鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<356>

隠退牧師の徒然記(2015年2月11日〜)<356>
2015年7月27日「みんなが集まって」


聖書の言葉
神の御心によってキリスト・イエス使徒とされたパウロと兄弟テモテから、コロサイにいる聖なる者たち、キリストに結ばれている忠実な兄弟たちへ。わたしたちの父である神からの恵みと平和が、あなたがたにあるように。
(コロサイの信徒への手紙1章1-2節)


1973年に宮城県古川市にある陸前古川教会に赴任する。しかし、今は古川市はなく、大崎市の一つの町になっている。2006年に古川市を中心に田尻町、三本木町、松山町、鹿島台町岩出山町鳴子町が合併し、大崎市になったのである。今までもいくつか関わりのある教会が、その後新会堂を建設し、昔の佇まいが消えて行くことに対する寂しさを記している。そして、建物ばかりではなく、町自体も変わっているのである。1973年に赴任した頃は、陸前古川駅との名称であったが、1980年からは古川駅に変更され、1982年には新幹線が停まる駅にもなる。従って、我々が在住したのは、1979年までなので、昔の陸前古川駅の時代なのである。しかし、東北自動車道は1976年にインターができたので、随分と利用していた。こうして「陸前古川」の名称は消えて行くのであるが、教会は陸前古川教会として存続している。大塚平安教会も「大塚」との地名が無くなっているのに、教会は昔の地名のままなのである。教会の名称が歴史を証しているようである。
さて、その陸前古川教会には6年半の在任であったが、多くの主にある兄弟姉妹との交わりがあった。単に陸前古川教会ばかりではなく、仙北地区の七つの教会の皆さんとのお交わりがあったからである。陸前古川教会は、教会員としては30名くらいおられるが、礼拝出席は20名前後であった。それは今でも変わらないようだ。陸前古川教会は仙台の北にある。その地域を東北教区宮城分区仙北地区と称した。仙北地区には7教会があった。鳴子教会、陸前古川教会、田尻教会、登米教会、涌谷教会、石巻山城町教会、石巻栄光教会である。いずれも礼拝出席も同じようであった。それぞれが小さな群れであり、年に一度は連合礼拝を開催していたのである。都会なら集まるのも簡単であるが、仙北七つの教会が一堂に会するのは、一日がかりである。例えば鳴子教会が会場になる場合、石巻の皆さんは陸羽西線小牛田駅に来る。そこで陸羽東線に乗り換えるのである。陸前古川教会が会場になる場合、仙北地方の中心でもあり、比較的に集まりやすかったのであった。連合礼拝の時は、各教会の礼拝はお休みとなる。そんな時に限って、新しく出席しようとした人がいたりする。その日は皆さんお弁当をもって連合礼拝に出席するのである。だいたい80名、90名くらいが出席していたようである。いつもは20名くらいなのに、大変な人数である。礼拝をささげた後はそれぞれグループでお弁当を食べる。夕刻前には帰らないと、夜遅くなってしまう。一年に一度であるが、仙北地区の皆さんは、一つの教会のようにお交わりが深まっているのである。だからそれぞれの教会員の消息はいつも心に留めておられたようである。
大塚平安教会は神奈川教区湘北地区にある教会であり、湘北地区も新年合同礼拝、2・11信教の自由を守る合同祈祷会、地区研修会等が開かれていた。地区内の諸教会の皆さんとのお交わりの機会が結構あったと思う。しかし、宮城県時代の仙北地区のお交わりは、一味違うようであった。一つの教会が、それぞれの地に分散し、年に一度、連合礼拝をするという感じなのである。この様なお交わりと共に、仙北地区は牧師家族会という集いがあった。七つの教会の牧師は若手が多く、小学生くらいの子供をもつ牧師夫婦が多かった。そこで毎年、1月の始めに鳴子温泉に集まるのである。温泉でゆっくりくつろぎ、美味しい食事をいただき、翌日は子供たちがスキーやそり遊びを楽しむのであった。私は都会育ちであり、スキーなるものの経験がない。そこで、スキーを楽しもうとすると、連れ合いのスミさんに止められるのである。スキーをして、足でも折ったら、誰が車を運転して帰るのか、ということである。そのため、折角スキー場に来ているのであるが、もっぱら休憩所でストーブにあたっていたのである。
東北は雪国であるが、古川市はあまり降らない。しかし、いつも少量の雪が降っており、道路がぬかるんでいるのである。朝晩は凍結する。そのためスパイクタイヤの走行となる。凍結には抜群の効果がある。しかし、このスパイクタイヤは道路を削るので廃止となるのである。スパイクタイヤでも雪が降ればチェーンを巻いたりしなければならない。チェーンを付けたり、外したり、苦も無く作業ができるようになった。ところが、大塚平安教会に就任し、時には雪が降るのであるが、ほとんどの車がチェーンを付けないで走行する。結局、動きが取れなくなってしまうのである。教会の前の道路は坂道になっていて、降雪時は走れなくなってしまう車が多かった。チェーンの装着を手伝ってあげようと思うが、ほとんどの車はチェーンを持ってないのであった。雪がちらつくと東北の教会を示されている。



陸前古川教会の佇まい。



一年に一度開催される仙北地区連合礼拝。
陸前古川教会が会場になったとき。
右端にいる私の左横が百合子、星子。
前列左から六番目の赤い服が羊子。



毎年、1月に牧師家族会が開かれる。
子供たちが楽しく雪遊びをする。
羊子が百合子をそりに乗せている。そばでみている母親。



子供たちも次第に成長して。
背景の右が牧師館の玄関。