鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<214>

隠退牧師の徒然記(2013年7月20日〜)<214>
2013年12月6日「空の上に思いを馳せ」


聖書の言葉
この人たちは皆、信仰を抱いて死にました。約束されたものを手に入れませんでしたが、はるかにそれを見て喜びの声を上げ、自分たちが地上ではよそ者であり、仮住まいの者であることを公に言いあらわしたのです。神は、彼らのために都を準備されていたからです。
ヘブライ人への手紙11章13-16節)



最近は体の調子が良いと見えて、散歩の時間が長くなった。今までは1万歩を目指して歩いて居り、1時間30分くらいで達成していた。目的を達成しているので、それでよしとしていたが、後30分も歩くと2時間になるが14,000歩にもなる。少し遠回りすれば達成するので、毎日2時間は歩くようになっている。万歩計に設定されているシルクロード西安からローマまでの歩行設定も、終着のローマまで残り少なくなっている。前回は五ヶ月以上要したが、今回は五ヶ月を割ることになる。それも楽しみで時間をかけて歩いている。
いつも野島を目の前にするコンビニで休憩している。だいたい午後5時頃である。休憩しながら東の空のはるか彼方を見ると、飛行機が飛んでいるのが見える。飛んでいるというより、羽田飛行場に着陸態勢の状況であろうと思う。もう少し遅いと夕闇になり、飛行機の危険信号の光りの点滅で飛んでいるのがわかる。しかし、東の空の彼方は、結構雲でかすんでいるときが多く、飛んでいる飛行機が見えないこともある。昨日、12月5日は快晴で、東の空のはるか彼方も雲がかかっていない。なんと飛行機がかなり遠いのであるが、はっきりと見えるのである。それが、次から次へと飛んで来て、いずれも羽田飛行場への着陸態勢に入っているのであろう。1分おきに飛んでくる。今ごろは飛行場の管制塔は着陸する飛行機の整理で大変であろう、と思ったりする。こんなに時間が短いのに次から次へと着陸するのである。
そんなことを思いながら、着陸態勢の飛行機の乗客は、ある意味では不安のうちにおられる人もいるであろう、と想像したりする。私も何回か外国への飛行機の旅をしているが、着陸態勢の時間は気が引き締まっていたことが思い出される。そして、飛行機が滑走路に着陸した瞬間、ホッとするのであった。飛行機はしばらく飛行場内をゆっくりと動き、指定の到着場で停まるのである。停まると同時に乗客の皆さんは席から立ち上がる。到着しても、すぐには降りられないことは皆さんも知っているはずである。到着するや飛行機からターミナルへつなぐ通路を設置したりしているので、到着してもすぐには降りられないのである。だから、その辺りを思いながら立ち上がればよいのに、飛行機が停まった瞬間に立ち上がる。いつまでも通路に立ちつくしているのである。どの飛行機に乗っても見られる現象である。連れ合いのスミさんとバルセロナに行った時も、帰りの成田空港でも、スミさんが車椅子を使うので、乗客がすべて降りてからと言うことで、そのまま席に座っている。誰もいなくなった飛行機から客室乗務員に案内されて出口まで来ると、係の人が車椅子を用意して待って居てくれるのである。
車椅子をお願いするのは、連れ合いのスミさんが腰を痛めているので、長いこと歩くのは困難であるからだ。今年の3月からマレーシア・クアラルンプール日本語キリスト者集会のボランティア牧師として赴き、三ヶ月間職務を担ってきた。マレーシアまで7時間である。乗り換えもないので車椅子は依頼しなかった。しかし6月に帰国の時、スミさんが杖をついて歩いているので、客室乗務員が羽田空港に連絡して車椅子を手配してくれたのである。この手配はありがたかった。羽田飛行場では飛行機から出口までかなり歩くことになったからである。車椅子を依頼することで、つくづく有難かったのはバルセロナへ行った時である。直行便がないので、必ずヨーロッパのどこかの飛行場で乗り換えることになる。その乗り換えがかなりわかりにくいことがある。スイスのチューリッヒ空港ではリムジンバスに乗ったりするので、わかりにくいのであるが、車椅子の係員が速やかに連れて行ってくれるのである。昨年の9月にもバルセロナに行ったが、その時はヘルシンキで乗り換えた。その時も車椅子の係員が速やかに乗り換えを導いてくれたのである。
飛んでいる飛行機の窓から外を見ると、多くの場合は雲海であるが、時には遥かなる地上を見ることになる。よくもまあ、こんなに重い飛行機が空を飛ぶもんだと感心する。そして着陸した時の思いも忘れられない。今は世界の人々の交通手段であるが、それだけ世界が近くなっているのである。その近さが平和の基となればと思っている。
夕闇に次々に着陸態勢の飛行機を見ながら、しばし空の上にいる自分を思い出していた。



平潟湾から野島を望みつつ、散歩道の遊歩道を歩く。



遥かかなたに着陸態勢の飛行機を見る。
見えるかな。写真の中ほどに黒いものが。
次から次へとやってくる。