鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<420>

隠退牧師の徒然記(2016年3月1日〜)<420>
2016年9月7日「はるかにあおぎみる」



聖書の言葉
心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい。わたしの父の家には住む所がたくさんある。もしなければ、あなたがたのために場所を用意しに行くと言ったであろうか。
ヨハネによる福音書14章1-2節)



牧師が今まで牧会していた教会を退任し、どこにも所属しなければ無任所教師と称する。無任所教師になっても、どこの教会にも赴任する予定がなければ、隠退教師になる。だいたいは高齢になったので教会を退任するので、退任と同時に隠退する場合が多い。私の場合は2010年3月に大塚平安教会を退任したが、4月からは横浜本牧教会の代務者に就任する。しかし、それも9月までであり、10月からは無任所教師となったのである。そして翌年の6月には隠退教師になったのである。隠退教師になっても六浦谷間の集会を開き、日曜日には原則として夫婦で礼拝をささげている。時には家族や知人が出席しているが、通常は二人の礼拝なのである。御言葉に向かう歩みは続けているということである。隠退しても御言葉に向かう機会があるが、隠退と共に冠婚葬祭を司ることがなくなるということである。隠退して結婚式の司式はしている。在任中、親しくお交わりした人の希望で結婚式の司式をしたのであった。後は、もう隠退しているので、それらの司式はないと思っていた。ところが、葬儀の司式をすることになったのである。
9月4日に大塚平安教会の教会員である小澤八重子さんが召天された。ご家族のご希望でもあり、葬儀の司式をさせていただくことになった。小澤八重子さんは89歳で召天される。今までは座間市立野台にお住まいであったが、8年前より横須賀市追浜にお住いの娘さん家族と共に過ごすようになっている。私達が隠退して今の家に住むようになるのは6年前である。そして六浦谷間の集会として礼拝をささげたのは2010年11月28日であり、その集会の二回目には小澤八重子さんが出席されたのである。追浜にお住いの小澤八重子さんであり、娘さんに送られて出席するようになる。その頃は83歳であったと思う。集会に出席しては聖書を読み、讃美歌を歌っていたことが思い出される。毎回ではないが、クリスマスやイースターの礼拝には出席され、その時は知人も10人くらいは出席されるので、皆さんとのお交わりが導かれていたのである。2015年のイースター礼拝には出席され、それが最後になっている。だんだん高齢となり、集会出席が困難になって来られたのである。2014年のクリスマスは私達がスペイン・バルセロナに滞在中であり、六浦谷間の集会としてのクリスマスは開けなかった。それで2015年のイースターにはご出席くださったのであった。
今年の8月2日に連れ合いと共に小澤八重子さんをお訪ねしている。娘さんの和子さんが、最近体調が悪いので、ぜひお出でいただきたいと言われたのである。お訪ねしたが、もう私達がわからないような状態になっておられた。お医者さんから家族に合わせるように言われていたので、3人のお子さんたちもおられたのである。おそらく「その日」が近いであろうから、葬儀の司式をお願いしたいと言われていたのである。従って、その日から葬儀の式次第を作り始めていたのである。準備していて良かったと思う。9月4日に召天され、6日には葬儀であったので、準備はできなかったであろう。
小澤八重子さんは大塚平安教会の教会員である。従って、葬儀の司式は、当然大塚平安教会の牧師がすることになっている。しかし、私と小澤八重子さんの関係を御存知のお子さんたちは、私に葬儀の司式を依頼されたのである。小澤八重子さんは1982年に私から洗礼を受けられている。その後、大塚平安教会在任中、いろいろなお交わりが導かれていたのである。小澤八重子さんのお連れ合いが召されたとき、お連れ合いはクリスチャンではないが、小澤さんは私に葬儀を依頼されたのであった。ご夫婦の葬儀を司らせていただくお恵みを与えられた思いである。
小澤八重子さんの信仰の原点は、イエス様の十字架の愛と赦しの信仰であると示されている。それは「証」に記されていることであるが、イエス様の十字架によって、人を愛し、赦すことを導かれていると言われる。葬儀の式辞で、「お父さんもお母さんもキリスト教の葬儀を行いましたが、さあ、お子さんたちはどうしますか」と言ったので、列席者の笑いとなってしまったが、母上の信仰を受け止めて歩むよう、お勧めをしたのである。



2012年12月23日、六浦谷間の集会クリスマス礼拝に出席した小澤八重子さん。



2013年2月24日、六浦谷間の集会に出席し、記名簿に署名する小澤八重子さん。



ご自宅で行われた小澤八重子さんの葬儀。



小澤八重子さんの葬儀式次第。
図柄は小澤さんの作品、押し花。