチーズ等、必ず食卓に出されるので楽しんで食べている。飲み物はワイン、水、ウォッカの水割り等で、それぞれの好みによって飲むが、私はウォッカにしている。これは2012年に来た時に買い求めたものであるが、もちろん羊子は飲まないのでまだ残っていたのである。久しぶりに楽しんで飲んだ。
 バルセロナ生活が始まった。特に印象深いのは時を知らせる鐘の音である。サグラダ・ファミリアから聞こえてくる。定時は鐘の数と共に、鐘の音が終ると鐘のメロディーが流される。スペインの民謡のような曲である。定時の間にも鐘の音がある。15分は一つ、30分は二つ、45分は三つの鐘がなる。すると1時と1時15分は鐘が一つ鳴るので分らないのではないかと思うだろう。しかし、定時の時は鐘のメロディーが鳴るので15分ではないことが分る。さらに3時と3時45分は鐘の音が三つであるが、3時の時は鐘のメロディーがあるので分るのである。とにかく15分毎に鐘が鳴っており、一日中鐘の音を聞くことになる。日本のお寺の鐘は重々しく響くが、教会の鐘は晴れやかに聞こえる。一日中、心が休む思いである。



当初はこの部屋で仕事をしていたが、後に別の部屋に移る。



スミさんが食事の支度。見つめる犬のキュピ。



羊子がピアノを弾けば、ペルシャネコのカムイが聴いている。



時を知らせるサグラダ・ファミリア