鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<40>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<40>
2014年12月14日「待降節第三日曜日」



 とうとう風邪を引いてしまった。10日あたりから熱があるような状況であり、それでも横になったり、パソコンに向かったりして過ごす。11日にはバルセロナ日本語で聖書を読む会が開かれたのであるが、出席できなかった。今回も下山由紀子さんの家で開かれたのである。実は集会に出席される方の中に、猫アレルギーの方がおられるので、羊子の家では集会が開けないのである。その方がご欠席であるならば羊子の家で開催されるはずであった。しかし、私が風邪を引いているので、下山さんのお宅での開催は感謝である。今回はミュンヘンで宣教をされている安藤牧師をお迎えしての集会である。そして、毎年12月の集会は皆さんが一品持ち寄りで食事をする。お楽しみが深まるのであった。その集会には出席できなかったので、とても残念な思いであった。この集会は月に一回の開催なので、1月の集会には帰国してしまうので、しばらくは参与できないのである。
 12日、13日も風邪で休んでいた。13日は羊子がピアノを教えているお医者さんの家での個人的なコンサートが開かれたのである。お医者さんは眼科医で、世界的にも有名であると言われる。そのお医者さんのお子さんたちが羊子からピアノのレッスンを受けているのである。毎年12月になると個人的なクリスマスコンサートを開催されていると言われる。家も大きな家なので、かなりの人達をお招きしてのコンサートとなる。その後は美味しいご馳走を食べるのである。この集いにも私は風邪で横になっていたので行かれなかった。日本からこちらに来るとき、風邪薬のPLを持参しているので服用しているが、羊子も風邪薬を出してくれた。他の薬と併用しても良いそうである。こちらの丸薬が大きいのには驚く。薬を飲みつつ過ごすうちにも汗が出るようになり、熱が下がってきたようである。
 14日は体調も良くなったと思う。今日は日曜日、待降節第三主日である。羊子とスミさんは午前9時からのサグラダ・ファミリアのミサに出かけて行く。二人が帰宅して10時30分頃から六浦谷間の集会バルセロナ礼拝を行う。聖書日課はこの時期になるとバプテスマのヨハネの登場となる。教団の聖書日課はゼファニヤ書3章16-20節、ルカによる福音書1章5-25節である。「時が来れば実現する神様の言葉」を示されたのである。救いの到来を示しているのであるが、主イエス・キリストの出現、クリスマスが実現した神様の言葉なのである。この礼拝ではいつも今までに関わった教会をお祈りしている。大塚平安教会、横浜本牧教会、横須賀上町教会、三崎教会である。日本にいるときは、「時を同じく礼拝をささげているこれらの教会に祝福を与えてください」と祈っているのであるが、バルセロナは日本に対して8時間遅れである。従って、「既に礼拝をささげたこれらの教会」をお祈りしているのである。
 さて、今日は市役所と県庁前で、カタルーニャで古くから伝えられているサルダーナの踊りを見に行くことにした。毎週日曜日の正午から午後1時頃まで行われると言われる。男女が手をつなぎ輪になって踊るのだという。昔のフランコ独裁時代も行われていたという。しかし、その広場に行ったがこの日は行われなかった。広場の半分近くがイエス・キリストの物語が箱庭として造られていたからで、サルダーナを踊るには場所が狭くなっているのである。だからおそらくクリスマス中は行われないのかもしれない。ヨセフさんとマリアさんの前に幼子イエス様が置かれており、東の国から三人の王様が船でやってきている。周りの山々には動物たちが草を食んでいる。また働いている人もいる。見学している人も船からという設定になっている。日本におけるクリスマス物語とは設定が異なるが、重みのある箱庭の設定であると思った。
それで私とイグナシさんは骨董品市場に行く。かつてその広場で羊子がピアノの演奏をしている。いろいろな骨董品が売られていたが、コイン、紙幣、切手等の骨董品が出品されている。日本の太平洋戦争時代の紙幣も売られていた。スミさんと羊子は他の場所を見て回っていたが、カテドラルの前の広場で合流する。この広場でもサグラダ・ファミリア西側の公園に出ているような屋台が並んでいた。日曜日でもあり、家族連れで大勢の人々で賑わっていた。街を歩いていると店先にクリスマスツリーが置かれているが、飾りつけはなく、何かが書かれている紙がつけられている。これは日本の七夕飾りに願い事を書いて付けるように、ツリーに願い事を書いて付けているのだという。
 やはりクリスマスなので催しが多い。二三日前もサグラダ・ファミリアの前でヒガンテス(日本の案山子の様な大きな人形)の踊りがあったが、羊子に見学を勧められたが風邪が完治してないこともあり行かなかった。ヒガンテスについては2011年にバルセロナに来た時にも、2012年に来た時にも経験している。2012年の時にはその中身まで見せてもらい、仕組みを知ることができた。サルダーナ、ヒガンテス、人間の塔等、いろいろな伝統を喜びながら、人々の現実があることを示されている。



県庁前、市役所前の広場に飾られたクリスマスツリー。



広場に作られているクリスマス物語の箱庭。



バルセロナ・カテドラル前の賑わう広場。



クリスマスツリーに願い事を書いた紙をつける。