鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

常夏の国にて<61>

マレーシア・クアラルンプール滞在記(2013年3月13日〜6月4日)<61>
2013年5月12日「オープン・チャーチ」



 今日の聖日礼拝は「オープン・チャーチ」と言い、聞きなれない礼拝である。要するに教会、礼拝に初めて出席される皆さんをお迎えしての礼拝ということである。教会はいつでも開かれているが、出席される皆さんに、その意義を示しつつささげる礼拝なのである。礼拝が始まる前に、教会を担っておられる方が、「日本にはこのような名称がありますか」と問われていた。日本では、一般的には「伝道集会」、「キリスト教の集会」等であるが、中には「オープン・チャーチ」としている教会もあるのだろう。
KLJCFが5月の第二日曜日に「オープン・チャーチ」としての礼拝をささげるのは、この日が「母の日」であるからだ。母に対する感謝をもちながら、家族の皆さんと礼拝をささげることである。それと共に、毎年、この時期に国際理工情報デザイン専門学校の生徒さんが二週間の予定で短期留学に来ており、その生徒さん達が出席するのである。今年も学生の皆さんを迎えての礼拝なのである。31名の学生と4名の先生が来られた。キリスト教の礼拝に出席するのは、ほとんどの皆さんは初めてなのである。そのため、礼拝内容もいつもの礼拝順序ではなく、大幅に変更している。
まず前奏がある。そして司会者による歓迎の挨拶が行われる。続いて着席のままで賛美する。「この日は主がつくられた」(リビングプレイズ25番)、「いつくしみ深き」(讃美歌312番)、「キリストにはかえられません」(聖歌521番)、「イエスは愛で満たす」(リビングプレイズ55番)、「アメージング・グレース」(聖歌229番)、以上五曲である。歌詞はスライドで講壇の壁に映す。続いて聖書朗読はヨハネによる福音書15章11節から14節まで、短い聖書である。そして、もう説教である。「喜びの人生」と題して、伝道説教としてお話する。キリスト教は初めてである皆さんに、私自身の人生体験を通して、御言葉に導かれている証をお話したのである。今日は「母の日」であり、母の導きがあり、母の願いがあって、現在の自分があること、母を通して神様の導きがあることをお話したのであった。いつもの礼拝における説教は30分程度であるが、50分も要したと思う。説教後は「鹿のように」(リビングプレイズ69番)を歌い、祝祷、後奏で終わる。全体で1時間10分くらいであったと思う。本日の礼拝体験が今後の人生の指針となることをお祈りしている。



オープンチャーチで説教をする。
讃美歌の歌詞を写すため講壇は端に寄せている。



第二部は学生さん達の合唱。



 礼拝が終わり、第二部として、国際理工情報デザイン専門学校の学生さんによる合唱が行われる。31名の学生さんが講壇に上がると、まさに講壇が狭くなるし、会衆席ががらがらになる。と言っても、今日はオープン・チャーチなので教会の皆さんもいつもより多く出席されていたようだ。学生の皆さんは三曲の合唱を行う。その後は第三部となるが、午後6時に近づいていた。愛餐会である。教会が基本的に巻きずしと稲荷ずしを外注しており、後は教会の皆さんが、いろいろなご馳走を持ち寄って接待したのであった。愛餐会は、いつも礼拝後に行われるお茶の会の場で行われた。少し狭い感じもしたが、それでも皆さんはご馳走をお皿に取り、中には礼拝堂で食べている人もいる。




第三部は愛餐会。美味しいご馳走をお皿に盛って。



巻きずしと稲荷ずしの他は教会の皆さんの手料理である。



スミさんもラジ洋子さんと楽しく語らいながら。



 教会の皆さんはお料理が上手である。婦人会では一品持ち寄りの時があり、そして本日のようにお料理持参の食事会を体験しながら、大塚平安教会時代のポトラックを思い出していた。クリスマス、イースターの祝会は、毎回、持ち寄りのご馳走で行われていた。それぞれお得意のお料理をご持参くださり、皆さんは喜びつついただくのであった。2010年3月28日が私たちの最後の礼拝であり、礼拝後に送別会が開かれた。その送別会には、私が希望してボトラックにしていただいたのである。私が並べられたお料理の前に立つと、皆さんがご自分のお料理を私のお皿に盛ってくださるので、それはそれは盛りだくさんのお皿になったのであった。
 KLJCFの持ち寄りの食事をいただきながら、皆さんは日本に思いを寄せながらお料理をつくられていることを知るのであった。お料理は故郷そのものなのである。