鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<49>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<49>
2014年12月27日「美味しいクリスマス」



 今回バルセロナに滞在している目的は羊子の結婚式であるが、もう一つスペインのクリスマスを体験したいからである。その体験は果たされており、この人生に潤いを与えられている思いである。社会全体がクリスマスに向かう姿、人々のミサに向かう姿勢を示されたが、私自身がミサを担当する体験までして、感動という他はない。そして、クリスマスの体験として報告しなければならないことは、クリスマスの食べ物である。日本ではクリスマスと言えば、せいぜいクリスマスケーキを食べることである。七面鳥を食べる習慣はアメリカであり、同じように食べる人もあるが日本人には馴染まないようである。その代わり日本にはみんなが共通して食べるものがある。それはお正月の「おせち料理」である。だいたいの日本人はお正月において「おせち料理」を食べるのである。こちらスペインではクリスマスに食べなければならない料理があることについては今までも触れてきた。
 クリスマスのお祝いの食事としてエスクデージャという食べ物をいただく。鶏肉や豚肉そして野菜を煮込んで出汁を作る。その出汁、スープに貝殻状の茹でたマカロニを入れて食べるのである。このマカロニはとても大きく、日本のように小さな貝殻状ではない。これがクリスマスに食べなければならないものなのである。とても美味しい料理である。そして26日はスープを取った具材を春巻きの様にして食べるのである。これはカネロネと言われる。オーブンで調理されたカネロネが豪快にお皿に盛られる。本当に春巻きの形である。しかし、中身は具材を細かくしており、なんであるかわからないが、いろいろな味がする。一見淡白そうであるが、これが可成り味の濃いものであった。美味しいことは確かである。エスクデージャ、カネロネは、だいたいはどこの家でもクリスマスの食べ物になっている。そしてクリスマスに食べるお菓子がある。いくつかの種類が並べられていた。練上になったお菓子が目立つ。日本では東北地方に「ユベシ」とお菓子があるが、似たようなものである。そしてナッツ入りのチョコレートもその一つである。ボルボローンというお菓子があり、包みごと握りしめて食べるのだという。そうでないとぼろぼろとこぼれてしまうからだという。
 羊子の家では24日の夕食にエスクデージャを作って食べ、カネロネは26日にマルガさんの家でご馳走になっている。羊子の家でもクリスマスのご馳走が出る。24日の夕食にはエスクデージャと共にエビを炒ったもの、タコの料理が出る。タコは何とも柔らかく、木綿豆腐くらい柔らかいのである。そんな美味しいクリスマスのご馳走をいただいたのであった。25日は親しくしているホセ・ルイス神父さんの教会のクリスマス・ミサに出席し、求められて私もミサを担当する。そのミサにはバルセロナ日本語で聖書を読む会に出席しているH・美沙さんが出席されていた。羊子が声をかけておいたようである。ミサが終わったのは午後1時30分頃であり、これから昼食の時間になるので、美沙さんをお誘いして自宅で昼食をいただいたのである。昨日の美味しい食べ物が充分あったから、一緒に食べていただく。そして25日の夕食は、これまたご馳走であった。鳥のオーブンによる丸焼きである。食べる前に丸焼きを見せられた連れ合いのスミさんは食欲がなくなったという。でも丸焼きを砕けば鳥であることが分らなくなる。スミさんもおいしくいただいたのであった。
 26日はお昼にマルガさんの家に招かれてカネロネをいただいたので、それがいつまでもお腹に残っており、あまり食欲もなかったが、それでも夜の10時30分頃になって簡単なものをいただく。野菜とかハムやチーズ程度にしておく。スミさんは胸やけがするというので食事をしなかった。カネロネはまさにボリュームがあり、いつまでもお腹に残るのである。27日の朝食はいつものようにご飯と味噌汁であり、お腹の方も落ち着いてくる。そして昼食はまだクリスマスのお料理が残っているので、大切な食べ物であり、味わいながらいただく。夕食もクリスマスの美味しい食べ物の続きである。これでクリスマスの美味しい食べ物は終わりになる。あまり運動もしないのでクリスマス太りということになっているようである。そのためもあり、今日は一人でサグラダ・ファミリアの外周を歩く。特に「聖誕の門」側からの写真を撮りたかったのである。犬の散歩中や連れ合いのスミさんとの散歩中はゆっくりとスポットが決められないので、今回は一人で出掛けたのであった。相変わらず大勢の人が見学に訪れていた。今の時期は「聖誕の門」側は夜のライトアップが行われているので、夜、犬の散歩をしながらライトアップのサグラダ・ファミリアを写真に収めることができ喜んでいる。



木綿豆腐くらい柔らかいタコの料理。



鳥のオーブン丸焼き。



サグラダ・ファミリア聖誕の門。



池に写っているサグラダ・ファミリア