鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<39>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<39>
2014年12月9日「青少年オーケストラと共に」



 今日の夜は青少年オーケストラによるチャリティーコンサートが開催される。羊子は、フルート奏者とオーケストラと共演する。コンサートは夜8時に開催されるので、日中はいろいろなことで過ごすことになる。日中は二つの経験をすることになる。羊子と共にスーパーマーケットのカプラボに行く。いつもこの店に来ては必需品を買い求めていることは今までも報告している通りである。そこで面白い体験をする。日本では野菜にしても食材関係はパックにして売られている。パックにしてなくて数量で買うことになっている。ところがこちらでは計り売りというものがあった。たとえばトマト売り場には番号札があり、いくつか自分で必要な数量を袋に入れ秤に乗せる。秤にはいろいろな番号札の絵があり、トマトの番号と絵を押すと値段が印字されて出てくるのである。その印字された値段を袋につけてレジで精算するのである。日本でもこのような売り方があるかもしれないが、今までの経験では、このような買い方はない。トマト一個でも買うことができるのである。
 カプラボで買い物をした後は文房具屋さんに行く。羊子の後をついて行ったのは、羊子が文房具屋さんに行くというのでついて行ったのであり、カプラボは細かいお金が必要であったからである。文房具屋さんでコピーを使うからである。私は昔から文房具を見て歩くのに興味を示している。用事で横浜駅周辺に行ったりすると、多くの場合、有隣堂には寄るものだ。それも書籍売場ではなく文房具売り場である。いろいろ文房具を見て回り、新しい文具を見つけたりすると買求めるのであった。便利な文具が出てくるものである。以前、知り合いの女性牧師が大塚平安教会に来られた。事務的なことである。最後に印鑑を押すことになったとき、ゴムの下敷きを出して印を押したのである。そしたら、そのゴムの下敷きに目を丸くして感心するのである。私としてはゴムの下敷きくらいで驚いているこの女性牧師に驚いたのであった。「たまには文房具屋さんに寄りなさいよ」と思わず言ったものである。
羊子は楽譜のコピーをするために文房具屋さんに寄ったのである。この店も羊子の家からは比較的近いところにある。羊子が持っているパソコンの印刷機が悪く、今はスキャンがうまくいかないので、楽譜等は文房具屋さんでコピーしているのだという。羊子がコピーしている間、店内を見て回る。同じ文房具でも、国によっては形が異なり、面白いものがあるものだ。消しゴムにしても三角のものがある。三角の方が使いやすいのかもしれない。パイロットのボールペンが置かれていたり、ドイツ製の鉛筆も売られていた。鉛筆削りは二種類の削り場所がある。太いのと細いものが削れるのである。ところ変われば品変わりで、いろいろな面白い発想の文房具が置かれていた。2015年の手帳やダイヤリーが売られているのはどこの国でも同じである。ところでコピー代は、一枚は日本円で13円というから、日本の相場と同じようではないかと思う。2013年にはマレーシア・クアラルンプール日本語キリスト者集会のボランティア牧師として三ヶ月間赴く。その時、一度だけ文房具屋さんに行ったことがある。連れ合いのスミさんが、集会が発行している記念誌に皆さんの証しが掲載されているのでコピーしたいのである。ここではコピー代はとても安いと思った。しかし、店内はうす暗く、文房具でも興味を示すものはない。むしろ紙類ばかりが置かれていたようである。
さて、青少年オーケストラは午後8時からであるが、午後6時過ぎには家を出る。途中インマさんを乗せる。インマさんはカスタネット奏者で、2012にバルセロナに訪れたとき、羊子と親しいホアキンさんの誕生祝があり、その時インマさんがカスタネット演奏をしたのである。日本の子ども達が器楽合奏カスタネットを使うが、それくらいの理解しかなかった。ところが本場のカスタネットは今までの理解を覆したのである。そのインマさんは交通事故に遭い、しばらく入院していたが、つい最近退院したばかりである。家で療養されているので羊子が誘ったのであった。コンサート会場は美術館で開かれた。広い、大きなコンサート会場である。最初に羊子のお弟子さんのフアン・パブロさんがピアノの演奏を行う。次にフルートの演奏をフランチェスカさんが羊子のピアノ伴奏で演奏する。そして、いよいよ青少年オーケストラの出番である。小学校低学年の子供もヴァイオリンを演奏していた。管弦楽器と共に混声合唱団も参加している。羊子はこのオーケストラとホアキン・トゥリーナのピアノコンチェルト、メサイヤからハレルヤを共演したのである。青少年ながらかなり難しい曲を演奏していたようである。混成合唱は「第九」、「ハレルヤコーラス」等である。
こうしてコンサートが終わったが、その後は軽食が用意されており、入場された皆さんはほとんど残り、歓談しながら飲み物をいただき、軽食を食べていた。青少年オーケストラは100人いたのかもしれない。その親たち、おじいちゃんやおばあちゃんたち、知り合いの皆さんが子ども達を激励するために入場したのである。入場料が7000円もしたって何のそのである。青少年の祝福の育成のために、このコンサートは良い企画である。毎年クリスマスの時期にこのチャリティーコンサートは開催され、様々な団体を支援している。



スーパーで計り売りを体験する。



羊子が文房具屋さんで楽譜をコピーする。



会場で始まりを待つスミさんとインマさん。



青少年オーケストラと共演する羊子。