鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

隠退牧師の徒然記<168>

隠退牧師の徒然記(2013年7月20日〜)<168>
2013年8月5日「余生を喜びつつ3」


聖書の言葉
だがあなたは、自分が学んで確信したことから離れてはなりません。あなたは、それをだれから学んだことを知っており、また、自分が幼い日から聖書に親しんできたことをも知っているからです。この書物は、キリスト・イエスへの信仰を通して救いに導く知恵を、あなたに与えることができます。聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。
(テモテへの手紙<二>3章14-16節)




 前回も前々回も「余生を喜びつつ」と題して、隠退牧師の余生の一こまを記した。それは野球観戦であり、散歩の楽しみである。余生の喜びはこんなものかと考えてみたら、まだまだ結構余生を楽しんでいることがあるので、この際、拾い出して記しておくことにしよう。
前週の土曜日3日は横浜市立大学のエクステンション講座が開かれたので受講する。今回が四回目である。講座は「イスラームの歴史と教義」(イラン映画に見る女性と社会)であり、イスラム教に対しては関心を持っていたので受講することにしたのである。それもマレーシア・クアラルンプール日本語キリスト者集会ボランティア牧師在任中のことであった。横浜市立大学からはメルマガが毎月送られてきている。
エクステンション講座を知ることになるのは、金沢区役所に何かの書類をとりに行った時、掲示板に横浜市立大学エクステンション講座「ヴェネツィアルネサンス絵画の巨匠たち」(海の都の芸術を探求する)の案内ポスターが掲げられていたからである。思わず足を止めて内容を見る。私にとっては興味ある内容であった。2011年4月から二ヶ月間、スペイン。バルセロナにいる羊子のもとで滞在したが、滞在中に塩野七生さんの「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」、「ルネサンスの女たち」を読む。そのことでヨーロッパの歴史に関心が深まり、帰国するや、やはり塩野七生さんの「ローマ人の物語」、文庫本で43巻を一気に読んでしまう。続いて「海の都の物語」(ヴェネツィア共和国の一千年)、文庫本で上下巻を読む。さらに塩野七生さんの地中海世界の歴史物語をいくつか読んだのであった。そんなこともあって2012年4月から六回のエクステンション講座に出席したのであった。それからはエクステンション講座のメルマガが送られてきている。



最初に出席したエクステンション講座。


マレーシアにいる時に今回の「イスラームの歴史と教義」の案内があり、メールで申し込んでおいたのである。マレーシアはイスラームの世界である。しかし、諸宗教には寛容であり、ブッダやキリストの生誕日は国民の休日になっているのである。寛容ではあるが、イスラム教徒であるマレー人にはキリスト教の伝道は禁止されている。滞在中、イスラム教のモスクをあちらこちらに見ることになり、イスラム教に対する関心が高まっていたのである。全部で六回の講座であるが、学ぶことが多い。実際に、毎回30分ずつイランの映画を鑑賞する。最初に観た映画は「オフサイド・ガールズ」である。サッカーが盛んな国であるが、女性はサッカーの観戦は禁じられている。しかし、女の子たちは観戦したいのである。それで男の子になって入場しようとするが、見破られて保護されてしまうのである。途中は略すが、女の子たちは警察署に護送される車の中で、イランがバーレンに勝ったことを知る。それで大いに喜ぶのであるが、街中が勝利に酔って大騒ぎになっている。護送車は進むことができない。そのうち、勝利に酔う人々が護送車の運転手、警察官まで引っ張りだし、一緒にお祝いする。車のドアは開けられたままであり、護送中の女の子たちも、勝利に酔いしれる群衆の中に紛れ込んで行くのである。「なぜ、女性は観戦出来ないのか」、繰り返し問われているのである。



現在、受講中の講座。



マレーシアに行く前に連れ合いのスミさんと共に受講。




マレーシアに赴く前に、エクステンション講座は「マレーシアを知る」(歩き方・住まい方)を今年の2月5日と12日の二回にわたり開講する。マレーシア行きを3月13日に控えており、これは良い学びのときであるとして、連れ合いのスミさんと共に受講したのである。
横浜市立大学からは秋の講座案内が送られてきた。その中に「イタリア・ルネサンス美術の3大巨匠」(天才芸術家の名作探求)の講座があり、やはり興味があるので受講するつもりである。横浜市立大学は金澤八景駅の近くであり、そこまで30分も歩けば行けるところである。散歩兼受講は二つの楽しみができると言うわけ。週一回なので、楽に出席出来るのである。余生を楽しむには、エクステンション講座は良いひとときである。足腰が大丈夫の間は受講を続けるであろう。