鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

バルセロナ滞在記「聖誕の門を仰ぎ見つつ」<8>

バルセロナ滞在記(2014年10月21日〜)<8>
2014年10月27日「再び訪れて…」



 羊子の結婚式なので、二番目の娘、星子も我々夫婦と共に一緒にバルセロナに来る。三番目の子供、優も姉の結婚式であり、一緒に来たかったのであるが、いろいろな動物もいることだし、また二ヶ月半も留守にする六浦の家の管理もしなければならないので来ないことにしたのである。私とスミさんは長く滞在するが、星子は29日には帰国する。彼女は高齢者介護の仕事をしているが、会社の方でも10日間のお休みを理解してくれている。昨年11月に羊子が帰国して各地でコンサートを開いたとき、星子の職場でもある高齢者ホームでもコンサートを開いたのである。その意味でも所長さんは羊子を知っており、星子の長いお休みを理解してくれたのである。
星子は折角来たのであるから、どこかの観光をして帰りたいのである。もっとも星子も、私と連れ合いのスミさんが2011年4月から一ヶ月半、このバルセロナに滞在したとき一緒であった。だから、そのとき観光をしているのである。今日はサン・パウ病院グエル公園に出かけたが、既に訪れているところであるが、再び訪れることになる。羊子は用事があって行かれないので、イグナシさんに行くときは車で送ってもらう。帰りはタクシーで帰ってくることにしたのである。まず、サン・パウ病院の前のホテルに片平さんと娘さんが宿泊しているので挨拶するために寄る。この日に帰国されるからである。羊子の結婚式のために、わざわざ日本からお出でくださったことに心から感謝する。羊子は宮森さん夫婦が帰るので、そちらに挨拶に行ったのである。宮森さん夫婦はバルセロナ勤務であったが、今はアメリカの勤務となり、そちらからわざわざおいでくださったのである。ご夫妻とはバルセロナ日本語で聖書を読む会でお交わりいただいていたのである。2012年に私達が訪れたとき、お交わりいただいている。
 2011年にバルセロナに来た時、星子と共にサン・パウ病院を見学するために家から歩いて出かける。しかし、そのときは工事中であり、正面は覆われていた。その意味でも、再び訪れて見学したかったのである。正面には日本人も結構訪れており、写真を写しているうちにも、あちらこちらで日本語が聞こえてくる。正面だけの見学とし、その後はグエル公園に行く。サン・パウ病院からグエル公園に車で送ってくれたイグナシさんは、仕事があるので帰っていく。チケット売り場は大勢の人が並んでいた。グエル公園は入園料を徴収するようになったのは最近である。それまでは無料であった。これだけの観光拠点を無料にしておくのは、やはりもったいないと思っていた。維持管理のためにも有料とすることは納得がいくのである。チケットは羊子がネットで購入してくれていたので、並ばなくてもすぐに入ることができた。入園料は、一般は7ユーロであるが、65歳以上は4.90ユーロである。日本でも同じであるが、高齢者の特典をここでも得ているのである。グエル公園はガウディが造った公園であり、未完成で終わったということである。公園と称しているが、ここに住宅地を造る構想であった。しかし、住宅地は売れず、構想で終わってしまったのである。しかし、それが今では観光地になっているのであるから、バルセロナにとってもありがたい話である。久しぶりにタイルのベンチやトカゲを見る。2011年に訪れて、これらのものを見学したとき、結構心を動かされたものである。今回は二回目もあり、それほど感動というものはない。それでも有料になっての見学であり、異なった思いで見学したと思う。公園内にある喫茶店で私は水を星子はコーヒーを飲む。どこかで触れていると思うが、こちらでは水は有料なのである。日本では食べ物処に入れば、お冷の水が出される。有料なんてことはない。いくらでもお変わりできるのである。その様な生活習慣であるので、水を買うことには不思議な思いである。
 グエル公園はかなり高いところにあり、一望とは言えないがバルセロナ市街を眺めることができる。この高台からなだらかに傾斜してバルセロナ市街を通ることになり、地中海に達するのである。しかし、なだらかな傾斜はバルセロナ市街地ではわからない。サグラダ・ファミリアあたりからグエル公園方面は明らかに傾斜していることは分かる。サン・パウ病院に歩いて行ったとき、この緩やかな傾斜の道を上っていくが、それほど感じない。しかし、サン・パウ病院からは急坂になり、車でもきついのではないかと思われる道がある。バルセロナで人に道を教える場合、山側か海側かで説明するのが常だというのである。山と海に挟まれているバルセロナなのである。星子と共に懐かしい場所、サン・パウ病院グエル公園を訪れることができ喜んでいる。羊子がタクシーに乗った場合、降りる場所を書いたメモを作ってくれた。タクシーに乗って、そのメモを見せると、すぐに「バレ、バレ」と言って目的の場所に乗せてくれた。「バレ」とは「了解」、「分った」と言う意味である。



サン・パウ病院の前で。この時の他の見学者は日本人であった。



グエル公園は高台にあり、バルセロナ市街が一望できる。
左の方にサグラダ・ファミリア、中央にはツインタワーが見える。
その向こうは地中海である。



グエル公園の中央広場で。



グエル公園のシンボルである「トカゲ」の前で記念写真。