鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<206>

隠退牧師の徒然記(2013年7月20日〜)<206>
2013年11月18日「昔の感動がよみがえり」


聖書の言葉
そのとき、主の民は思い起こした、昔の日々を、モーセを。どこにおられるのか、その群れを飼う者を海から導き出された方は。どこにおられるのか、聖なる霊を彼のうちにおかれた方は。主は輝く御腕をモーセの右に伴わせ、民の前で海を二つに分け、とこしえの名声を得られた。主は彼らを導いて淵の中を通らせたが、彼らは荒れ野を行く馬のように、つまずくこともなかった。谷間に降りて行く家畜のように、主の霊は彼らを憩わせられた。このようにあなたは御自分の民を導き、輝く名声を得られた。
イザヤ書63章11-14節)



娘の羊子が一時帰国し、11月3日には青山教会でピアノの演奏を行う。4日にはドレーパー記念幼稚園ホールにて「シルバさん家族支援チャリティーコンサート」で演奏する。9日には横須賀上町教会の「建物修繕、東日本災害教会支援チャリティーコンサート」で演奏。10日には三崎教会でのチャペルコンサートで演奏させていただく。これらの予定を思いつつ歩んできたとき、もう一つコンサートが加わることになる。老人ホームで開くことになったのである。次女の星子が勤務している老人ホームが、先日スペインの音楽団を招いたということで、その写真を私共や羊子にも送ってくれたのである。ギターを弾き、歌をうたいつつ老人ホームを訪問していようである。スペイン人なので、終わってから星子が「グラッシャス」(ありがとう)というと、日本語を話す団員が「スペイン語が分かるのね」という。わかるほどではないが、星子は2011年4月に私共夫婦と一緒にスペイン・バルセロナにいる羊子のもとに赴いているのである。従って、簡単な言葉が分かるようである。すかさず団員が「オラ」というので、星子も「オラ」と返すことができる。「オラ」とは「こんにちは」という挨拶の言葉である。ホールでの演奏の写真を見て、ピアノが置かれていることを知った羊子が、訪問しても良いと星子に告げたのであった。星子は施設長さんに、身内がスペインでピアノの演奏活動をしているが、この度一時帰国することになり、いくつかの場所でコンサートを開くことになっているとお話し、こちらでもいかがですかと尋ねたのである。すると施設長さんは快諾してくださり、11日午後2時からコンサートを開くことになったのである。
予期せぬコンサート開催であり、私達夫婦も赴くことにした。星子が勤務している老人ホームに行くことも喜びであったからである。星子が老人のお世話をするという仕事を選び、皆さんに喜ばれながら勤めていることは、親としてこの上ない喜びである。その老人ホームに行った時、星子は会場づくりでかいがいしく動いていた。そして、時間になったので、利用者の皆さんが順次入ってくる。皆さんを座りやすい所に案内している星子であった。開会にあたり施設長さんがコメントするのであるが、この日の施設長さんは忙しいようで、事務所にいて電話等の対応をしている。そこで星子が開会宣言をして演奏者の羊子を紹介する。しかし、利用者の皆さんは星子が演奏者羊子の妹であることを知っているようである。なるべく星子は知られないようにしていたようであるが、いつの間にか皆さんは知っていたのであった。
最初に羊子は幻想曲「さくら さくら」を弾き、皆さんに何の曲か聴く。すると「さくらの変奏曲」であると答えられた方がおられた。「変奏曲」というほど、音楽の世界を知っているようである。おそらく若い頃はコンサート等、音楽の世界にふれていたのかもしれない。それはどなたも若い頃は歌をうたい、また聴き、テレビでもコンサート等を視聴していたのであろう。年を重ねると共に次第に疎遠になっていくのである。それでもこれまでの人生で歌いつつ過ごしてきたのである。羊子はスペインの曲をいくつか演奏し、その後は皆さんと一緒に歌う時とした。「赤とんぼ」、「虫の声」、「紅葉」、「小さい秋見つけた」、「たきび」、「ふるさと」を弾き、皆さんもピアノに合わせて歌っていた。それぞれ懐かしい歌である。いろいろな思いを持ちつつ歌われたのではないかと思っている。
一時間ほどで終えたのであるが、皆さんはとてもお喜びであった。親としてもこのような働きをしている子供たちを喜び、神様に感謝している。



星子が勤務する老人ホーム。



お年寄りを介助しながら、コンサートの会場に案内する星子。



演奏の合間にお話する羊子。
入口付近にいるのは星子。