鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<305>

隠退牧師の徒然記(2015年2月11日〜)<305>
2015年2月19日「祝福と喜びの場である建物」


聖書の言葉
神はまた、すべてのものをキリストの足もとに従わせ、キリストをすべてのものの上にある頭として教会をお与えになりました。教会はキリストの体であり、すべてにおいてすべてを満たしている方の満ちておられる場です。
(エフェソの信徒への手紙1章22-23節)


 日本聖書神学校の卒業生研修会が開かれた。正式には日本聖書神学校同窓会神奈川支部研修会である。研修に先立ち礼拝をささげるので、説教を担当することになったのである。この神奈川教区にも日本聖書神学校の卒業生が、いろいろな教会で牧師として職務を担っている。やはり同窓の友が学びあい、交わりを深めることは、大きな励ましである。ともすると孤立してしまう牧師は、同窓の友と交わり、あらたなる力を与えられるのである。この同窓会は、だいたいは日本基督教団の17教区の中に組織されている。日本基督教団の総会書記をしている頃、5月の教区総会開催時期には教団の四役がそれぞれの教区総会に問安師として派遣されるのである。書記として各教区を訪問したが、そこで同窓の皆さんとお話しし、お交わりしたことである。やはり同窓の友には声をかけたくなるのである。神奈川支部の同窓会が開かれ、この同窓会の礼拝で説教をするのは、多くの場合、隠退教師であるようだ。だから私も2011年2月に開催されたとき、6月に開催されたとき、礼拝の御用をつとめている。2月に御用をつとめ、6月にも要請されたとき、そんなに毎回御用をするのは遠慮したいと伝えたので、以後しばらくは要請がなかった。私がスペインに行ったり、マレーシアに行ったりしていたので、要請を憚ったのであろう。だから、今回の要請にあたり、私が今どこにいるかとの問いであった。日本人だから日本にいますよ、と答えたのであるが。今回久しぶりに要請を受けたとき、スペインでの体験、特にカトリック教会との交わりを含めてお話しするつもりでお受けしたのである。時間があればマレーシア・クアラルンプール日本語キリスト者集会のボランティア牧師の体験もお話ししたかったのであるが、礼拝時間30分ではできない。
 会場の蒔田教会は横浜市営地下鉄の蒔田駅で下車する。この蒔田には大山禰津の神を信仰する宗教の総本山があり、その宗教のイベントがあったりすると大勢の人で混雑する。現役在任中は教区のいろいろな役職を担い、教区事務所が蒔田教会の敷地内にあったので、この蒔田駅を乗り降りする。懐かしい思い出である。2001年まで神奈川教区総会議長を務め、その後は日本基督教団の教師委員会委員、総会書記を担うようになるので、この蒔田駅とは疎遠になる。蒔田駅から蒔田教会まで5、6分であるが、通りの商店、飲食店等、いくつかが変わっていたが、昔ながらの街並みである。蒔田教会は横浜市営地下鉄ができてから便利になったが、それ以前の交通の便は良くなかったと思う。それでも昔から教会には多くの人々が出席していたのであるから、祝福されている教会なのである。高校生の頃は清水ヶ丘教会に出席していたので、蒔田教会の高校生会の皆さんともお交わりがあり、数回は訪問している。その頃の会堂は、今は教育館になっており、その隣に会堂が建てられているのである。
 以上のことは蒔田教会の前に佇みながら昔を思い出していたのである。研修会は午後4時30分からであるが、3時頃には着いてしまう。実は所用があり、東横線の白楽まで行き、用事を済ませたが、研修会に行くには時間が早すぎる。それで横浜駅のダイヤモンド地下街をぶらつくことにする。有隣堂に寄るつもりでいた。ところが有隣堂がないのである。しかし、有隣堂の文具売り場は以前のままなので、いろいろとめずらしい文具を見て回る。結局、好みの便箋を買い求め、戻ろうとする。ふと見ると有隣堂の看板があるではないか。今までの場所とは反対側に引っ越した様だ。さっそく覗いてみる。今までよりも売場が広くなったようであるが、照明の加減かもしれないが、あまり良い雰囲気ではないと思った。いつまでもぶらぶらしていても疲れるので同窓会の会場に向かったのである。だから3時には着いてしまい。礼拝堂のベンチに座ってあれこれ思いを巡らしていたのである。
 どこの教会でも、その前に佇むと、その教会の取り組みが示されて来るようである。スペインでは大きなカトリック教会を見る。どっしりと建てられている教会が多い。しかし、羊子が15年前よりカトリック教会に出席し、ミサの奏楽をしているが、バロキアと言われるその教会は比較的小規模である。それでも日曜日のミサには30、40名の皆さんが集うのである。今回はカトリック教会ばかりではなく、プロテスタントの教会にも行っている。バルセロナにあるバプテスト・アユウダ教会、マドリッドにあるインマヌエル・バプテスト教会である。アユウダ教会には礼拝に出席し、バルセロナ日本語で聖書を読む会の皆さんと共に聖歌を歌ったのであった。マドリッドのインマヌエル教会では集会室を借りてマドリッド日本語で聖書を読む会が開かれたのである。教会がある。そこはいつも祝福と喜びに満たされていると示される。久しぶりに蒔田教会に行き、いろいろと示されたのであった。



バルセロナプロテスタント、アユウダ教会の礼拝。



マドリッドプロテスタント、インマヌエル教会。



羊子がミサの奏楽をしているカトリック、バロキアの教会。



日本基督教団蒔田教会のたたずまい。