鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記<49>

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記(2012年9月10日〜11月6日) <49>
2012年11月2日「シウタデリャ公園散策」



 そろそろ帰国準備を始めることにした。明日の3日の土曜日は、お隣りのロリーさんに呼ばれているし、夕刻はバルセロナ日本語で聖書を読む会の礼拝が下山由紀子さんのお宅で開かれる。4日の日曜日は羊子が奏楽奉仕をしているカトリック教会に出席し、帰宅したら六浦谷間の集会バルセロナ礼拝をささげることになっている。5日には帰国である。そうすると帰国準備が間に合わなくなるので、今日の金曜日にそろそろ帰国準備を始めることにしたのである。帰国準備とはお土産を用意することである。
 そのため羊子がスーパーマーケットに連れて行ってくれた。今日は寒波も去り、比較的暖かい日よりになっている。外を歩くにも気持ちの良い日になっている。洗濯物を干してからスーパーマーケットに出かけたが、その前に中華食材店により、当面の食品を買い求める。その付近は中華街といわれるほど、中国の店が並んでいる。スペインには中国人が結構住んでいるようだ。もちろん中国人ばかりではなく、韓国人、日本人もスペイン生活をしているのである。スーパーマーケットは、いつも近くのカプラボに行っているが、こちらはそれよりも大きなマーケットであった。いろいろと買い物を済ませてから、スーパーの近くにシウタデリャ公園があるので、そこまで足を伸ばす。正面は凱旋門の方面にあるが、私たちは横の入り口から入る。緑豊かな市民の憩いの場となっており、ジョギングする人、木陰のベンチに座っている人、据えられている卓球台でピンポンを楽しむ人々がいる。31ヘクタールある敷地内には動物園や自然博物館がある。昨年は星子も一緒に来たのであるが、地中海の浜辺まで二人で歩いたとき、時間があれば動物園に入りたかったのである。こちらの動物園にはどんな動物がいるか、特に星子は興味があったようである。昨年は諦めたのであるが、今回も動物園を目の前にして入ることは無かった。次の機会があったら入園することにしよう。この動物園には約70種類の動物や鳥類が飼育されていると言う。柵を極力除き、動物との距離が近くなるように工夫されているのだと言う。また水族館もあるという。案内書に記されているほど知られている公園なのである。公園の中には彫像としてのマンモス像がそのままの大きさで置かれている。大きな池もあり、ボートを漕いで楽しんでいる。ボートのすぐ近くにまで水鳥が泳いでおり、人間も水鳥もこの池を喜んでいる。



とても広いシウタデリャ公園。



この池の彫刻のデザインにはガウディも関わっているという。



マンモスゾウの前で。



バルセロナ路面電車


 ところで昨日は「聖人の日」であり、一昨日のラス・ルーナスで前夜祭に臨んだことは記した。「聖人の日」にはお墓参りをするのだという。そして、今日は聖人の霊が帰るのだという。どこの国でも素朴な考え方が生活の一部になる。日本でもお盆と言えば先祖が帰ってくる日であり、迎え火、送り火等をして先祖を弔うことになっている。また、お彼岸も先祖の霊を祭ることになっており、そのときには「おはぎ」を食べることが慣わしになっている。こちらでも松の実のお菓子、焼きイも、焼き栗等、この時期の特別なお菓子を食べることになっている。だから、昨日はホアキンさんの夕食に招かれたとき、デザートは「聖人の日」に因んだお菓子が出され、珍しいので一通り食べてみたかったが、その前の美味しい食事でいくらもいただかなかった。しかし、お土産にくださったので、後で味わったわけである。こちらでは木の実を含んだお菓子である。亡くなった人を心に示されながら、自然の恵みをいただき、生きている者としての喜びを分かち合う、そのような「聖人の日」ではないかと思わされたのであった。
 帰宅してから午後3時頃に昼食をいただく。昨日、ホアキンさんの夕食に招かれて、美味しくいただいたのであるが、残った料理はすべて持たせてくださった。イカ墨のパエリア、鶏肉とキノコの煮込み等、再びいただいたのであった。82歳のホアキンさんの羊子や私たちに対する愛情をしみじみといただいたのであった。その後、私はパソコンに向かって作業をしたが、羊子とスミさんはジムに出かけていった。今日は公園で結構歩いているので、ジムで疲れを癒すためである。