鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

常夏の国にて<27>

マレーシア・クアラルンプール滞在記(2013年3月13日〜6月4日)<27>
2013年4月8日「水事情」



 ある一つのことを除いては、現地の生活は天国である。牧師館の3LDKの間取りは、夫婦で生活するには十分の広さである。夫婦の他に、少なくとも二人は泊まれる。羊子が10日間も共に生活できたのも、部屋にゆとりがあるからである。実際、今までのボランティア牧師達も、知人達が訪れたようである。私がこちらに来る前にも、友人達がぜひ行きたいと言っていたが、来ないようである。牧師館にはNHKのBSテレビが見られるので、日本の状況が分かる、しかし、好きな番組を選ぶというわけにはいかない。日本の情報が分かるだけでも由としなければならない。買い物にしても、牧師館のコンドミニアムを出て、少し歩けば商店街であり、何でも買うことができる。食べ物処、美容室、薬局、金物屋、文房具屋、雑貨屋、眼鏡屋、電話屋、歯医者、マッサージ、パン屋、酒屋、クリーニング、100円ショップ、セブンイレブン等、買うものに不自由しない。食べ物処については、何軒かの店に行ったが、屋台村の食べ方を覚えたので、もっぱら気持ちはそちらに向いている。コンドミニアムにはプールがあるので、楽しんでいることも記している。
 ある一つのことを除いては天国なのであるが、ある一つのことがあるから地獄のような生活をしているというのではない。一つのこととは「水事情」である。最近、台所の水道が茶色い水が出ることが多くなった。水を流していると、突然茶色い水に代わる。しばらく水を出していると、澄んだ水にもなる。それから洗濯すると、シャツ等が茶色くなっている場合がある。やはり、茶色い水が出ているのである。水道水は澄んだ水であるが、飲料水として使うことができない。だから、台所や洗濯水はフィルターを付けているのである。そのフィルターをある程度使用したら変えないと、茶色い水が出るようになるのである。フィルターについた鉄分のようなものが茶色くなっており、フィルターの役目が利かなくなると、茶色い水となっていくのである。このことは前の牧師がメモに残しておいてくれたので、いずれはフィルターを変えなければならないと思っていた。私達が牧師館の住民になったのは3月14日からであるが、メモによると、それ以前の三ヶ月で台所2回、洗濯場1回の割合でフィルターを変えていると記してある。いつ変えたのか記してないが、茶色い現象が出て来ているので、これは変え時であるとの合図なのである。幸い、フィルターの予備が二本置いてあったので、台所と洗濯場のフィルターを変えたのであった。これからは、もう少し頻繁に変えた方がよさそうである。



水道のフィルター。替えたばかりなので、まだ白い。



しばらく使用すると、このようにフィルターが茶色になる。



オキシゲンウォーターの販売機。
いつもこの水を仕入れに、
大きな5リットル入りのボトルを二本抱えてやってくる。


 何もかも天国のような生活なのであるが、水事情さえ注意していれば良いのである。こうなると横浜の生活を懐かしく思う。横浜の水は、もちろん無害であり、そのままがぶがぶと飲むことができる。朝起きればコップに一杯、美味しく飲んだものである。こちらはシャワーのみで、バスタブもなく、お風呂に入ることができない。温かいお湯で、足を伸ばして、しみじみとお風呂に入りたいと思っている。なにしろ水のチェックをいつもしていなければならない。飲み水は買わなければならないのである。6リットルでRM5または6である。150円くらいと言うことになるのだろう。いつも6リットルを買ってきては冷蔵庫に入れている。お茶や料理に使う水は、このコンドミニアム内でも売っているので、その水を使用している。1.5リットルでRM0.20、6円である。空になった6リットルのペットボトルをもって、9回からエレベーターでグランド階、つまり一階に買いに行くとき、ふとカナの婚礼の水くみが思われるのであった。結婚式でお祝いのぶどう酒が無くなった時、イエス様は裏方の働き人に、大きな六つの壺に水を入れなさいと言われた。働き人は井戸から水をくみ上げては壺に水を満たしたのである。そのような働きが祝福されて、水が美味しいぶどう酒に変わったのである。
 今日はフィルターを変えたし、しかしだからと言って飲むわけにはいかないが、顔を洗ったり、歯磨きすることはできる、茶碗洗いも念入りにするとしよう。水は命を保つものであり、汚れていればそれなりに対応すれば良いのである。水のお恵みを示されている。