鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<218>

隠退牧師の徒然記(2013年7月20日〜)<218>
2013年12月18日「奏でる者へと導かれ」


聖書の言葉
ダビデはレビ人の幾人かを奉仕者として主の箱の前に立て、イスラエルの神、主をたたえて感謝をささげ、賛美するように命じた。彼らは琴と竪琴を奏で、アサフはシンバルを鳴らし、祭司のベナヤとヤハジエルは神の契約の箱の前で、絶えずラッパを吹いた。
(歴代誌上16章4-6節)



今年はコンサートに臨むことが多かった。去る12月14日は「若い芽のコンサート」と言うことで、綾瀬の文化会館に赴く。出場する「若い芽」と言われる人たちを良く存じているからである。小屋敷梨花さん、蓮野ゆいさん、蓮野まゆこさん達はドレーパー記念幼稚園の卒業生であるからである。特に梨花さんからは、ぜひお出でいただきたいとのお手紙をいただき、これは何としても、今では綾瀬までは遠いのであるが、連れ合いのスミさんと共に出かけたのである。午後1時30分開演なので、少なくとも1時には着くように、午前11時過ぎには自宅を出る。ところが横横道路から保土ヶ谷バイパスを通り、下川井でバイパスを降りてからは渋滞となる。さらに大和付近も渋滞していて、文化会館に着いたのは午後1時頃なのである。予定ではもう少し早く着いて、スミさんが用意したお弁当を食べることにしていた。もはやそんな時間もなく、すぐに入場したのである。丁度、笠倉昭子さんも来られ、小屋敷紫乃布さんが笠倉さんの車椅子を押して、専用の通路から入るところであった。そして、会場の中で挨拶をし、お話したのであった。連れ合いのスミさんは前の席に行ったが、私は笠倉さんの車椅子定位置の側に座ることにした。
他の出演者もいたが、特に知り合いの三人の皆さんの演奏に耳を傾ける。いずれの皆さんも小さい頃からピアノに向かい、練習を重ねている。私には演奏の評価はできないが、力強く演奏したと思う。今回のコンサートの趣旨は若い皆さんの演奏を励ますために企画したのであるという。従って、「綾瀬市の子ども達による『若い芽のコンサート』」との名称である。主催は「文化芸術育成プロジェクト」である。そのような組織が立ちあげられて、若い芸術家を育成すること、大切なことである。
第一部が終わったとき、空腹を覚えていた。お弁当を食べる間もなく、演奏会に臨んだからである。それで、駐車場に止めてある車の中で、スミさんには言わないで一人で食べることにした。スミさんを誘っても、第二部が始まってしまうので、食べないと言うことはわかっている。私が休憩時間にお弁当を食べに出てしまったので、笠倉さんと共にいる私に挨拶に来られた方がおられた。それがいなくなってしまったので困惑されたようである。お弁当を食べて会館にもどったとき、スタッフの人が二階席なら写真が写せると言って下さったので、もはや第二部が始まっていたが、それからは二階席にいて写真を写しながら演奏を聞いたのであった。みんな見事に演奏していたと思う。今後の成長を心からお祈りしている。
今年はコンサートに臨むことが多かったと記した。まず3月24日にマレーシア・クアラルンプールで羊子のピアノコンサートが開かれた。10月2日には新宿文化センターでマレーシア・ラーマン大学合唱団の東京演奏会が開かれた。指揮者がクアラルンプール教会の教会員であり、スミさんと共に出かけたのである。次は10月16日にすみだトリフォニホールで賛育会後援会のチャリティーコンサートが開催される。こちらは横浜本牧教会の稲本佑子さんが評議員をされておられることからお誘いいただいたのである。そして11月を迎え、スペイン・バルセロナでピアノの演奏活動をしている娘の羊子が一時帰国する。そして青山教会、ドレーパー記念幼稚園、横須賀上町教会、三崎教会、ベストライフ等でピアノのコンサートを開いたのであった。11月24日には横浜本牧教会でヴァイオリンコンサートが開かれ、その日は同教会の礼拝説教のお招きをいただいていることもあり、コンサートにも臨んだのであった。そして12月14日の「若い芽のコンサート」である。
演奏家の皆さんがコンサートを開くほどの演奏を聞く時、それまでの研鑽と練習には並大抵の努力を要したことであろう。娘の羊子が今日に至るまで、ピアノの世界に生きてきたので、その苦労を知る者である。一流の演奏家になった時、その良き師との出会いがある。いろいろな師に指導されながら、技術が磨かれてきたのである。羊子の場合は最終的にはスペインの巨匠アリシア・デ・ラローチャ先生との出会いが与えられたことであった。このような道筋が与えられて今日があるのであるが、発端こそ何よりの祝福ではないかと思う。発端とは、多くの場合は親である。あるいは幼くして良き師に出会ったということであろう。羊子の場合、母親であるスミさんの励ましがあったからである。幼少の頃からピアノに向かっていたが、ピアノの先生に師事するようになってから、常にピアノに向かうよう励まし続けたのは母親であった。この励ましがなかったら、つい緩みや怠慢が重なって来たであろう。
この度の「若い芽のコンサート」演奏者の皆さんを思うとき、そこには保護者の皆さんの篤い祈りを示されたのであった。



綾瀬文化会館で開催された「若い芽のコンサート」



力強い演奏をする「若い芽」の皆さん。