鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<51>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<51>
2014年12月28日続き「お昼の美味しい食事をいただきつつ」



 バルセロナにあるプロテスタント教会の礼拝に出席し、ひとまず帰宅したのは午後2時30分頃であった。これからサンタコロマのカルミナさんのお宅に伺うのであるが、夜は9時を過ぎるだろうから、犬達の散歩をしておかなければならない。散歩はイグナシさんが一人で連れて行く。我々夫婦は一休みする必要がある。そんなことで一休みしていると、散歩中のイグナシさんから羊子に電話があり、サグラダ・ファミリアの西側公園でサルダーナが踊られているとのことであった。サルダーナカタルーニャで古くから伝わっている民族舞踊である。その起源は古代ギリシャにさかのぼると言われている。男女が手をつなぎ輪になってステップを踏みつつ踊るのである。フランコ独裁政権のもとでカタルーニャが弾圧されていたときも、民族の団結の象徴として踊り継がれてきたと言われる。過去二回のバルセロナ滞在で、残念ながらこのサルダーナは見学していないのである。それで、先日12月14日の日曜日、市役所と県庁前の広場でサルダーナが踊られているというので、羊子が我々夫婦を連れて行ってくれた。ところが広場は大きな箱庭、イエス様の降誕物語が作られていたのである。従って、サルダーナは毎週日曜日の正午から午後1 時迄行われているのであるが、クリスマス期間は大きな箱庭により踊る場が狭くなっており、クリスマスが終わるまでここでは行われないのである。そんなことでサルダーナを見学する機会は、今回のバルセロナ滞在でもないと思っていた。そのサルダーナサグラダ・ファミリアの西側公園で踊られているというのである。これからサンタコロマに向かうので、出かけられる状態にして西側の公園に行ったのである。
 サルダーナを踊るには音曲が必要である。10人くらいの楽団が民族的な歌を演奏しており、手をつないだ男女の輪がいくつもできていた。皆さんはそれぞれ荷物があり、その荷物は輪の中心に置き、その周りで踊っているようである。男女が手をつなぎ、時々変わったステップを踏み、輪を広げたり、小さくしたり、なかなか楽しそうである。そんなに難しい踊りでもなさそうである。日本では阿波踊りが各地で踊られるようになっているが、阿波踊りもそんなに難しいものではない。勇気があれば、誰でも簡単に踊れるのである。我々夫婦が見物し始めて10分くらいで終わりになり、皆さんはそれぞれ散っていった。我々もサンタコロマに向かうためメトロポリタン前で羊子たちを待つ。そこに車で迎えに来てくれるからである。
 サンタコロマのカルミナさんの家には午後3時頃につく。食事には羊子夫婦、我々夫婦と共にホセ・ルイス神父さん、女性のインマさんとエレナさん(この人はウィック市にある老人ホームの館長である)そしてカルミナさんの8名でいただく。いつもは男性のアルベルトさんがおられ、いつもグループでお交わりをいただいているが、この日はおられなかった。このグループは先日12月23日に羊子の誕生会を自宅で開いたが、皆さんがお祝いに来てくださった。2011年にバルセロナに滞在したとき、皆さんをお招きしての食事は私の誕生会でもあった。その時はエレナさんはおられなかった。2012年にも羊子の家にお出でいただいて食事をしたが、その時もエレナさんは加わっていない。しかし、2011年の滞在の時、カタルーニャ音楽堂で日本の東日本大災害復興支援コンサートが開かれ、羊子がピアノの演奏をしたのであるが、その時にお会いしているのである。お会いしているもののお交わりの機会がなかったということである。今回の滞在でお交わりが深められたということである。食事は前菜として美味しいハムの巻物、チーズや珍しい食べ物をいただく。こちらの食事にも慣れてきているが、前菜で美味しいからとたくさん食べないことである。本菜が出てくるのである。牛肉の煮込み、果物と共に煮込んだ牛肉等、目の欲が先になり、ついたくさんお皿に取ってしまうのであるが、食べ終わるまで苦労しなければならない。さらにお腹に隙間を残しておかなければならないのである。日本でも別腹で食べると言われるが、必ずデザートが出る。食事中、おいしいからとワインをたくさん飲まないことだ。デザートと共にカヴァ(スペインではシャンパンのことを言う)を飲まなければならないからである。飲んでしまえば、すぐに足して注がれる。だから注がれても、ゆっくり飲まなければならないのである。食事の仕方、飲み物の飲み方、体験的に知ったということである。あまり食べたり、飲んだりすると次の予定に影響することも考えている。ところで食事の席で、ホセ・ルイス神父さんが、25日にホセ・ルイスさんのカトリック教会のクリスマス・ミサにおいて、私もミサを担当し、奨励を行ったのであるが、それが皆さんに喜ばれたことをお話しくださる。いつもの会衆は余り聞いていないのに、私の奨励は熱心に聞いていたというのである。もちろんもちあげてお話しくださっているのであるが。良い評価をいだたいたと思っている。
さて、午後6時から開催される「詩を読む会」に出席するのであるが、食事が終わり、カルチャーセンターのグループの皆さんは先に会場に向かう。我々は少し時間があるので、ソファーに腰かけ、休んでいたのである。少し仮眠したようだ。5時30分頃に会場のカルチャーセンターに赴いた。カルミナさんの家からカルチャーセンター迄15分くらいだろうか。



サルダーナを踊り、楽しむみなさん。



サルダーナを踊るには音曲が必要であり、演奏する楽団の皆さん。



カルミナさんのお宅でおいしい食事をいただく。



樹木に赤い帯の様なものを結んでいる。新年のしるしとか。