鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<241>

隠退牧師の徒然記(2013年7月20日〜)<241>
2014年4月6日「話し相手はここにいて」



聖書の言葉
四十日たって、ノアは自分が造った箱舟の窓を開き、烏を放した。烏は飛び立ったが、地上の水が乾くのを待って、出たり入ったりした。ノアは鳩を彼のもとから放して、地の面から水がひいたかどうかを確かめようとした。しかし、鳩は止まる所が見つからなかったので、箱舟のノアのもとに帰ってきた。更に七日待って、彼は再び鳩を箱舟から放した。鳩は夕方になってノアのもとに帰ってきた。見よ、鳩はくちばしにオリーブの葉をくわえていた。彼は更に七日待って、鳩を放した。鳩はもはやノアのもとに帰って来なかった。
(創世記8章6-12節)




いつも散歩していると、いろいろな動物と出会うことになる。中でも多いのは犬達である。飼い主と共に散歩しているということである。しかし、犬と共に歩いている人の多いこと、本当に多い。中には小さい犬を四頭も連れて歩いている。野島公園にはだいたい同じ時間に行くので、いつも同じ犬と飼い主と出会うことになる。我が家でも犬を飼っていた時代がある。子供たちが小学生や中学生の時代である。ちゃんと面倒を見ることを約束して飼うことになるのであるが、子供たちが中学生、高校生になると部活等で帰宅が遅くなり、結局は親が犬の面倒を見ることになる。ひと時は二頭もいて、毎日の散歩は結構大変なのである。犬の糞尿の世話をしながら散歩すること、人間の散歩にはならない。犬は嫌いではないが、この歳になって再び飼う気持にはならないということである。
住宅の密集地では猫が行き来している。猫は繋がれていないので、自由に道路を渡っているのを見かけるが、危なく車にひかれそうな場合も見かける。猫が喧嘩しているのは本当にうるさい。猫とも長らく生活している。やはり飼う気にもならない。連れ合いのスミさんがリスを飼うこと、三代目くらいまで続いたが、今は飼っていない。生きものは死に別れがあるので、再び飼う気にはならないのである。たか足クモのダイちゃん、チビちゃんが、いるとかいないと言っているくらいが、ちょうど良いのかもしれない。
最近は散歩中に雀と会話することがある。野島公園を徘徊し、夕照橋を渡ると間もなくコンビニがある。いつもそこで一休みしているのである。ある日、一休みしていると、一羽の雀がかなり近づいてくるのである。チイ、チイと話しかけているようである。「何もあげるものがないので、今度は持ってくるから」と言っておく。それからは散歩に出るときはビスケッテ数枚を袋に入れていくことにした。雀に約束してから数日後であったと思う。やはりコンビニの石垣に座って休んでいると、先日の雀と思われる一羽が近づいてくる、この雀は物怖じしないようで、私の足元まで近づいてくるのである。「約束どおり、持ってきたよ」と言いつつビスケットを砕いて撒いてあげる。一羽では食べきれないのではないかと思ったが、あんな小さな体なのに結構食べてしまうのである。翌日も同じ場所に行ったが、彼だか彼女は来なかった。それから数日後であると思う。例の雀と友達がやってくる。いつもの雀はすぐ近くまで寄ってくるが、友達は警戒しているのか、少し離れたところで鳴いているのである。ビスケットを砕いて撒いてあげると、いつもの雀は、私の足元であろうが寄ってきて食べている。ところが友達はしばらく離れて見ていたが、比較的近くまで来て、ビスケットのかけらを口にすると逃げるように遠く離れて食べているのである。食べ終わると用心しながら近づき、かけらを口にするやまた離れていくのである。一方、いつもの馴れ馴れしい雀は私の足元のビスケットのかけらを夢中で食べている。友達はそういうわけにはいかないようで、警戒しながら近づいては餌を口にくわえて離れていく。
いつも散歩に行くとき、今日はいるかなと思いつつ出かける。連れ合いのスミさんは、私がビスケットを持ったことを確認している。雀との出会いを話したからである。このところ雨であったり、天候もよくなかったので、なかなか雀との出会いがなかった。昨日も、いつものコンビニで休んだが雀は来なかった。「せっかく新しいビスケットを持ってきたのに」なんてぶつぶつ言いながら腰を上げて散歩を続ける。そのコンビニから遠くもないところに別のコンビニがある。そこの前を通ると、聞いたよう鳴き声がして、雀が近づいてくるのではないか。「こんなところにいたのかね」と言いつつ、ビスケットを撒いてあげる。友達はいない。一羽で思いっきり食べていた。それにしても馴れ馴れしい雀である。警戒する雀もいれば、人間と同じようでもある。「あまり馴れ馴れしいと、思わぬことが起きるので、気をつけなさいよ」と言いつつ雀と別れる。まさか、私の家までついて来たりして。それとなく庭を探したりしているのであるが…。



野島の近くにある室の木公園でお花見をする人々。



雀と友達になり、ビスケットをあげる。



雀は足元まで近寄ってくる。馴れ馴れしい雀である。