隠退牧師の徒然記＜１６７＞
隠退牧師の徒然記（2013年7月20日〜）＜１６７＞
2013年8月2日「余生を喜びつつ ２」
聖書の言葉
昼間は12時間あるではないか。昼のうちに歩けば、つまずくことはない。この世の光を見ているからだ。しかし、夜歩けばつまずく。その人のうちに光がないからである。
（ヨハネによる福音書11章9-10節）
前回は「余生を喜びつつ」と題して、隠退牧師の余生の一こまを記した。それは野球観戦であり、高校野球やプロ野球を観戦しつつ余生の喜びを持っている、なんてことを記している。余生の喜びと言えば、もう一つ付け加えておきたい。丁度、昨日はローマに到着したからである。毎日、散歩を楽しみにしているが、散歩を楽しませてくれるのが万歩計である。携帯電話に万歩計が装備されており、毎日の歩数が記録される。毎日1万歩の設定をしてある。毎日、2時間近く歩くと1万歩の達成である。一万歩の達成が目標であるが、もう一つの目標がある。万歩計には「シルクロード」が設定されている。中国の「西安」から「ローマ」までの1200キロメートルを歩くのである。ローマを目指して歩き続ける楽しさがある。
この「シルクロード」については2012年2月20日付のブログで記している。その時は2011年6月23日から歩き始め、2012年2月18日にローマに到着している。7ヶ月20日を要して西安からローマまで1200キロを歩いたのである。今回は2012年11月12日から歩き始めている。2013年8月1日に到着したので8ヶ月14日を要している。前回より24日も多く要している。今回のローマ到着は実感として受け止めている。昨年、2012年9月、10月に、再び連れ合いのスミさんとバルセロナの羊子を訪問する。今回は私の希望でもあるローマを訪問したのである。ヴァチカンやローマの遺跡を訪ね歩き、万歩計のローマ到着ではなく、実際のローマに感動したのである。だから、今回のローマ到着は歩いて到着したという喜びである。
前回は2011年6月23日から歩き始めを設定しているが、本来はその年の1月頃に設定していたのである。設定したまま4月、5月にスペイン・バルセロナでピアノの演奏活動をしている娘の羊子のもとに、連れ合いのスミさんと二番目の娘の星子と共に行く。滞在中、星子と共に散歩していると、見知らぬ人が話しかけてくる。私達の背中に何かがついているというわけで、ティッシュで拭いてくれたりしたのであった。もしかしたら鳥の糞かも知れないと思ったのである。親切な二人連れにお礼を述べて、羊子の家に向かう。ふとズボンのポケットに手を入れると携帯電話がない。思わず後ろポケットに手を入れてみる。20ユーロ札3枚を入れていたのであるが、それもないのである。スリに遭ったわけである。警察に届け出たり、携帯電話の会社に連絡をとって、内臓機能をストップしてもらったりする。もちろんスリは捕まらないし、携帯電話は戻らない。結局、今までの歩数は消えてしまったわけである。その時はパリに行き、ルーブル、オランジュリ、オルセー美術館を見学している。ルーブル美術館では足が痛くなるほど歩く。ところがそんなに歩いたのに、携帯電話は持参しなかったので、歩数はカウントされていない。結局、スリに遭って無くなってしまったので、帰国してから新しい携帯電話で設定したのである。今回も2012年11月12日に設定したのであるが、2013年3月から三ヶ月間、マレーシア・クアラルンプールで過ごすことになる。現地では散歩することなく過ごしていた。ふと万歩計を開いて、「シルクロード」を見ると、到着予定は2017年と表示している。殆ど歩かなかったからである。歩かなかったのであるが、現地のでこぼこ道を歩く気にはならなかったのである。すべてではないが、牧師館周辺の歩道は整備されてなく、散歩を楽しむ道ではない。まさにでこぼこの道であり、気をつけないと転倒してしまうような道なのである。車社会なので車道は整備されているが、歩道は放置されている状況であった。だから散歩しないでいたのであるが、ローマ到着は2017年と表示されるようになり、あわてて歩数を加えるようにしたのである。牧師館のリビングはかなり広く、床は石でもあり、歩きまわっても階下には影響しない。毎日、牧師館で行ったり来たりしながらカウントした結果、ローマ到着は2013年10月と表示されるようになり、帰国してからは毎日2時間歩くことにより、ついに8月1 日に達成したのであった。
隠退牧師は毎日午前中はパソコンに向かって、何らかの文章作りをしている。昼食後は読書や昼寝となる。そして夕刻、陽が傾く頃になって散歩に出る。もはや朝夕は涼しい風が吹いている。心地よさを感じながら1万歩を歩くのである。帰宅するのは午後7時頃であり、お風呂に入り、夕食をいだきながらテレビで野球観戦、または時代劇を観たりする。午後10時頃に就寝ということになる。隠退牧師の余生はこんなものである。忙しく牧会をする現役の皆さんには申し訳ないと思いつつ。
「シルクロード」を歩き、ローマに到着する。
エンディングのメッセージ。
