鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<353>

隠退牧師の徒然記(2015年2月11日〜)<353>
2015年7月21日「その時のことが残されて」


聖書の言葉
なぜならキリストは、まことのものの写しにすぎない、人間の手で造られた聖所にではなく、天そのものに入り、今やわたしたちのために神の御前に現れてくださったからです。
ヘブライ人への手紙9章24節)


このところ写真の整理をしている。現役在任中は、写真といえば写真屋さんがくれる簡易アルバムに入れておくか、ネガと共に袋に入れたままであった。それらは結局、段ボール箱の中に入れておく。およそ在任中は写真の整理をすることはなかった。その在任中、いずれ隠退したら写真の整理でもして過ごそう、とは思っていた。しかし、隠退したものの写真整理を忘れていたのである。何しろ外国生活を四度もしているし、毎年のように外国に出かけている。帰国すればするで外国生活の滞在記をブログに公開している。公開が終わるとブログを整理して冊子にするのである。2011年4月から一ヵ月半、スペイン・バルセロナに赴いた。連れ合いのスミさんと二番目の娘・星子と三人で、ピアノの演奏活動をしている羊子のもとで過ごしたのである。連れ合いのスミさんは、それまでにも二回もバルセロナに赴いているのである。その時にパリに連れて行ってもらったそうであるが、私や星子のために、羊子はやはりパリを訪れ、三大美術館、ルーブルオランジュリー、オルセー美術館を見学させてくれたのである。単にバルセロナ生活ばかりではなく、美術館見学は、ブログの材料が尽きなかった。そして、初めてのバルセロナ滞在記でもあるので、その時は自作であるが20部も発行する。親しくしている皆さんにさし上げている。しかし、2012年9月から二ヶ月、バルセロナに滞在したときも、2013年3月から三ヶ月、マレーシア・クアラルンプールでボランティア牧師として滞在したときも、そして2014年10月から二ヶ月半、バルセロナに滞在したときも、その滞在記はブログで公開したが、冊子としてはそれぞれ一部ずつしか発行していない。たとえ一冊の発行でも時を要する。そんなことをしているので、結局、隠退したら写真の整理をするという課題を忘れてしまっていたのである。
写真を整理することの思いに至ったのは、二番目の娘が、自分の赤ちゃんの頃の写真が少ないと言っていたことが気になっていたのである。そんなことはない、ちゃんと写しているよ、なんて思いながら、段ボールの写真をひっくり返していたのである。確かに赤ちゃんの頃の写真が出てくる。アルバムには幼児の時の写真があるが、赤ちゃんの頃の写真を整理しないまま段ボールに仕舞っていたのである。段ボールの中の写真、かき回して見ているうちに、これは整理しなければと思うようになったのである。今になって子どもたちの成長の記録を見ることになる。羊子は結婚式の時、自分の幼少の頃の写真の幾つかを一枚にまとめ、感謝として両親に贈ってくれた。それと同じように星子の幼少の頃、百合子の幼少の頃の写真の数枚をまとめたのである。三人の幼少の頃の写真は居間に飾っているので、毎日のように目に入ってくる。そして、これまでの家族の歩みである写真を整理しているのであるが、なかなか終わりそうにもない。写真を掘り出すごとに、しばらくは写真に見入っているからである。
写真整理をぼつぼつしているので、写真は家族ばかりではなく、教会、幼稚園、友人関係等の写真も多い。そのため、このところ幼稚園の佇まいについてブログを書いたが、懐かしい写真が出てきたことにもよる。まだ、いくつか記しておきたい写真があるが、もうおしまいにしたのである。写真というものは、その時点を写し、後世まで残されるので、何ともありがたい。私たちが大塚平安教会を退任する時、小室正和さんが在任中の私たちの写真、いろいろな角度から写して残されているものを、それぞれA4の大きさにプリントしてくださり、冊子として贈ってくださった。何ともありがたい贈りものである。A4サイズは見やすく、毎日楽しく見ているのである。それにしてもデジタルが進化し、自分で写真加工ができるので、何とも便利である。
写真を整理しながら示されたことは、子どもたちの成長の過程では、我々夫婦だけの、いわゆるツーショットなる写真がないということである。まったくないというのではなく、数枚はあったが、ほとんどは子どもたちと共に写している。夏休みになれば、必ず家族旅行をしているが、夫婦二人の写真はほとんど見かけないのであった。それに対して、隠退後はほとんどが夫婦の写真である。子どもたちは成長してそれぞれ自分の道を歩んでいるのであり、もはや親とは一緒に生活していないので、写真といえば夫婦だけの写真になることは当然である。この夫婦の写真は段ボールの中にはなく、パソコンのマイピクチャーの中にあるので、整理するには簡単のようである。子どもたちの成長、家族の歩みの写真をアルバムに整理しているが、ついでに夫婦の写真をまとめようかと思っている。ついでどころか本命になったりして…。



宮城県の教会時代。星子の入園式の時。



宮城県の教会時代。間もなく神奈川に転任する頃である。



在任中の写真を冊子にして贈っていただく。



若き時代の懐かしい写真集である。