鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記 <91>

 

隠退牧師の徒然記(2011年6月1日〜)<91>
2012年4月30日 「賛美の祈りを唱え」
 

聖書の言葉
夕暮れになったので、弟子たちがイエスのそばに来て言った。「ここは人里離れたところで、もう時間もたちました。群衆を解散させてください。そうすれば自分で村へ食べ物を買いに行くでしょう」。イエスは言われた。「行かせることはない。あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」。弟子たちは言った。「ここにはパン五つと魚二匹しかありません」。イエスは、「それをここに持って来なさい」と言い、群衆に草の上に座るようにお命じになった。そして、五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで讃美の祈りを唱え、パンを裂いて弟子たちにお渡しになった。すべての人が食べて満腹した。
(マタイによる福音書14章13-21節)


 
 4月30日は、29日の「みどりの日」休日が日曜日と重なるので振替休日であった。毎年、前任の大塚平安教会が属する湘北地区では、29日の休日に湘北地区CS生徒大会を開催している。今年は日曜日に重なったので、翌日の振替休日に開催されることになっている。
 CSとはchurch schoolで教会学校の略である。日本基督教団教会学校と称しているが、教会によっては名称を変えているところもある。昔は日曜学校と称したが、その後、教会学校と称するようになった。しかし、この名称に疑義を持つようになる。週日の学校に対して日曜日まで学校に行くとの思いは、敬遠されるのではないかと言うこと。子供たちに神様の御心を教える場であるから学校であるが、単に教えるというのではなく、イエス様の御心をもって子供たちを励ましているのである。まさに牧会なのである。その意味で、「子どもの教会」と称する教会が増えてきた。前任の大塚平安教会でも数年前から名称を変更している。「子どもの教会」であるが、地区や教区の集いでは教会学校なのである。そのため、湘北地区の集いも「CS生徒大会」と称しているのである。
湘北地区において第1回のCS生徒大会が開かれたのは1988年5月5日であった。会場は翠ヶ丘教会で、12教会230名が集う。礼拝をささげ、飯盒炊飯を楽しみ、ゲームで交わりを深める。礼拝のお話しは牧師でなく、大塚平安教会CS教師の高橋玲子さん(現・平安教会、渡辺誉一牧師のお連れ合い)であった。
CS生徒大会は地区教師会が生み出したといえる。その頃から教会学校生徒が減少しつつあり、各個教会の少人数の教会学校を励まし、活性化するために生徒大会の発案となったのであった。その頃、東湘南地区が既に開催しており、湘北地区も開催することにしたのである。第1回を開催するにあたり、当時翠ヶ丘教会の早川規牧師が「CSリバイバル」と題して地区内の皆さんに呼びかけている。「私はここ翠ヶ丘教会に遣わされてもう25年になるが、その間CSに活気があったときには平衡して教会もいきいきしているように思う。CSの先生方が疲れてきたり、新しいファイトがなくなったり、問題をかかえる時は、教会も力が弱る。今度、湘北地区で初めてのCS生徒大会を考えてみようということになった。面白くて、各CSのためになり、先生方の学びの場、交わりの場になればよいと考えている。5月の連休を利用して一日、各教会のCS生徒と教師が集まって、新しいプログラムを持ってみるのはどんなものだろうか。CSを大切に考える教会や信者の皆さんのご支援を望むや切であります」(『湘北地区報』第6号、1988年3月31日発行)。
CS生徒大会の企画運営は教師会が当たったが、各教会のCS教師の代表者が集まり準備するようになった。当時、伊勢原教会の篠原愛義牧師のお連れ合い・節子さんがDCE(キリスト教教育主事)であったことから、中心的に活動され、CS生徒大会を発展させてくれたのである。CS生徒大会は各教会を持ち回りで開催し、会場教会が内容を企画し、準備するようになった。礼拝に続き、ミニ運動会、大きな教会学校、賛美を共に、等の各教会の企画するプログラムを喜びながら毎年の開催となっている。当初の開催日は5月5日であったが、2年後の1990年から4月29日の開催となり、今日に至っている。5日は家族の計画があり、29日は出かける家族は少ないからである。
第2回の開催は大塚平安教会が担当することになった。企画については担当教会に任されているので、教会学校教師会で協議した。その結果、ほとんどの教会学校は少人数の子供達であり、年に一回でも大きな教会学校を経験してもらう、という趣旨で開催することになったのである。ゲームとか交わりの集いが考えられるが、大きな教会学校で共に礼拝をささげ、大勢の分級で知恵を出し合う。そして全体会で発表するという内容にしたのである。その後、大塚平安教会が担当するときには、いつも「大きな教会学校」として開催したのである。
以上のようないきさつであるが、そのCS生徒大会2009年の開催は大塚平安教会が会場であった。地区内から8教会105名が参加している。私としても翌年3月には大塚平安教会を退任するので、思い出深い集いとなった。主題が「旧約聖書出エジプト記から学ぶ」ことであ。私のグループは紅海に行き詰ったとき、モーセが神の力をいただき、海の水を二つに分け、そこを脱出した人々が渡っていく出来事を演じることであった。そのモーセ役を私が担当したのである。あまりにも恐ろしい姿で、小さい子供は驚くかと思ったが、そうでもなかった。ある教会の牧師は、ひっくり返って笑い転げていた。何とも楽しい思い出を残したものである。



2009年のCS生徒大会で礼拝を担当する。



出エジプト記から学ぶ」の主題でモーセ役を演じる。



大勢がイエス様のもとに集まったとき、驚くべき奇跡が示された。そして豊かに養われたのである。CS生徒大会においても大きな奇跡が与えられ、豊かに養われ、それぞれの教会が導かれるであろう、と示されている。
CS生徒大会を立ち上げた当時の牧師は、今はほとんどおられない。早川規先生は召天され、青木勝次牧師、松山幸生牧師そして私は隠退している。篠原愛義牧師とお連れ合いの節子さんは転任されている。しかし、当時から関わっている教会学校の先生たちが今も継続して担ってくれているのである。1988年以来、24年目を迎えているCS生徒大会に豊かな祝福があるよう、お祈りしている。