鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<7>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<7>
2014年10月26日「信仰の交わり」



 昨夜は午前2時頃の就寝であったが、今朝は8時頃には起きている。しかし、昨日までは8時ということであるが、今日の時間は7時なのである。26日からはサマータイムが終わり、1時間早めなければならないのである。7時30分頃に目が覚めたが明るくなっていた。しかし、この時間は6時30分ということになるのである。今までは日本に対して7時間遅れであったが、これからは8時間遅れということになる。日本でも昔はサマータイム制を設けていたと思う。それが統一されて、一年間時間調整をしなくても良いことになった。1時間早めることにより、今までは朝の食事は10時頃であったが、9時頃に朝の食事となる。しかし、昼食は今まで2時頃であり、早めると1時になってしまうので、時間調整しても2時頃である。つまり昼食の時間を遅くしたわけである。夕食も今までは10時であり、同じく10時頃にしているので、今までに対して遅い食事となる。
 さて今日は日曜日である。礼拝をささげる日であり、今日は二つのカトリック教会のミサに出席することにした。まず午前9時からサグラダ・ファミリアのミサが行われる。羊子と共にミサに臨む。羊子は9時からのミサの奏楽を担当している。ミサは何回も行われるが、羊子はこの時間の担当なのである。昨日、結婚式を挙げたばかりなのに、ミサの奏楽に赴いたので、教会の人たちから、今日くらいは休んでも良いのにと言われたそうだ。ミサはスペイン語とカタラン語を交えて行われたということである。我々は何をしているのかわからない。しかし、羊子が、今は「主の祈」を唱えていると教えてくれるのである。カトリック教会では必ず聖餐式が行われる。我々もこの聖餐に与ったのである。そして、聖餐式の時には左右、前後の人々と祝福の挨拶を行うことになっている。日本基督教団でも最近はこのような祝福の挨拶を行う教会があるが、あまりされてはいない。互いに祝福をかわしあうこと、大切なことである。そして、終わりの祝祷の時となるが、この祝福を私にも求められたのである。ミサの司式は昨日の結婚式を挙げたルイス・ホゲ神父さんであり、私がこのミサに出席したので祝祷を求めたのであった。祝祷後に、今日初めて出席した人は前に進むように促す。すると3、40名もの皆さんが前に出る。神父さんは前に出た人たちに、どこから来たか聞いている。ドイツ、フランス、マレーシア、コロンビア等もいろいろな国々の人々であった。観光でサグラダ・ファミリアを見学に来たが、今日は日曜日なのでミサが行われることを知り、そして出席したのである。神父さんは初めての来会者、諸国の人々の頭に手をおいて祝福を与えている、私にもするように促しているので、スーツ姿であるが、皆さんに祝福のお祈りをしたのであった。カトリック教会において祝祷を行う、この信仰のお交わりを心から感謝する。
 結婚式の時は、もちろん時間がなく気がつかなかったが、この小礼拝堂内の前方横にはガウディのお墓がある。墓と言うよりまつられている。案内書にも記されており、この機会にお墓の前に佇むことができて幸いである。一般見学者は見ることはできない。ミサに出席した者が佇むことができるのである。ミサは誰でも出席できるので、ガウディの墓の前に立つためにミサに出席することである。
 カトリック教会のミサは聖餐式が行われても40分くらいで終了する。それに対してプロテスタントの教会は、聖餐式が行われれば1時間30分もかかる場合がある。この時間の違いは説教によるのである。カトリック教会の場合は10分から15分くらいである。それに対してプロテスタントは30分が相場で、長くて4、50分も説教をするのである。本当にプロテスタントの牧師は長い説教をしすぎるのではないか、と思うのである。ミサが終わり帰宅したのは10時30分頃であった。ミサが終わってから、羊子がいろいろな人から結婚のお祝の言葉をいただいていたからである。帰宅して間もなく、11時40分頃には再びミサに出かける。今度は羊子が以前から奏楽をしているパロキアのミサである。バロキアは一般の教会の意味である。少し大きくなるとイグレシアという。さらに大きな教会はバシリカと言い、サグラダ・ファミリアが相当する。そしてカテドラルである。バルセロナの旧市街にカテドラルがあり、大きな街にはカテドラルがある。カテドラルの総本山がモンセラットということであるという。羊子は一般的なバロキアとバシリカサグラダ・ファミリアのミサの奏楽をしているのである。バロキアのミサは12時からであった。こちらも40分くらいのミサの時間であった。こちらではミサが終わってから、神父さんや皆さんに挨拶をしたが、祝祷をするということはない。
 バロキアのミサにはマルケスさんも出席されていた。マルケスさんとは2011年、2012年に来た時にも親しくお交わりをしている。羊子が以前から親しくさせていただいている。そのマルケスさんと食事をすることになる。マルケスさんの家の近くに日本料理店があるというので、その店で食事をすることにした。「UKAI」と言う店で、「鵜飼」の事だろうと思う。日本料理店なので、刺身、寿司、てんぷら、枝豆等がある。いろいろと異なるものを注文し、みんなで分け合っていただく。枝豆は、日本では塩ゆで程度であるが、こちらでは味付けがしてあった。鳥のてりやき、牛肉のアスパラ焼き、焼きそば等を注文したが、日本料理と言いつつも、やはり西洋料理的になっている。それでも久しぶりにお寿司やお刺身、てんぷら等をいただく。羊子やイグナシ夫婦も昨日の結婚式の疲れがあり、休息の食事になったようである。今日もまた、良い経験をした一日であった。



サグラダ・ファミリアのミサ。
聖餐をいただく会衆。



羊子がミサの奏楽を担当している。



求められてミサの終わりに祝祷をする。



パロキアのミサに出席。
ここでも羊子が奏楽を担当。