鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<310>

隠退牧師の徒然記(2015年2月11日〜)<310>
2015年3月2日「伝道者が育つとき」


聖書の言葉
一同はこの提案に賛成し、信仰と聖霊に満ちている人ステファノと、ほかにフィリポ、プロコロ、ニカノル、ティモン、パルメナ、アンティオキア出身の改宗者ニコラオを選んで、使徒達の前に立たせた。使徒たちは、祈って彼らの上に手をおいた。
使徒言行録6章3-6節)


 日本基督教団神奈川教区の総会が2月28日に清水ヶ丘教会で開催された。この総会で知人が按手礼を受けるので、その知人は連れ合いのスミさんも良く知っている人でもあり一緒に出席したのである。我が家から京急線六浦駅まで歩いて行ったのである。今のスミさんは歩くのが困難である。昔になってしまったが、大塚平安教会を退任することになり、引っ越しの準備をしている時、脚立から落下し、コンクリートに腰を打ち付けてしまったのである。2010年3月のことである。それからは腰の痛みであまり無理ができなくなってしまう。それまでは自転車で走り回っていたが、腰を打って自転車には乗らなくなる。いずれは乗るからと、今まで大事にしていた自転車であるが、ついに先日廃品引き取り業者に持って行ってもらう。どうせ乗らないのであるから、今までも処分を提案していたが、いずれ乗るからと同意しない。しかし、さすがに決心したようで、処分したのであった。自転車があっても私は乗らない。乗れないのではなく、乗るより歩いたほうが良いと思っているからである。自転車は小学生の頃から乗っていた。まだ小さいので、横乗りと言われる方法で乗っていたものである。その後は余り乗ることもなく過ごしてきたと思う。大塚平安教会在任時代は自転車ではなく自動車で動き周っていたからである。自転車は連れ合いのスミさんの足でもあった。その自転車を処分したので、我が家には自転車なるものはなくなる。自動車があるが、この自動車もいずれ処分することをスミさんと話しているところである。高齢になると、乗物は誰かに乗せてもらわなくてはならなくなるのである。
 我が家から六浦駅まで、私の足では12、3分で歩けるが、スミさんの今の状況で30分を要することになる。歩道に手すりがあれば楽なのであるが、もちろん設置されていない。だから私に捕まって歩くことになる。仲の良い老夫婦と思われるが、何と思われようとこの様に歩くことが無難なのである。それに歩道は起伏が多い。歩道は車道より高くなっているが、車が歩道を超えて入り込むような場所は歩道が傾斜しているのである。それはスミさんにとって歩きにくいのである。いつまでもスミさんの腰の具合を記しているが、それほど無理をしてまでも教区総会に行きたかったのである。
 このブログはスミさんの腰の具合ではなく教区総会の按手礼を報告することである。按手礼というのは、今まで補教師、伝道師であった人が、日本基督教団の教師試験を受け、合格すると教区総会で牧師になることを承認するのである。そして既に牧師である人々がその人の頭に手をおいて祈り、牧師の務めに就かせるのである。それで初めて正教師、牧師と称されるようになる。今回、按手礼を志願したのは4人いるが、そのうち2人は知人である、一人は大塚平安教会時代に神学校で学ぶことを勧めた小林美恵子さんである。彼女は勉強家であり通信教育で大学を卒業している。何かと学ぶ姿勢があり、教会生活も熱心であった。神学校に入るや田園江田教会に出席しながら勉学する。そして卒業と共に上倉田教会の伝道師に就任するのである。そして正教師試験を受験し、秋には合格している。小林美恵子さんが按手礼を志願するにあたり所信表明を行う。そこで伝道者の道を進むことができたのは大塚平安教会の鈴木牧師夫妻が励ましてくださったからであると皆さんに述べられた。その言葉をうれしく受け止めたのであった。按手礼を受けたもう一人は、連れ合いのスミさんの知人のお子さんである。その知人は小石川明星教会の石丸泰樹牧師である。彼のお子さんの石丸泰信さんが按手礼を受け、晴れて牧師になったのである。教区総会では議員以外は二階の傍聴席であるが、石丸牧師のご家族が見守っていたのである。石丸泰樹牧師とは、私が教団書記として担っていたとき、彼は世界宣教幹事であり、共に会議で話し合っていたのであった。連れ合いのスミさんの知人ばかりでなく、私とも知人であった。
 小林さんが所信表明で私達夫婦の名を上げて、経緯をお話ししたが、それは総会議場の皆さんに証しされたことである。それと共に、実は翌日の日曜日は、この清水ヶ丘教会の礼拝説教を担当することになっている。そのため清水ヶ丘教会は入り口付近に大きな字で礼拝案内を掲げ、説教題を示している。説教者が私であることを示しているのである。総会に出席した人々はその大きな看板を見ながら会場に入ったのである。鈴木伸治を多くの人々に示す総会にもなったということである。何の意味もないが、一応記しておこう。



清水ヶ丘教会で開催された神奈川教区総会。



総会議場で所信表明をする小林美恵子さん。



按手礼式の最後に小林さんが代表して祝祷をおこなう。



総会会場、清水ヶ丘教会入り口には翌日の礼拝説教看板が掲げられている。