鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記<50>

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記(2012年9月10日〜11月6日) <50>
2012年11月3日、4日、5日、6日「最後の礼拝を重ね、帰国」




 11月3日はお隣のロリーさんに招かれている。11時にお出でいただきたいということで、朝食は食べないでいた。ロリーさんも朝食を一緒にしましょうと言うことなのである。私たちがお邪魔してまもなくカルメンさんも来られた。さらにその後カルメンさんの二人のお嬢さんも来られて、いただきながら歓談をする。チョコラーテカリエンテというどろどろのチョコレートをカップに注ぎ、ナタという生クリームをたっぷり入れる。それにチュロスというドーナツみたいなものやエンサイマーダと言うパンを浸して食べるのである。こういう食事の仕方は初めてであるので、戸惑いつついただいたのであった。エンサイマーダはマヨルカ島の名物であるとか。お茶をいただくときには、このようなものが出されるのである。



ロリーさんに呼ばれ、チュロスやエンサイマーダをいただく。


 帰宅して、すぐにインターネットを開いた。2勝2敗で迎えた日本シリーズ第六戦が東京ドームで開かれているからである。先に巨人が3点を取り、しかしその後、3点取られて同点になる。今日は負けても明日がある、なんて思いながらベッドで横になる。果報は寝て待てと言う諺がある。眠気をもよおしていたからである。1時間くらい寝て、再びネットを開き、野球の結果を見る。やはり、果報は寝て待てであった。巨人が優勝したのであった。そのあたりをテレビで見たいのであるが、ネットに公開されている数枚の写真を見ながら喜んだのであった。
 3日は土曜日であるが、バルセロナ日本語で聖書を読む会の礼拝が午後4時30分から、下山由紀子さんの家で開かれた。月に一度の集会であり、9月は22日に、10月は6日に羊子の家で開催された。その二度ほど説教を担当させていただいた。今回の礼拝は私が説教を担当したのではなく、ベルギーのブリュッセル日本語プロテスタント教会で牧会している岡田直丈牧師が担当した。下山さんとは親しくされており、わざわざベルギーから来られたのである。岡田直丈牧師とは初対面であるが、彼は私が日本基督教団の書記であったことを知っており、いろいろとお話しすることができたのである。この日は下山さんのお宅に泊まり、次の日はマドリッド日本語で聖書を読む会の礼拝を担当すると言う。彼は日本基督教団の派遣宣教師である。



バルセロナ日本語で聖書を読む会の礼拝。下山由紀子さん宅で。



カトリック教会のミサに出席。



羊子が奏楽奉仕しているカトリック教会の前で。
最後の記念撮影。


11月4日は羊子が奏楽奉仕をしているカトリック教会のミサに出席した。この教会には9月23日に出席し、皆さんに挨拶をしている。連れ合いのスミさんは前週の10月28日のミサに出席したが、私は行かなかった。5日に帰国するので、4日のミサに出席したのである。既に顔見知りになっている皆さんに挨拶をして、羊子をよろしくお願いします、と言いつつお別れしたのであった。
 カトリック教会から帰り、今度は六浦谷間の集会バルセロナ礼拝をささげる。私としては前日の3日にバルセロナ日本語で聖書を読む会の礼拝をささげたので、もう礼拝はしなくても良いと思っていたのであるが、羊子としてはぜひ家族で礼拝したいとの希望があり、ささげることにしたのである。羊子としてはしばらく私の説教を聞けなくなるからである。説教「祝福の旅路」として、フィリピの信徒への手紙3章20節〜21節から示される。讃美歌は21の204番、385番を歌う。11月の第一主日であるので、召天者記念礼拝を覚えつつささげたのであった。帰国の間際になって礼拝を重ねることができて感謝である。



4日、六浦谷間の集会バルセロナ礼拝を終えてから最後の散歩に出る。
夜のサグラダ・ファミリア聖誕の門を背景に。



羊子のマンションを後にする。マンションの出入り口の前で。


 そして11月5日になる。いよいよ帰国である。フライトは10時15分であり、7時30分頃羊子の家を後にする。毎日、出入りしていた羊子の住むマンションの入口の前で記念写真を写す。空港の搭乗手続き所で、腰が良くないスミさんのために車椅子を頼む。担当者に連れられて身体検査を受けて搭乗口に向かう。羊子がいつまでも手を振っている。エレベーターのドアーが閉まるまで手を振っている羊子がいつまでもまぶたに残る。フライトは予定通りであり、フィンランドヘルシンキ空港で乗り換え、成田行きの飛行機に乗る。成田行きなので客室乗務員は日本人の女性が数人いる。乗客の半数は日本人である。機内放送も日本語が先で、その後英語等で案内していた。6日午前10時05分、成田飛行場に着くと、百合子と弥生さんが迎えに来てくれていた。55日間のスペイン・バルセロナの旅が終わる。



サグラダ・ファミリア、「受難の門」側を見つめつつ。
羊子の家から撮影。


<おわりに>
「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記を50回にわたりご笑覧くださいましてありがとうございました。55日間のバルセロナ滞在はサグラダ・ファミリアの西側、受難の門を見つめつつ過ごしました。娘の羊子の家からは、目線の高さで受難の門を見つめていたのでした。主イエス・キリストの十字架の救いを深く示されたのでした。このブログは少しお休みにしてから、再び「隠退牧師の徒然記」を記そうと思っております。