鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記<44>

「受難の門を見つめつつ」バルセロナ滞在記(2012年9月10日〜11月6日) <44>
2012年10月26日「アンシャンプラ地区散策」



 アンシャンプラ地区とは、カタルーニャ広場の北側に広がる、19世紀以降の都市拡張計画で区画整備されたエリアである。当時バルセロナで起こった新芸術運動モデルニスモの旗手たちが関わっていたため、地区全体がモデルニスモの様相を呈していると案内書は説明している。地区全体が碁盤の目のように区画整備されている。この地区の中にサグラダ・ファミリアがあり世界遺産に登録されているサン・パウ病院があり、ガウディの作品であるカサ・ミラやカサ・パトリョ等がある。この地区の中に羊子の家があるのである。アンシャンプラ地区散策と言うとしたら、かなり広い地区を周りきれるものではない。羊子の家を出てサグラダ・ファミリア周辺の街並みを歩く程度であるが、それでも広範囲に歩くようになっている。
 今日はいつも通らない道を選びながら散歩する。スーパーマーケットと言えば羊子の家のすぐ近くにあるカプラボと道路を挟んでスーパーがある。しかし、散策していると結構スーパーマーケットがあるものである。六浦の家ではヨークマートとかダイエイのスーパーを利用するが、その半分くらいの大きさである。その他、道を歩いていると野菜・果物屋さんが結構ある。中国人が経営している場合が多いようである。羊子の家のすぐ近くにもろもろ雑貨屋さんがあるが、ここも中国人が経営している。「チノ」と称しているが、中国人の店を言う。先日もその店でスミさんが手芸に使う材料等を買ったりしていた。サグラダ・ファミリア周辺は土産物屋さんやバア・レストランが多い。店の外はカフェテラスになっており、店の中より外で食べたり飲んだりしている人が多い。そういう街並みであるが、普通に生活している人々がいるわけで、生活に必要な物資の店はあちらこちらにあることは言うまでもない。



交差点におかれている大きなゴミ箱。分別して捨てる。



ところどころにおかれているゴミ屑籠


 活きの良い魚介類、肉等を店頭に並べ、客が食材を指定して料理してもらう。その料理を店で食べるという商売もある。店の中は客が並んでいて、食材を指定しては料理してもらっている。変わった店もあるものだ。既に料理を作り、店頭に並べており、客が自由に取ってテーブルで食べる店もある。こういう店は日本にもあることは知っている。しかし、食材を指定して料理してもらうことは聞いたことがない。レストランで食べることは、客が大きな声で話し合っているので、私たちはレストランで食べることは好まない。美味しい食材を求めて自分の家で料理して食べたほうが美味しくいただけるし、騒音を聞かなくても済むのである。



広場や公園がたくさんあるのは、土地が豊かであるからだ。



アンシャンプラ地区の街並



 散策していると公園が結構あることを知る。公園にはだいたいドックランがあり、犬たちを遊ばせている。大きな犬、小さい犬たちが喧嘩もせずじゃれあって遊んでいる。飼い主たちはベンチに座って雑談しているのである。糞尿をさせる場でもあるので、糞は処理してゴミ箱に捨てるようになっている。しかし、尿はあちらこちらでするので、ドックランに入ったら、汚れを取る必要がある。こちらのほうでは夕刻8時頃に仕事が終わるので、家に帰ると、すぐに犬の散歩をするのである。朝、仕事に行く前に散歩をし、帰ってから散歩をするのであるが、犬は家で留守番をしているわけである。だから午後8時過ぎのドックランは込み合うほどである。日本にはドックランを公園に設けているところは無いようだ。綾瀬にいる頃、有料のドックランが開設されたが、あまり利用者がなく閉鎖されてしまった。日本では犬の糞は持ち帰りましょうと言うことであり、ゴミ箱もほとんど置いていないので、捨てることもできないのである。こちらでは至るところにゴミ箱が置かれている。そのゴミ箱のゴミを清掃車が来ては回収するのである。家庭の生ゴミ、紙くず、缶やビン、プラゴミ等は交差点の一角に大きなゴミ箱が置かれており、いつでも捨てられる。日本のゴミ事情に対して進歩していると思う。
公園はかなり広い場もある。遊歩道が公園のようになっており、ベンチが置かれているので、昼間散歩すると高齢者が所在無く座っているのを見かける。ベンチに座っては道行く人を見るのも憩いのひとときなのであろう。こちらでは人口に対して土地が豊かであり、何事もゆったりした生活のようだ。