鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

牧師就任式( 羊が命を受けるために )

 
 今日は大塚平安教会に10月から赴任した菊地丈博牧師の就任式が午後3時から行われました。そのため午前10時15分からの主日礼拝から出席しました。玄関先で咳払いしてから入ると、受付にいた姉妹方が、「姿が見えなくても、先生だと、すぐわかりました」と言ってくださいました。30年もお交わりをしていると、息遣い、臭い、気配までお互いに知り尽くしてしまうので、まさに家族のようなものでした。歓迎されてベンチにつきました。9時半頃には教会に着いたので、礼拝前ではありますが、久しぶりに教会内を徘徊するのでした。もはや、退任したのだからと、思わず手を出したくなることを抑えながら、変わらぬ教会内を見て回るのでありました。再び皆さんと礼拝をささげることができました事を感謝しています。
 さて、午後3時から就任式です。礼拝後から就任式までも、随分と時間があり、教会の皆さんとお話をしたりして過ごしました。「就任式というものは初めてなので、戸惑いつつ準備しています」と何人かの方から聞きました。それもそのはずです。前任の牧師が30年も在任していたのですから。1979年の秋に私の就任式が行われましたが、その時に出席された方は、その後召天されたり、転出されたりしていますので、今では少なくなっておられます。少なくとも30年間は就任式がなかったと思ったのですが、訂正しなければなりません。吉田傳治副牧師、古旗誠副牧師の就任式を行っているのです。ただ、副牧師でありましたので、あまり盛大には行わなかったと思います。今回は主任担任教師の就任式ですから、初めての経験の方が多く、それだけに迎えた牧師への期待が大きいと言えるでしょう。
 かつて私も神奈川教区副議長2年、議長4年を担った時、各教会の主任担任教師就任式司式を行っています。中に就任式後、数年して同じ教会で就任式を行ったこともありました。短い期間の牧師の在任で、教会員は就任式には慣れっこになっているようです。「この前は、こんなふうにしましたよ」と手際よく祝会の準備をされるのでした。いろいろな教会の就任式を経験し、やはり教会の皆さんは、新しく迎えた牧師への期待と祈りをもっておられることを示されていました。
 就任式であり、そのお祝いの集いですから、それなりのおもてなしをもって行います。多くの場合、茶菓程度です。しかし、中にはサンドウィッチやケーキ等を振る舞い、お祝いの集いとしています。ところが、本日の祝会はオードブルが出され、サンドウィッチやお寿司と盛りだくさんのお料理でした。お料理の有名処からの仕出しであるとか。それだけに新しい牧師をお迎えした喜びが伝わってきます。来週は横浜本牧教会の森田裕明牧師の就任式です。今日の菊池丈博牧師の就任式に森田牧師夫妻、そして横浜本牧教会の二人の教会員もお祝いに出席されました。ある意味では視察に来られたとも。お二人の教会員は、私達は来週就任式を行うのですが、このようにするのですか、と驚かれているのです。普通は茶菓程度で良いのですよ、と申し述べておきました。お料理の程度が喜びの表れだと言うとしたら、やはり同じようにせざるを得ないことになります。横浜本牧教会も、森田裕明牧師の就任を心から喜んでいるのですから。祝会の内容に驚かれているお二人の教会員にどのように申し述べて良いのか、言葉が見つかりませんでした。しかし、半年間の代務者として示されていることは、いつも手作りのお料理でいろいろな祝会をされていたことです。それが横浜本牧教会の特色でありました。いつもの通りされたらよいでしょう。
 菊池丈博牧師の就任式を終えたことにより、大塚平安教会は新しい歩みを始められたのであります。歴史を導く神様は、それぞれの時代に生きた神様として、御心を示し、牧者を導きながら群れを養ってくださるでしょう。祝福が豊かにありますようにお祈りしています。
<聖書の言葉>
わたしが来たのは、羊が命を受けるため、しかも豊かに受けるためである。わたしは良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる。
ヨハネによる福音書10章10節〜11節)