鈴木伸治の徒然記

永年の牧師、園長を隠退し、思い出と共に現況を綴ります

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記<40>

「受難の門を見つめつつ」・バルセロナ滞在記(2012年9月10日〜11月6日) <40>
2012年10月21日「マルケスの誕生会」



 昨日以来、サンタ・スサンナのリゾートホテルに宿泊しているが、10時がチェックアウトである。少し早めに起きてお風呂に入る。浴槽も大きく、熱い湯をたっぷり入れて、ゆったりと入ることができた。朝食を8時30分頃に済ませる。朝食もバイキング方式で、美味しそうな食べ物をいただく。三食付なので、10時にチェックアウトしても昼食はこのホテルで食べるのである。そのため、チェックアウト後はサンタ・スサンナの町を散策することにした。小さい町なので、少し歩けば町外れになってしまう。地中海に面する町であり、ホテルも海に近い。つい最近まで海水浴客が多かったようであるが、今は別な意味でこのリゾートホテルを利用しているようである。サンタコロマの皆さんが研修会を開催するように。散歩していると学校があり、何かのイベントをしている。ヒガンテス(大きな人形)も登場していて、楽隊に合わせて踊っている。この時、初めてヒガンテスを間近に見ることができた。どういう仕組みになっているのかと思っていた。大きな人間の人形を下のやぐらに乗せているのである。人形の中に入ってそのやぐらを一人で持つのである。全体で50kgくらいあるそうだ。かなり重いので、いつまでも一人の人が人形を躍らせるわけには行かない。それで常に交替するのである。大きい人形の下の部分に覗き穴があるので、そこから覗いては踊るのである。ヒガンテスの出番が終わり、丁度片付けるときに我々がいたので、ヒガンテスト共に記念写真を写すことができた。何回か遠くから見たのであるが、間近に見ることができ、その仕組みを理解できたことは収穫であった。ホテルに向かう途中、海岸に出る。ここは地中海である。塩野七生さんの著作により、地中海世界の戦いの歴史を読んでいるので、特別な思いで地中海の浜辺に立つ。そうこうしているうちに昼食時間の1時を過ぎたので、ホテルに戻る。昼食であるが美味しいビフテキを二枚も食べてしまった。お腹いっぱいになったところで帰路につき、5時頃に帰宅する。



サンタコロマのインマさんから裁縫セットを贈られて喜ぶスミさん。



ヒガンテスと共に記念写真。



 今日はマルケス(伯爵)と言われているホアキンさんの誕生会が夜8時から開かれるので、お祝いに出かける。ホアキンさんには私たちがバルセロナに来て二日目に夕食を招待されている。またその後、何かと集いがあるが、いつもホアキンさんが一緒であった。ホアキンさんの交友も大変広く、この日は多くの音楽家たちが集まる。最初にホアキンさんが挨拶をされた。出席している皆さんを紹介され、私たち夫婦も紹介される。その後は音楽家たちの演奏である。最初にフルート奏者のセヴェリンさんが演奏する。この人とは9月16日に演奏家たちの集いでお会いしている。次は羊子がピアノの演奏を行う。ピアノがないので、サンタ・スサンナで使用したカシオのキーボードで演奏する。友人から借りたのである。次はヴァイオリン奏者の演奏であり、続いてカスタネットの演奏があった。カスタネットと言えば、子どもが合奏で使うものしか思っていなかったが、プロの本格的なカスタネットの演奏には驚きであった。羊子が私たちにも演奏を促し、音楽家の皆さんの前では恥ずかしいのであるが、お祝いの会なのでハーモニカと独唱を行う。下手ではあるが皆さんは拍手して喜んでくれた。ここで立食をいただく。30人も出席しているので、軽食のおつまみであるが、立ち話で歓談が続く。その後は第二部としてマルガさんの歌唱がある。途中、整体師のフランセスクさんも一緒に歌っていた。スミさんが腰痛のとき、整体をしてくれた人である。スミさんに、その後の腰の具合を尋ねていた。いつでも整体をするから、遠慮なく連絡して欲しいとも言われている。数曲マルガさんが歌った後に誕生日ケーキの入場である。お孫さんのマリアさんがハッピーバースデイの曲を弾き、ヴァイオリン、カスタネットの皆さんも一緒に演奏する。チョコレートケーキの上に82の文字のローソクに火がつけられており、ホアキンさんは喜びつつ火を吹き消していた。今日は82歳の誕生日なのである。その後はケーキをいただきながら歓談が続く。私に対して皆さんがハーモニカが上手であったと言ってくれる。帰宅したのは夜12時近かった。昨日から今日にかけて多くの経験と出会いが与えられた。



ホアキンさんの挨拶。



お祝いに集まった皆さん。



セヴェリンさんと羊子がお祝いの演奏。



二人に祝福されて心臓が止まりそうなホアキンさん。