隠退牧師の徒然記＜２５４＞

隠退牧師の徒然記（2013年7月20日〜）＜２５４＞
2014年5月21日「この務めを委ねられ」

聖書の言葉
こういうわけで、わたしたちは、憐れみを受けたものとしてこの務めを委ねられているのですから、落胆しません。
（コリントの信徒への手紙＜二＞4章1節）

「神の庭・サンフォーレを支える会」が「開設15年記念号」を発行した。「神の庭・サンフォーレを支える会」が発足するのは1998年であり、15周年は2013年であり、この年に発行することにしていたが、原稿のチェックや校正等を大事にしていたため、結局ずれ込み、2014年4月20日の発行になったのである。当初は「開設10年記念号」として発行することにしていたが、いくつかの事情が重なり、発行を見送っていたのである。
「神の庭・サンフォーレ」の設立についてはこれまでも折に触れ記している。設立の経過は、今回は割愛するが、「神の庭・サンフォーレを支える会」と私との関わりについてを記しておきたいのである。設立について繰り返しを避けながら、しかしここでもいくつかを触れておき、開設15年の意義を示されたいのである。「開設15年記念号」には、設立の初期からかかわっているので、協力委員会委員長としての私が、「『神の庭・サンフォーレ』を支える会15年の歩み」と題してこれまでの歩みを記している。現在の委員会で、設立当初からかかわっているのは、私の他にいないからである。1998年に「神の庭・サンフォーレを支える会」が発足したとき、会長には今橋朗先生（蒔田教会牧師）にご就任いただいた。だから今橋先生に原稿を書いていただきたかったのであるが、先生はお体を損ねておられ、そのため会長を退かれたので、私が先生の後任となったのである。原稿をお願いするのは無理なことであり、私の責任としたのであった。
神奈川教区内に高齢者施設を建設する計画を立ち上げたのは1994年である。その頃、私は神奈川教区宣教部委員長であり、「神奈川教区の宣教を考える会」を開催したとき、今後の教区の取り組みとして、「高齢者支援」を決議したのである。そして、その具体的な取り組みが高齢者施設、キリスト教シニアホームの建設であった。そのため、教区に「老人施設プロジェクト委員会」を立ち上げる。その頃の私は神奈川教区副議長、議長の時代なのである。教区内に高齢者施設を建設することは、教区としては取り組めないと理解し、株式会社サンフォーレと協力して有志の取り組みとしたのであった。そして、ついに1998年に「神の庭・サンフォーレを支える会」が発足したのである。発足したとき、私は神奈川教区議長として祝辞を述べている。その後は今橋朗会長を中心にしての歩みであるが、私は神奈川教区の議長を退任するや、日本基督教団教師委員会委員に選任されるのである。日本基督教団であるから教師委員として関西にも行き来しながら職務を担う。教師委員は一期2年であり、二期目に差し掛かろうとしている時、日本基督教団の総会書記に選任されるのである。それが2002年のことである。いわゆる日本基督教団三役の一人であり、諸会議等で日本全国を飛び回ることになる。教団を代表して韓国での会議にも参加している。毎年5月には教団17教区が総会を開催する。その総会に教団の議長、副議長、書記そして総幹事が分担してそれぞれの教区を訪問するのである。そのため北海道から九州の各地を訪問していた。沖縄には教区総会以外の用向きで三役が訪れている。
日本基督教団の総会書記在任中は、「神の庭・サンフォーレを支える会」の協力委員を担いつつも、ほとんど協力できなかった。委員会出席もままならず、多くの場合欠席であった。いつも教団の会議と重なっていたからである。そして2010年10月の日本基督教団総会にて四期8年務めた総会書記を退任したのである。「神の庭・サンフォーレを支える会」会長の今橋朗先生からはご病気のゆえに退任の申し出をいただいていた。委員会で協議した結果、もはや教区・教団から退き、無任所教師になった私を協力委員会委員長に選任したのであった。それが2011年のことである。この選任はなるべくしてなったとの思いである。神奈川教区内にキリスト教シニアホームを建設することに火をつけたのは私なのであり、結局は有志の取り組みになったが、今でも初期の目的を果たしながら歩んでいる「神の庭・サンフォーレを支える会」にかかわるようになった、当然のことなのである。
1994年にキリスト教シニアホームの計画を立ち上げたとき、私はまだ50代であった。高齢者を支えましょうと言ってきたが、気が付いてみると、今は自分が「支えられる」立場になっているのである。しかし、まだまだ「支える」ことが出来ることを感謝することにしよう。

発行された「神の庭・サンフォーレを支える会」開設15年記念号。

秦野にある「神の庭・サンフォーレ」のたたずまい。